第25話 「暴かれた真実と『特設ステージ』」
ケガレ・アリウムが作り出した単体の技では攻略できなかったガジリオスを彷彿とさせる怪物をなんとか撃破したノーヴァ、ゼロ、ホーヴの前にケガレの姿となった影沼がいる。
「影沼先生…。」
「ハハッ‥凰堂くん。今の僕は“ケガレ・アリウム”ですよ。」
2人が睨み合う中、ホーヴがわって入る。
「誠司、こいつの言うとおりだ! あいつは悪魔に魂売っちまった…今では怪物と同じだ!」
ホーヴの言葉にハッとするノーヴァに着装する誠司。
「そんな…。影沼先生は僕たちをいつでも助けてくれた…僕たちの先生だぞ!」
「じゃあ“それ”がお前を利用するためだったら?」
ホーヴがボソッと呟く。
「桜聖を俺が狙ったのはあいつの指示だ…。助からなくても部外者は出さない。だってあいつには解毒剤があるから…それでどうにでもなる。」
「…。」
「戦いの場を桜聖付近にすればあいつh少しの隙を縫ってお前の戦いを見に行ける。」
「……。」
「クロスバンドが壊れたらあいつの力で直せばいい…。そうすればお前は戦い続けられるからな!」
「…! そんな…。」
ケガレの手元からキラっとしたものが見える。
「危ない!」
ケガレが投げたのは刃先に毒が塗られたナイフだった。
ホーヴがノーヴァを突き倒して回避した。
「お前‥何を…。」
「外したか。残念。まあまあここでやり合うのもなんだから、“特設ステージ”に来なよ!」
ケガレが3人を先導して“特設ステージ”へと連れていく。
その頃、桜聖学園剣道場では稽古が終わり、片付けに入っていた。
「凰堂君たち、帰ってこなかったね。」
「そうだな。」
そう話しているのは誠司の同級生の沢島とマネージャーの美雪。
「雨も降りそうだし、早く帰って来ねえかな。俺傘忘れたから誠司に入れてもらおっかな!って!」
苦笑いをする美雪と笑いながら喋っていたが、言葉が切れるとともに顔が暗くなる沢島。
「ここは…。」
「桜聖学園だよ! 『僕たち』のね。ね! 戦士よ。」
影沼が武叶を指差しながら言うと、誠司と青葉は武叶を振り返る。
「そうだな…。『俺たち』の。」
「どう言うことだよ武叶!」
つかみかかる青葉。
「行けばわかる。」
そう言って先をいく影沼を追う武叶。それについていく誠司と青葉。
校舎の地下を進み、一つの部屋が見えた。
「さあ! ついたよ。そして見な。」
扉が開区と誠司たちの目の前に現れたのは3体のロボットだった。
「なんだ‥これは…。」
「これは俺も初めて見た。」
「お、俺がもう1人?!」
3人の目の前にいたのはそれぞれの
明日の剣士ノーヴァ
刹那の剣士ゼロ
絶望の戦士
のアーマーを纏ったロボットだった。
「これ作るの大変だったんだよ! 君たちのデータをとってそれを超えれる動きをするシステムを作る。もちろんこいつらにココロノカミは宿ってないからただの『破壊兵器』だよ。」
タブレットをいじりながらそう語るケガレ。
「今までの戦いが全て記録されていたのか…。」
「あぁそうさ。凰堂くん、君の数多の怪物との戦い、絶望の戦士との戦い。全て記録しているよ。そして武叶、君のロストクロスを調整した時よりも強くしているよ。」
「くっ…。」
「そして、ゼロ。君には期待外れだよ。いいデータはあまり取れていない。バカじゃ剣道も戦いもできないんだよ。」
「なんだと!」
「落ち着け龍悟! あいつの口車に乗ってる場合じゃねぇ。」
「いいね。その冷静さ。さあ、」
研究室が変形して道場になる。
「床が金属だ。」
「ここでなら着装して存分に戦えるよ。僕の研究が正しいってことを見せてあげるよ。」
固唾を飲む3人。
「こいつらは君たちの生命反応が消えるまで刃を向け続ける。君たちが命を落とすか、このロボットを倒すか。二つに一つだ!」
「なんなんだよ。この状況。俺のデータ、ぜってぇつええじゃん。だって、あいつに魂売って作ってもらった鎧だぜ。勝てるわけねぇ。」
