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第26話 「雷竜ドラグ 黄金の目覚め」

ゼロとドラグの真実を知り、立ち上がることができなかったゼロ。


黒いゼロが両手を地面につけ、跪くゼロを下から斬りあげる。空中に体が上がったゼロをさらに胴切り。肩を斬り、胴を切る。ゼロと同じ大剣のロックブレイブを持っているにも関わらず、軽々と連続攻撃を繰り出す。

「青葉! しっかりしろ!」

「あいつ、追い込まれすぎだ。助けに行かないと‥。」

「助けに来るのは反則だよ。そこで黙って見てるんだね。自分の準備でもしておきな。」

ケガレが冷たく遇らう。

「ごめんな、ドラグ。俺、お前の力引き出せてないってさ。」

(そんな弱音を吐いてどうする。負けるのか?)


「こいつ強えんだもん。勝てっこねぇ…。」

(フザケルナよ。)

「ドラグ?」

(オレはいくらお前がバカでもクダラネェやつでもお前を信じてる。オレだってお前の強さを全て知ってるわけじゃねぇ! 技が打てるようになったのも『オレたち』の力だ! だからオマエが諦めるな。オレはまだやれるぞ。)

ゼロの体からバチバチと火花が散る。

「なんだこれ。」

(そうだ。オレは元々『緑』じゃねぇ。)

「え?! お前は緑色のドラゴンで岩属性じゃねえのかよ!」

(なんで気づかなかったんだオレは。龍悟、お前の武器はタフさだけじゃねえ。瞬発力を活かした『速さ』もだろ!)

「そうだな…。多分?」

(オレたちココロノカミは宿る人間の力に応じる。オレの本来の姿はこれじゃねえ! オマエの小さい頃を思い出してみろ!)

「俺の小さい頃? …あ!」

青葉の中で一つの記憶が蘇る。

“すばしっこいジャガイモ”

竜吾が当時通っていた道場、地区大会で呼ばれていた青葉が呼ばれていたものだった。

「そんなこともあったっけな! てことはドラグ、オマエの本当の強さって…。」

(あぁ! オレの本来の姿は。)

ゼロからドラグが飛び出すとkん色に輝く。

金色こんじきのドラゴン、雷竜のドラグだ!」

「ドラグ…お前岩じゃなくて雷なのかよ!」

「オレも今の今まで忘れてたぜ! さあ、あのニセモンぶっ倒すぞ!」

「おう!」

打ち込みXクロスになっていた青葉のクロスバンドにドラグが入り込み、金色のドラゴンの鍔が生まれる。

「重装!」

ロックドラゴンフォルムで緑色だった部分が金色になりゼロのアーマーとなる。


“刹那の剣士ゼロ サンダードラゴンフォルム”


(この姿に戻ったことで…)

ドラグが説明に入ろうとした瞬間、黒いゼロが切り掛かってくる。


龍牙面崩リュウガメンホウ


閃光雷影せんこうらいえい


ゼロは体を半歩ずらして黒いゼロの正面斬りを回避する。

体は稲妻を纏っている、

「すげぇ。体が痺れてる。」

(俺の電撃をオマエの体に流している。スピードは格段に上がるが、消耗は激しいだろうな。)

「でも、さっきより、『うまく』力が出るぜ!」

(フンッ。見せてやろうぜ。オレたちの力を!)


龍鱗結界りゅうりんけっかい


「これは使えるんだな! だったら身体へのダメージは関係ねぇ!」


雷電轟破らいりゅうごうは


稲妻を纏って黒いゼロへと急速に距離を詰める。


「見えたぜ! “雷龍胴刃らいりゅうどうじん”」


ゼロの胴切りが黒いゼロにヒット。

「なんだ…あの速さは。予想外だ。」

ケガレが『また』唇を噛み締める。

「一気に決める!」

(あぁ!ヤッテヤロウ!)

「俺の今の馬鹿力に!」

(オレの雷竜としての速さを加える!)

「俺たちだからできる必殺技!」

ゼロを取り囲んだ龍鱗結界にも稲妻が走り、力が溜まっていく。

「いくぞ!ドラグ!」

(いつでも来い!)

