第16話 「氷のノーヴァ 砕ける鎧」
ノーヴァが氷に包まれ、蒼いノーヴァへと超重装してガジリオスに斬りかかっていく。
「…。‥…。」
ずっと無言でひたすらに剣を振るう。ノーヴァの斬撃には氷が纏われ、当たるたびに氷が弾ける。
「コイツ、オレと互角だ。何なんだこいつは。」
「…。ひょう‥。」
「“氷閃胴葬”」
氷を纏ったノヴェルの胴切りがガジリオスに決まる。
「クッ。なんだと。」
ガジリオスが下がったところをすかさ追い、正面の斬撃を決める。
「“零鳴衝”」
凍てつく斬撃がガジリオスにダメージを与える。
「こんなので負けるか!」
“牙斬撃”
「…弱い。」
「氷羽残影」
ガジリオスの斬撃をよけ背後に回る。後ろから切つけ、ガジリオスの体勢を崩す。そしてノーヴァがノヴェルを地面に刺すと氷の壁が現れ、角がガジリオスを奥へ奥へと押していく。
そこで冷気と振動で着装解除していた青葉が目を覚ます。
「あれは。凰堂?」
(あぁ、そのようだ。だが…。)
「どうしたドラグ。」
(あいつからフェニルの気配がしない。)
「どう言うことだ?」
(フェニルがもしいないとしたらどうやってあいつは変身しているのか。そしてあいつは炎だったはず。なんで氷を使っているのか。)
「確かにおかしいことばっかだ。でもガジリオスを押してる! これなら勝てるんじゃないか?」
(そうかもしれないが。もしあれが強制開放ならあいつの身体は今日中にでも崩壊するだろうな。)
「え?」
(聞いたことがある。どんな凶暴化した神でも沈める伝説のリングがあると。だがそれを使えば使用者の肉体は神とともに崩壊するとな。)
「てことはあいつは。」
(あぁ、崩壊寸前の可能性もある。シンプルな強化とも言えるかもしれないがな。)
「でもあいつの戦い方、明らかにおかしい。止めなきゃ。」
(あぁ。だが、無理はするな。無理ならすぐに着装解除だ。)
「わーった! 重装!」
ノーヴァはガジリオスを何度も切付け、氷で圧をかけていく。
そこにゼロに変身した青葉が来て取り押さえ、声をかける。
「凰堂、しっかりしろ! お前がみんなの明日を守るんだろ!」
「…。うるさい。」
その手を振り解き、ゼロに一撃を与える。
「くっ。こいつの力技特訓の時の比じゃねぇ。」
(オレの方にもダメージが。)
よろけ大きく下がったゼロだったがロックブレイブを構え直し、ガジリオスと戦闘するノーヴァに斬りかかろうとする。
「目ぇ覚せよ! この馬鹿野郎が!」
ロックブレイブを大きく振りかぶり、切り付ける。しかし、背後のゼロに気付いたノーヴァはゼロに氷閃胴葬を打つ。
「きかねぇよ。龍鱗結界張ってきてよかった。」
ゼロはノーヴァを掴み、頭突きでノーヴァをふっとばっす。
「このっ大馬鹿野郎が!」
ノーヴァは意識を戻し、我にかえる。
「なんだ。何があった。」
「よかった凰堂!」
「てか体冷たっ。なんでだ。」
「お前がそのフォルムだろうがよ。なんで蒼いんだ?」
そう言われてクロスバンドにつけたリングをみる。
「これのせいか。てか、蒼くなってる。もらった時は黒だったような…。」
そんな話をしているとガジリオスがよろよろと起き上がる。
「ノーヴァよ。オレともっと戦え。」
「ガジリオス…。」
「何をそんなに怯えてるんだよ! お前そのフォルムですげぇ強くなってたんだぞ! あいつのことボコボコにしてたし!」
「そ、そうなのか。とにかくやってみるか!」
「あぁ! 行ってこい!」
そう背中を押され、ノーヴァはガジリオスに斬りかかり、打ち合いが始まる。
「すごい。自然と体が動く。」
「意識が戻ってもツヨさは変わんねぇみたいだな。」
最初は普通に戦えていたもののノーヴァの体が凍て付き始める。
「さっきまで普通に動けてたはずなのに、急に重くなった‥?」
(大丈夫だ誠司。君ならやれる!)