「武叶。お前のココロノカミはそんなに信用できないのか。」
「ハクア…。」
「お前はホーヴの力に目覚めてからも絶対強くなってる! お前とお前の『相棒』を信じろ!」
「誠司…。」
「覚悟が決まったかな?」
「僕は勝つ。この戦いを終わらせて、みんなとまた『剣道』をする!」
「ふんっ。つまらない。君はいつもそればかりだ。」
青葉が立ち上がる。
「俺もやる! 『今』の俺が一番つええってことを教えてやるよ!」
「…。」
「俺は…俺は…。」
「武叶!」
拳を握りしめる武叶。
「俺は『過去』を超える! 俺の強さを証明してやる!」
「決まりだな。さあ誰から来る?」
一歩前に出たのは青葉だった。
「俺って多分、大将より先方の方が向いてるんだよ! 3(6)―0(0)(剣道3人団体の全員2本勝ちで青手に誰も一本もとられなかった時のスコア)で勝利をもぎ取るぜ!」
微笑みながら青葉の背中を押す誠司。
「ああ。頼むぞ。」
「お前が負けても俺が取り返す!」
バシッと背中を叩きながら武叶がニカッと笑う。
「それ俺死ぬってことじゃん!」
3人がわいわいと話しているとケガレは唇を噛み締めながら
「ゼロ解放。」
ゼロの形をしたロボットが起動する。
全身にエネルギーが走り、黒いボディに紫色のラインが入ったボディが見える。
鋼鉄でできた道場の試合場の開始戦に立つゼロと黒いゼロ。
「じゃあ僕の掛け声で始めるよ。」
ケガレが審判を務める。
「始め!」
「いくぜドラグ! 重装!」
刹那の剣士ゼロ ロックドラゴンフォルム プロト
エネルギーを走らせて本来のロックドラゴンフォルムに
「“刹那の剣士ゼロ ロックドラゴンフォルム”ここに見参! やるぜぇえ!」
ゼロは大剣のロックブレイブを肩に担いで突っ込む。
“竜衝轟破”
体当たり技で黒いゼロにぶつかりにいく。誠司たちの見守る方から見て上手から技を決めに行ったゼロは技が決まったかと思われたが、反射されゼロが吹っ飛ぶ。
「グフッ‥。」
ゼロは強く壁に打ち付けられ崩れる。
「何が起きた…。」
ゼロが起き上がって状況を把握する。
「今、確実に技は決まったはずだ…。気づいたらあいつの手が目の前に現れて、吹っ飛んだ…。あいつ、俺よりばかぢからかよ!」
ゼロは今の一瞬を振り返るながら仮面の中でニカッと笑う。
「青葉は大丈夫そうだな。」
「あぁ。でも、ケガレが作ったロボットは半端じゃなさそうだな…。」
「“龍鱗結界“!」
ゼロの掛け声で周りにエネルギーが走り、ゼロのボディに纏わりつく。
「もう一回だ! “竜衝轟破”」
龍の力を纏ったゼロが黒いゼロに体当たる。すると、黒いゼロの足が半歩、後ろに下がる。
「…?! やるねぇ青葉くん。いや、ゼロ。」
ゼロは体当たったたった勢いで黒いゼロを突き飛ばし大きくロックブレイブを振りかぶる。
“龍牙面崩“
ゼロの正面斬りが黒いゼロを切り裂く。
“龍鱗結界“
黒いゼロがゼロと同じ技を繰り出す。
「言っただろ。こいつらには君たちのデータが入っている。当然同じ技も使えるさ。」
ケガレとなった影沼が語る。
「青葉くん。僕は君に失望した。」
「なん…だと!」
「君ほどの実力者でありながら、君は凰堂誠司に勝てないじゃないか。」
「それは…手加減してただけで…。」
「違うね。君は『ドラグの力』を最大限に引き出すことができない。君にロストクロスを埋め込んで強制解放させた。でも、それだけじゃないんだよ。君のドラグは僕の力で改造したんだ。」
「そんな、俺は…。」
「まだわからないか! 君はヒーローに相応しくない! ドラグを僕によこせ。正しい使い方を見せてやる。『ゼロ』、君の力を見せる時だ。」
黒いゼロはエネルギーラインを光らせながら動き出す。
跪くことしかできないゼロ。
「しっかりしろ! 青葉!」
場外から叫ぶ誠司の声は「届かなかった」。




