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気まぐれトラベラー魔王”ザバス” ~流したソーメンはラー油ごま油かつおだし汁で食う~

バリカタが最高にうまい今日この頃。

「のんでるかぁあ! やろうども! 」


 飲んだくれ魔王がやってきた。


「最高の異世界酒持ってきてやったぞ! 異星人共! おい! どうしたパチ男! 夜はこれからぞ! 」


 のぼせて貧血気味のパチ男の頬をぺちぺちと叩く魔王。力が強かったのかパチ男の頬は赤く腫れあがっていた。


「だめだこいつは! 今回の転生者はどうした! 気合が足らんぞ! 気合が! さぁ飲め! くりぼっさん! 俺の酒が飲めないのかぁ! えぇ! 」


「ちゃんといただきますよ魔王様。私は仕事で来てますが、これだけが唯一の楽しみですから 」


 と言って、グラスに注がれた異世界酒をぐいっと飲み干す。それを見たニコニコ顔の魔王様が再び注ぎ始める。おっとと、と溢れそうになった酒を溢すまいと急いで口をつけて受け入れる。ちらりと魔王を見ると”注いで 注いで”と言わんばかりに目をキラキラとさせてグラスを持ってスタンバっていた。”お返しです”と魔王グラスに酒を注ぐくりぼっさん。満タンになった酒を一気に飲み干すと、”おかわり おかわり”と急かしてくる。


「魔王様はペースがお早い 」


「おうともよ、人間たちが我に貢いだものの中でトップクラスに旨いと思っているのがこの異世界酒ぞ、一滴も零さず飲むのが人間たちに対する礼儀であると心得ておる 」


「魔王様のご慈悲に感謝を 」


「よせやい、水臭い! 我は異世界酒の次にお前を気に入っておる。どうじゃ! 我の元に来んか 」


 突然のスカウトにくりぼっさんは困惑するが間髪入れずに断りを入れる。


「ありがたいお話で恐縮なのですが、私にはまだやるべき使命がありますので 」

 

 数秒の沈黙、それは長くは続かずに魔王が先に言葉を紡ぐ。


「贖罪か、、、。貴様を満足させてやれるのはおまえ自身だ。我が口出しできるものではない。だがそれ故に問う。なぜそいつを選んだのだ 」


「私は彼を選んでいない。彼自身が”運命をドロー”し、一歩を踏み出したのです。私はそれに希望を見出し私や会社も彼に全ベットすることに決めたのです。異世界の覇権をかけたこの戦争に勝つために 」


 くりぼっさんが語ったパチ男召喚の意味。その意味はとてつもなく重く、何を話しているのか全く理解できていないパチ男はぐったりと横になっていた。


「そうか、ならよい! 貴様たちの生き様! 我にとくとみせつけよ! 」


 ご満悦な魔王様に酒を注がれ、申し訳なさそうに会釈するくりぼっさん。


「どうじゃ、なんなら我が貴様たちについていってやってもいいぞ、おもしろそうじゃ 」


「魔王様がですか。おもしろそうですが、明らかにライバル陣営と敵対することになりますね 」


「そんなちっちゃなこと気にするでない! 我が蹴散らしてやるから安心して旅をするがよい。ってパチ男はまだ起きんのか! 起きろ! そして我の酒を飲め! 」


 強引に起こされたパチ男の口を思いっきり開けて、魔王は酒を流し込み始めた。当然息ができなくなるため、パチ男は飲み込み続ける。そのためすぐに酔いが回り、頭がふらふらし始める。


「が簿が簿が簿が簿が簿が簿が、、、 」


「がーはっはははは! いいぞパチ男! もっと飲め! そして我を楽しませるのじゃ! 」


「魔王様、ほどほどに。パチ男さんが死にそうです 」


「こんなことで死ぬならそれまでの男よ。さぁ、酔って酔って酔いまくって我に力を示せ! 」


「くそ、まおう、、、おかまい、なく 」


 スキル”お構いなく”によりアルハラを躱すパチ男だが、魔王には通じず再び酒を流し込まれる。


「はーはっはっは! きかんぞ! なぜならそのスキルは我より派生したものだからだ! 因果を打ち消す力ぁ! うまく使えよ! 」


 魔王に小手先は通じないみたいだ。パチ男は絶望した。今に見ていろと、こっそりとシャカパチをしてチャージを貯める。


 魔王にぎゃふんと言わせるカードをドローするために。

 

日本酒を飲んで駅前で寝てました。

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