「フェニル。体があったまってきた‥! これならいける。」
ノーヴァは再度がジリオスに切り掛かり、連続で攻撃を決める。
「前のフェニックスフォルムよりも速く、そして重く。これでみんなを守れる!」
「オレガ負けるかぁ!」
ガジリオスは負けじと刃を振るうも猛攻に耐えきれず、防戦一方だった。
「(このフォルムでの技、なんか慣れないが。やってみるか。)」
“零鳴衝”
ガジリオスを強く切りつける。そして
“氷閃胴葬”
の胴切りも決める。溜まった冷気がガジリオスの足元に溜まり、ガジリオスは身動きが取れなくなる。
「ナンダト‥!」
「これでトドメ‥。」
零鳴衝をうとうとした瞬間、上から黒い斬撃が飛んでくる。
「なんだっ…?!」
「ハハっ失墜の戦士。きてくれたのか。」
「無駄口が多いですね。牙将様! こんなのに苦戦するなんて。」
「失墜の‥戦士!」
「久しぶりだなぁノーヴァ君よ。なんか姿変わったミテェだけど、俺には勝てないぞ!」
ノーヴァは拳を握り締め、殴りかかる。
「やってみなきゃわからないだろ!」
戦士のクロガネとノーヴァの氷を纏ったノヴェルが激しくぶつかり合う。
「初手で終わらせてやるよ。“黒斬”」
「簡単にやられるか! “氷羽残影”」
戦士の斬撃を綺麗に避け、背後へと回る。
「ほぉ。回避技か。面白い!」
打ち合いはさらに激しくなり、一進一退の攻防が続く。
「ノーヴァよ。よくここまで強くなった! 俺をもっと楽しませろ!」
「お前のために強くなったわけじゃない! みんなを守るためだ!」
「そうかそうか。そのままもっと強くなってくれれば俺は満足だ! 俺はもっと強いやると戦いたい!」
さらに打ち合いは激化し二人の剣の振り方も乱雑になっていった。
「あいつの戦い方、荒れてんな。」
離れた場所で青葉が気づく。
「今の俺が動けたらあいつを戻してやれるのかもしれないが‥。」
打ち合いの末、二人は後ろへ大きく後退し、間合いがきれる。
「ふんっ。ここまでとはな。予想外だよノーヴァ! 俺がこれを使う時が来るなんてな!」
「“奥義・黒斬 滅式”」
「なんだ、このオーラは‥!」
「さあ俺ともっと戦おう!」
黒く大きなオーラを纏った戦士のクロガネで八相を構える。
「だったらこっちだって…。」
身体中から冷気を放ち、ノーヴァもノヴェルを八相に構える。
「今日こそ、お前に勝つ。」
「やれるものならやってみろ!」
二人は大きく、振りかぶり、斬撃を飛ばす。
“零鳴衝”
“黒斬“
二人の斬撃は激しく衝突し、大きく弾けた。
「どっちだ!」
それをみていた青葉も勝敗は煙で見えなくなっていた。
煙の中で二人とも姿勢を保っている。しかし、ノーヴァの着装は解除されているのが青葉から見えた。
「凰堂‥!」
「待て! 青葉!」
駆け出そうとする青葉だったがその声で止まった。
「おい、お前が戦士の正体なのか。」
「お前?」
「嘘だと言ってくれ!」
煙の奥から見えたのは誠司とよく似た姿の人間だった。
「兄さん。なのか。」
「ふふっ‥。バレちまったら仕方ねぇか。あぁそうだよ。お前の兄さんの『凰堂武叶』だ!」




