第3話 「勝つことが正義。失墜の戦士。」
カマイタチを撃破した誠司たちは家に戻ろうとしていた。その時、後ろには黒い鎧を纏った人間がいた。
「誰だ。お前は。」
誠司が剣を向けるとそれに応えるように剣を向けながら、
「戦え、お話はその後だ。」
と一言。
「こいつも妖なのか。」
「違う。おそらく人間だ。私たちのようなものだろう。左手を見ろ。」
その人間の手首にはクロスバンドのようなものがつけられている。
「あれは‥。クロスバンドか? でも、これとは何か違うような。」
自分のクロスバンドを見ながら呟く。
「それに、私は感じる。あいつの中にも覚醒したココロノカミがいる。」
「まじか。」
「何を話している。さっさと始めるぞ。」
少しイラついた様子で誠司に言う。
「そうだな。フェニル、いこう」
フェニリングをセットし、再度フェニックスフォルムに変身。黒い鎧を纏った者は左手に黒金の刀を持つ。お互いに八相の構えになる。相打ち、打ち合いを繰り返すも、最初に制したのは相手だった。
「この程度か。」
さらに追い討ちをかけられる。
(振る速さも、機動力も全て相手の方が上だ。)
「しかも、この前の妖より強くないか。」
ノーヴァは守りに徹するしかなかった。
「何も変わらぬな。お前が俺に振れたのは最初の打ち合いのみ。お前では相手のならない。」
後ろに倒れてしまうノーヴァ。
「グワァ!」
「覚悟が足りないんだ。お前に剣を持つ資格はない。俺にはココロノカミを強制解放する力があるんだよ。」
「ココロノカミってもう、なんなんだ。」
誠司が今にも消えそうな声で言う。
「気持ちの昂りだよ。気持ちが強い奴が覚醒できる。そして、俺はその覚醒しかけてるやつを強制的に目覚めさせ、暴走させることができる。」
「気持ちの…昂り。」
「運動部のやつってすぐに気持ちが昂るからな。やりやすいんだよ。お前の学校にはいっぱい、いるよなぁ。そう言うやつ。」
ハッとした誠司がそれに答える。
「お前、まさか桜聖学園を狙ってるのか!」
「さぁな。」
と言いながら黒金の剣を上段に構える。
「あばよ。“黒斬”」
遠斬撃がノーヴァを襲う。大きくダメージを負ったノーヴァは変身解除し、その場に倒れてしまう。フェニルはリングから飛び出し、誠司の前で翼を広げる。
「誠司!」
「お前がそいつのカミか。言っておけ、お前は戦いに向かないと。」
フェニルは誠司を羽で守りながら
「お前に何がわかるんだ。誠司は強い。今回は油断しただけだ!」
「言っていろ。俺の名前は『失墜の戦士』。次会った時には必ず仕留める。」
そう残してその場から消えた。
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誠司が目を覚ますと目には家の屋根が映った。
「学校が! いたっ。」
横にはフェニルがSDフォルムで今にも泣き出しそうな顔をして座っている。
「誠司! あまり動かない方がいい。ひどい怪我だ。」
誠司は焦りながら言う。
「あいつはどこに!」
「失墜の戦士と言うそうだ。君が倒れた後、姿を消したよ。」
「くそっ。」
誠司は床を拳で叩きつけて、悔しそうな顔を浮かべる。
「どうかしたのかい?」
フェニルが誠司に問いかける。
「あいつの剣捌きは本物だった。圧倒されて何もできなかった!」
唇を噛み締めながら誠司は返す。
「剣の技量はそこそこあるであろう君がそう言うだなんてね。」
「でも、あいつの剣捌きを僕はどこかで見た気もしたんだ。」
「一体どこで?」
「わからない。でも、次は勝つ。学園の平和がかかってるんだ。」
「絶対守ろう。」
二人は拳を合わせながら語る。




