第19話 「戦士の力。王の存在」
グランザンから『王』についての話を聞き、『絶望の戦士』との対戦を繰り広げたノーヴァとゼロ。結果は戦士の圧勝となったが、ノーヴァにはまだアイスフェニックスフォルムが残っていた。
明日の剣士ノーヴァ フェニックスフォルムの身体が氷に包まれると次の瞬間、氷が砕けてアーマーとなる。
「よく使った! ノーヴァよ。さあオマエの力を見せる時だ。絶望の戦士!」
戦士はコクリと頷くと長い刀身を持ったクロガネ刻を刀身を見せない脇構えに構える。ノーヴァもそれに応えるように氷を纏った『氷獄 ノヴェル』を八相に構える。
「いくぞ。フェニル。」
「オレが勝つ。」
二人は間合いに入ると先に動いたのは長い刀身を持った戦士だった。
ノーヴァは攻撃の姿勢から守りに切り替えて何とか剣を受け止める。しかし、戦士の力に負けて刀はノーヴァは守りを崩され、一撃を受ける。
直後に戦士は手首を返し裏からの一撃を加える。
「攻撃は当たっているのに崩れない‥。さすがはバーストリングの力と言ったところか。」
ノーヴァは少し交代したものの大きなダメージは受けていなかった。
「今度はこっちの番だ!」
ノーヴァの足元に氷が広がり、高速で滑って近寄る。
間合いに入ったノーヴァは納刀の構えを取り、下からの斬撃を与えようとする。
“氷閃胴葬”
「遅い。」
“冥封ノ眼”
「なんだ‥!」
斬撃が戦士に届く寸前でノーヴァの動きが止まる。
「オレの技だ。これでオマエは動けない!」
そう言って戦士はノーヴァに重い一撃を入れて吹き飛ばす。
「グハァァァ!」
「所詮はこの程度か。」
「まだだ。まだ!」
ノーヴァはすぐさま立ち上げり。正面斬りの零鳴衝・胴切りの氷閃胴葬を連続で繰り出す。
するとノーヴァの動きが鈍くなり、その場に崩れる。
「しまった‥。技を酷使しすぎた…。」
「もう終わりか。少しは強くなったかと期待したんだがな!」
「フェニル‥すまない。もう一度『限界』を超える…。」
(やめるんだ誠司! 私だけではない、君の身体ももたな‥。)
「うおぉぉおぉ!」
アイスフェニックスのアーマーが膨れ上がり、心の中のフェニルの存在が消えていく。
「ショウブだ。」
「ハハハ! 面白い!」
そう言って戦士は勢いよくクロガネ刻を振るう。
“鴉葬斬”
戦士の胴切りが発動されるがノーヴァは
“氷羽残影”
で戦士の技を回避。
ノーヴァの技と戦士の技が激しくぶつかる。
「(前と同じであるが、前とは確実に違う。オレとコイツの技量。)」
武叶は面の中でニヤリと笑うと同時に意識が一瞬戻る。
『次は僕が勝つ!』
それは武叶の過去の記憶。幼少の頃から父・武司のもとで稽古をした時の誠司の顔だった。
「せい‥じ…。」
激しい撃ち合いの末、戦士の動きが止まり、ノーヴァの正面斬り“零鳴衝”で戦士に一撃を加え、戦士はよろける。
「オワリだ。」
一瞬よろけた戦士に姿勢を低くし、氷閃胴葬の胴切りを与えると戦士が着装解除となる。そして、ノーヴァも力尽いてその場に倒れ、着装解除になる。
「凰堂!」
戦士の一撃を受けて着装解除していた青葉も目を覚ます。
誠司に近寄り起こそうとすると
「凰堂だいじょう‥冷た!」
(コイツの体からまたフェニルの気配が消えた。)
「また?」
(ああ。最初に超重装した時も消えていた。恐らく、オレたちココロノカミの力を完全に呑み込んで着装していることになる。)
「てことは強制解放の逆みたいなことか。」
(そうなるな。)
「バーストリングを使いこなすようにはまだ力不足だったみたいだな。」
グランザンが青葉の目の前に現れる。
「ゴ‥ゴリラ!」
「グランザンだ。オマエでは相手にならない。今そこのザコを連れて帰るなら見逃してやる。」
「立ち去るわけないだろ。お前が俺たちをここに呼んだんだ。戦士を元に戻すかお前を倒すかぐらいはしねえとな!」
ゼロはドラゴンリングを持ち、着装の準備をする。
「ソウカ。一撃でやられたザコが。ここで消す。」
「重装!」
ゼロ ロックドラゴンフォルムに着装し、ロックブレイブを構える。
グランザンも両拳に力を込めると、拳が巨大化。
「やってやろう。」
ゼロがロックブレイブを振りかぶり、
“龍牙面崩”
を発動。しかし、最後まで振り切れず、グランザンの拳に受け止められる。
「こんなものか。」
そしてロックブレイブを左拳で受けたグランザンは右手でゼロの腹に一撃。
「ホラ、もっと来い。」
体勢を崩されたゼロはロックブレイブを杖に立ち上がる。
「くそっ。まだだぁ!」
“龍牙面崩”
と大きく振りかぶるが
「と見せかけての…。新技!」
“蒼龍胴破”
胴切りを撃つ。
(よく打った、龍悟!)
「よし!」
と派手にガッツポーズをするゼロ。
「そんな技があったとはな。まだまだこっから‥。」
「待ちたまえ。」
聞き覚えのない声が響く。
ソレに反応して着座するグランザン。
「?! 『王』!」
「王?」
「邪魔して悪いね、ゼロ。グランザン、目的を見失うな。『ヒーローになり損ない』のやつの相手は今日はいいよ。」
「ヒーローになり損ないだと! なんだお前! 姿を見せろ!」
ゼロはブンブンとロックブレイブを振り回す。
「じゃあ君は何のために戦っているんだ? 聞いたよ。君が強制解放を受け入れたのは金が入るからだったと。強さだけを身につけてしまった愚かな出来損ないよ。もう少し弁えるんだね。てことでグランザン、君は戻ってきな。」
「ショウチ。」
そう言ってグランざんは着装解除となった武叶を肩に乗せて姿を消そうとする。
「そうだ。コイツを置いてってやるよ。オマエたちへのプレゼントだ。」
グランザンは妖刃軍の兵隊をだし、鼠色のコア一つと、黒いコアを三つ身体に埋め込み、姿を消した。
「おい待て!」
ゼロが追おうとするも、追いつかなかった。




