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第二部エピローグ:暗黒淫魔ジェノサイド・ジェイドさん!




 ――大湖畔の掃討を続けて数日。全冒険者一丸となって巨大ガエルなどを狩り続け、いよいよ卵すらも駆逐しきったことで……!



『大湖畔開拓ッ、お疲れさまでしたァーーーーッ!』



 街を挙げてのお祭り騒ぎが始まった! 『開拓際』と名付けられた、三日間に及ぶイベントのスタートだ。



「さぁッ、三日だけの全メニュー特化セールッ! 冒険者にはタダで食わせちまうぞ~!?」

「イスカル様からご支援をいただいたから、みんな遠慮なく食べて行ってねー!」

「美味かったら祭りの後も贔屓しろよな~!?」

「メシもいいけどアクセサリーも見てきなッ! 出血大サービスだぜぇ!?」

「天下の『バッチョ服飾店』も出張営業よぉ!♡ 女の子を口説くために服も見ていきなさ~い!♡」



 都市に溢れる数え切れないほどの出店。祝福の紙吹雪舞う中、商売人たちもハイテンションで声を上げていた。



「おーうジェイドの兄ちゃん! 新商品『ジャイアントフロッグ』の串焼き作ったから食べてきな~!」


「おう、もらっていくぜー」



 馴染みの大将から串を受け取る。主役である冒険者(おれ)らはもちろん、商売人らも上機嫌だ。


 なにせ巨大な資源地が手に入ったんだからな。これからの生活が豊かになる上、さらに俺がイスカルのケツを蹴って彼らに特別金を与えさせた。


 おかげで、



『さぁー! 寄ってらっしゃい見てらっしゃーーーい!』



 商売人らの未来はもう栄光一択だ。景気が良くなることは確定なのに加え、この祭り内においてはいくら大出血サービスで商売しようが、赤字にはならず名前ばかりが売れるんだからよ。


 みんな「ウチの店をよろしくゥー!」と満面の笑みで働いていた。



「いやぁ、よかったよかった」



 路上に置かれた木椅子に座り、カエル肉を食いながら安堵する。うまい。



「アルベルトのせいで三大商会がダメになった時には、商売人らも不安がってたからな」



 大老アルベルトらの凶行。そいつはばっちり街中に知れ渡り、上がり調子だったトリステインの雰囲気に水を差しかけた。


 だがそんなことは俺がさせねえよ。イスカルのケツを朝から晩までつつきまくって祭り盛り上げ用の超大量の特別金予算を急ピッチで確保させ、ついでに深夜には邪龍パワーで大湖畔周りの魔物を片付けまくって開拓完了を急激に早めた。


 結果、悪い空気が街に漂う前に、超大規模のお祭り騒ぎがスタートしたってわけだ。やったぜ。




「やっぱみんな明るいのが一番だからな。ほれヒヨコくん、カエル肉食え」


『ピヨピヨピヨピヨピ~ヨピヨ!』



 上品な顔をして首を横に振るヒヨコくん。


 あ、なんだって? もしかしてお前、ここ数日は領主邸の高級豆もらってるから貴族気分かよ。『魔物の野卑な肉なんて食べれません』って言いたいのか? おおん?



「好き嫌いは許しません。何でも食べて早くニワトリになりやがれ」


『ピヒャー!?』



 と、ヒヨコの口に肉を突っ込み、『あ、意外とイケる……!』という顔でクッチャクッチャさせていた時だ。「よぉ~ジェイド~」「ジェイド殿~」とアホな声で呼びかけてくる二人がいた。


 美少年風変態野郎のルアと、大和撫子風変態侍のシロクサだ。ちなみに二人とも童貞だ。



「よぉお前ら。それと……」


「おうっ、今日はオレらのパーティメンバーも一緒だぜー!」



 彼らの後ろにはぞろぞろと続く屈強な者たちが。


 ルア率いるチンピラ冒険者集団『英雄の夢』と、シロクサ率いる日本人冒険者集団『防人の刃』だな。挨拶しよ。



「どーも。何人かは顔合わせしたことがあるだろうが、俺はジェイドっつって……」



 と名乗っていたところで。吸血鬼みたいな白髪チンピラが「手前(てまえ)の懐に隠れてくだせぇッ!」とルアを抱え、堅物そうな侍が「若も(それがし)の背後に!」と叫んでシロクサの前に立った。二人ともなぜか必死の形相だ。そして他のパーティメンバーのほうを振り向いて、吼える。



「出やがったぞコイツがジェイドだ! オメェら、コイツに近づくんじゃねぇぞッ!?」


「者共よ、下がれッ! 誘惑されるぞッ!?」



 はぁ!? この二人何言ってるんだ!?



「えーと。お前らはたしか、両パーティーのサブリーダーだったよな?」



 チンピラのほうはリグレット。堅物のほうはクロマツだったか。なぜか話したことはない二人だ。



「あのー……」


「うるせぇ話しかけんなッ!」「我らも毒牙に掛ける気か!?」



 はぃい!? お前ら一体何言ってんだ!?