ゼロは大剣が姿を変えたサンダーブレイブで脇構えをとり、地面を思いっきり蹴る。

黒いゼロはショートを起こし、動きがままならない。

「そんな…僕の『ゼロ』が…。」


雷電飛翔斬らいでんひしょうざん


黒いゼロを頭から斬り付け、地面にサンダーブレイブを叩きつける。

黒いゼロは火花を散らし、爆散する。

「よっしゃーーー!」

試合場内で思いっきりガッツポーズをするゼロ。

「これが剣道の試合なら反則だな。」

「だな。」

ほっとした誠司と武叶はそんな話をしていると、重装解除した青葉が二人の元へ戻ってくる。

「俺! やったぜ!」

「お前、静電気すげえな。」

「まだパチパチ言ってるし…。」

ワイワイしているとケガレがやってくる。

「やりますね。青葉くん。僕が実験の中で封印したドラグの本来の力を取り戻すなんて。でも僕は君をヒーローとは認めませんよ。」

「俺はヒーローじゃないよ。みんなと楽しくこうやってワイワイしてたいだけだから。俺はこの『今』の笑顔を守る。それができれば満足だ!」

ケガレは唇を噛み締め、舌打ちをする。

「その言葉…必ず効果出るぞ…。次、誠司くんがくるのかな? たけ…。」

「俺がいく。俺の相手の『アイツ』は絶望の戦士だろ。誠司の体力を最大に回復させるためにも、俺が戦ってやるよ!」

「武叶‥。」

「剣聖ノーヴァの力、ぜってぇ使えるようにしろよ!」

「あぁ、わかった。」

「てことで、俺だ! いくぜ!」

武叶と絶望の戦士の鎧を纏ったロボットが試合場に入る。

「じゃあ行きますよ。始め!」

「この戦い、一瞬で終わるぜ!」

武叶はハクアリングで“希望の戦士 ホーヴ ハクアフォルム”に重装し、手には白銀しろがねを持って斬りかかる。

対する絶望の戦士のロボットは鎧を纏ってクロガネを構える。


白鴉翔天斬はくあしょうてんざん


鴉哭一閃アコクイッセン


2人の正面斬りの技がぶつかる。ホーヴと戦士の刀はジリジリとせめぎあい、鍔迫りの状態に入る。

「やっぱ変わんねぇな。『お前』は!」

試合場の外から見ているケガレはどこかつまらなそうな顔をしている。

「ケガレ、お前は『過去の』俺しか知らない! 俺はな…。一度は力に溺れた。でも、誠司や龍悟のおかげで立ち直れた。ハクアの力があったから目覚めることができた!」

鍔迫りがきれ、二人が間合いをとる。

「俺は『あの時』よりも強い! それをここで証明してやる!」


白鴉光輪ハクアコウリン


「なんだ…その『輪』は‥。」

目を見開くケガレ。

「こいつらと一緒にいて研究してできた『俺とハクア』の力だ!」

場外にいる誠司と青葉を指さしながら言う。

「あの時の俺はただ力に呑まれた。でもな、誠司とフェニル、龍悟とドラグ。あいつらを見てると『俺もハクアと』なんかでっけぇことしてみたくなっちまってできた俺たちだけの技だ!」

その言葉を聞いて場外から見守る誠司たちは微笑む。

「ハハッ…。やっぱ君は面白いね。ボクについてきていればもっと強くしてあげれたものを! 力に溺れた君の方がよっぽど魅力的だったよ! ヤレ! 絶望の戦士!」

ケガレの言葉でエネルギーを増した戦士がホーヴに襲いかかる。


鴉哭一閃アコクイッセン


「やってみろや!」

ホーヴの背後の光輪から大きな羽が生え、ホーヴを包む。

「効かねぇんだよ!」

羽で戦士を弾き飛ばし、さらに羽を伸ばして直接攻撃する。

バチバチと火花を散らす戦士の鎧。

「まだだぁ!」


白羽光閃はくうこうせん


ホーヴの胴切りが戦士に決まる。絶望の戦士の鎧は崩れかけている。

「そんな…ボクのサイコウケッサクが…。」

「お前の実験は『失敗』だ! ハクア、力を貸せ!」

(任せな!)

最後の力を振り絞って戦士が技を打ってくる。

鴉哭一閃アコクイッセン

クロガネを大きく振りかぶりホーヴに斬りかかる。

「やっぱ俺って単細胞だな。」

「(ハクアの力をこの剣に乗せる。)」

「いくぜ! ハクア!」

(決めよう。)

ケガレが振ってくる正面斬りを振り切られる前にいなし、返し胴を決める。


光斬返こうざんがえし


胴で切り抜けた後すぐに振り返って戦士も振り返ったところに正面斬りを叩き込む。


白鴉翔天斬はくあしょうてんざん


絶望の戦士の頭から地面に剣が叩きつけられるまで振り切って絶望の戦士の姿をしたロボットは爆散した。

「くそがっ…。」

唇を噛み締めるケガレと、拳をグッと握りしめるホーヴ。

「やるじゃないですか。武叶くん。」

「俺を強くしたのはお前だ。でもそれは本当の強さじゃなかった。誠司、今話すことかはわからないが…。」

ポカンとした顔をする誠司。

「なんだ?」

ホーヴはさらに拳を強く握りしめる。

「親父を殺すようにガジリオスを配置したのは…ケガレ…影沼だ。」

その言葉を聞いて右手に握りしめていたフェニリングを誠司は落とす。

「…は?」





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