「手前も冒険者業界なげぇからな。ジェイドさんよ、アンタのこたぁよぉく知ってるぜ……!」


「男も女も食ってしまうッ、淫魔の化身だとな!」



 って誰が淫魔じゃオラァアアアッ!? 俺は邪龍だっつの! あんな低級魔物扱いするな!



「お前ら好き勝手なこと言ってんじゃねえよ。だからこれまで距離取ってやがったのか」



 誤解だと訴える俺だが、二人の嫌疑の目は晴れない。



「噂では、遠く離れた街のご令嬢や女領主まで引っ掛けてるとか……」


「大湖畔掃討作戦時には、極太の血管が浮き上がった凶悪な肉体を開放してオンナたちに次々と群がられてたとか……!」



 ってお前ら色々間違えてるぞ!?



「た、たしかに令嬢(ブラエ)女領主(アルベド)とは顔見知りだが、向こうからはどうとも思われてないっつの。あとオンナたちってのはニーシャとクーシャ率いる『妖精の悪戯』のメンバーだろ? あいつらは三級冒険者の俺を情けなく思って気にかけにだな……」


「「淫魔! 淫魔!」」


「うるせーぞテメェらッ!」



 いい加減にしろっつの。今日は祭りで人通りも多いんだから、根も葉もない噂を撒くんじゃねえよ。



「おいルアにシロクサ、お前らも副官共に言ってやってくれよ。お前らの心配は杞憂だってよ」


「「いやぁ~……!」」



 親友たちに頼むも、なぜか二人は〝さもありなん〟って表情で気まずげだ。いやなんだよ?



「オレ様も最初はリグレットに『人のダチ悪く言いすぎだ』って注意してたんだけどよー……」


「クロマツは昔から過保護なきらいがあるのだが、最近のジェイド殿の無双ぶりを見れば、うーん……!」



 おいどういうことだ!? なんで庇ってくれないんだッ!? 無双ってなんだよ!



「「それに、その様を見せられると……!」」


「その様?」



 ダチ二人に、あと喚いていた副官どもや他連中は、いつの間にか戦慄顔で俺のほうを見ていた。



「な、なんだよ?」



 と困惑しつつ、自分の周囲を見てみると、



「――あらあらぁ。みなさん、アネモネのジェイドさんをいじめてたんですかぁ? これは許せませんねぇ……!」

「――へ、陛下っ、バトルですか!? バジ子も参戦しますっ! ……ちょっと毒出せばニンゲンなんて瞬殺ですよ……!」

「――ジェイド様、あとはわたくしにお任せを。領主アルベドの名に懸けて、恩人の敵を排除しますので……!」

「――イスカル伯とサラ様を訪ねてきたら、とんでもない場面に出くわしちゃったわね。……アウラ、車椅子を預かってなさい。少し、戦うわ」

「「――よくわからないけど、お兄さん困らされてるぅ……?」」



 気付けば周りにわらわらと……!


 聖女アネモネが、元邪龍バジリスクが、元殺戮者アルベドが、貴族ブラエが、そして天才姉妹ニーシャ&クーシャが俺を取り囲んでいた!



「ってお前らどうしてここに!?」


「幼女たちと歩いていたらジェイドさんの熱を感じて」「お祭り怖かったですけど頑張って外出して陛下の匂いを追ってきて」「この最新の街を見学していたら目の不自由な間に鍛えられた聴覚がジェイド様の声を」「技術や経営方法学びに来たら貴族視力でアナタが困ってるのが見えて」「「別にお兄さんの飲み食いしたカップや串を回収しながら尾行してたわけじゃないですからね!?」」


「いっぺんに喋んな!」



 誰が何言ってるかわけわかんねーよっ! とにかく今の場面で出てきたら、野郎連中に変な誤解を与えたままにだろうが。



「あーー、ルアにシロクサたちよ……! 俺が淫魔だとかいうのは誤解で、俺はどこにでもいるような三級冒険者でだな」


『誰がだっっっ!』



 一斉にツッコんでくる野郎ども。


 周囲を女性陣に囲まれては流石に勘違いを解けず、邪龍(おれ)は「「「淫魔! 淫魔!」」」とひたすら呼ばれ続けるのだった。


 ふ、不幸だぁーーーーっ!


ここまでありがとうございました!

↓『面白い』『更新早くしろ』『止まるんじゃねぇぞ』『死んでもエタるな』『こんな展開が見たい!!!』『これなんやねん!』『こんなキャラ出せ!』『更新止めるな!』

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[一言] 邪竜が淫魔化。これも『黒亡嚮団』の策略なのでは…? これ正式なヒロインは誰なんだろうか。ヒロイン候補が多すぎてわからん。いや、でもこのままのらりくらりと一人に定まらず、むしろ増えていくんだろ…
[一言] 暗黒破壊龍言うより八岐大蛇?まだ八又行ってないか?
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