62:最強ホームレス爆誕ッッッ!
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というわけで、
「ただいま~っと」
俺は借り宿の自室に帰還した。あー疲れたっと。
「ああぁあぁああぁあああ~~~っ!? おかえりなさいませ陛下ぁ~~~!」
「おうバジ子」
部屋の隅で毛布被ってたピンクの塊。病んだロリ巨乳・バジ子が猛突撃してきた。あーやわこいやわこい。
「すんすんすんすんすん……っ! はっ、熟れた強者のメスと獣人のメスの匂い!? またつよつよハーレムを拡大されたのですねっ! 流石です!」
「っていきなり匂いかぐな」
それと俺にハーレムなんざあるわけないだろ。
「知り合いに会ってきただけだよ。あと、出かけるときにくれたクッキーありがとな。俺以外にも大好評だったよ」
怪盗パンツが去った後のこと。バジ子が作ったクッキーをつまみに、アルベドたちと少し話した。
目が治ったことは秘密にするらしい。そうして今後も現れるかもしれない襲撃者を油断させるんだと。文字通り抜け目ない女だ。
んで、
「アルベドってヤツの問題を解決した礼に、こんなのを貰ったんだよな」
スキル≪収納空間≫解放っと。ほれ出てこい。
「暗黒龍陛下、それは?」
「知らね。なんかデカくて黒い壺」
俺が虚空から出したのは、バジ子が乳以外すっぽり入りそうな黒壺だ。
「朝の陛下のおちんちんさんみたいです!」
「そこまでデカくねえだろ」
さらっと何言ってんだピンク。あとお前、やっぱ俺が寝てる間に見たりしてやがったか。あとでお仕置きだな。
「で、だ。さっき話したアルベドってヤツ、成金領主をブッ殺して地位を奪った女なんだけどさ」
「素晴らしいッッッ!!!」
「素晴らしくねえよ本来ヤベぇよ」
野生動物基準で褒めるのやめてくれる?
「続けるぞ。その際、親族も女子供含めて全員ぶっ殺したから、前領主の持ち物は街の財産として、実質アルベドが獲得することになったんだと」
「すごいすごいすごいすごい!!! バジ子ッ、アルベドって孕み雌仲間さんに会いに行きたいですマジリスペクトですッッッ!」
「リスペクトするな犯罪だよ」
脳みそ自然界ピンクにデコピンしてやる。
「いたぁぁあ~~い!?」
「お前いい加減に人間の価値観覚えろや。あと孕み雌仲間じゃねえし」
お前もあの女も娶る気ないっつの。特にアルベドは迷惑に思うだろ。俺、威圧するような真似したり上から目線でべらべら語っちまったし。ちと調子乗り過ぎたな。
「話を戻すぞ」
「陛下を想っておっぱいイジってたらちょっと母乳出た話ですか?」
「知らねえんだけどそんな話ッ!? ……その件は後で聞くとして、前領主の財産だよ」
気付けばうっすらミルクの匂いがする中、俺は続ける。
「街を急発展するための財源として、アルベドは前領主の財産は大概売っぱらっちまったんだと」
「ふむふむ。巣をおっきくするのは大事ですもんね。それで?」
「ああ。財産をあらかた金に換えた後だ。つい先日、前領主の屋敷に隠し部屋が見つかってよ。この壺が収められていたそうだ」
デカい黒壺を再度見た。
いわばコイツは、前領主の最後の財産ってわけだな。
「ほほ~! つまり人間界では相当価値あるものってことです!?」
「いやわからん。アルベドも商人に見せたそうだが、カタチはいいけどそこまで高価には見えないんだとよ」
何せ黒一色だからな。壺ってのは形だけじゃなく、デザインも含めて価値が決まるものだ。
「あとは職人の名を示す記号がない。これが何より致命的だな。ニンゲンってのは『すごいヤツ』が作ったモノなら、そこそこの品にも莫大な価値を付けるもんだからよ」
「むむ~。そのへんの機微はよくわかりませんが、つまりアルベドって人は、あんまり価値のないモノを陛下に押し付けたんです? これはお仕置き案件ですね。バジ子必殺の子宮パンチが吹き荒れます」
「吹き荒れるな。そのクソみたいな必殺技捨てろ」
なんだよ子宮パンチって。あと今の弱り切ったお前じゃ返り討ちにされるからな?
「ちげーよ。アルベドのヤツ、どうしても『聖水』の礼がしたいけど、さっき言ったように財産はあらかた売ったばかりで、対価になるようなものがないって悩んでたんだよ」
「ふむ……」
「それでアイツってば義理堅い女でな。イヤだろうに、〝こうなればわたくしの身体で……!〟って言ってきたんだ」
「ふむッッッ!」
目を輝かせるな。「子宮のある性別の鑑ッ!」とか叫ぶな。その価値観マジで改めろ。
「それで赤ちゃんの性別は!?」
「いや孕ませてねーから。で、俺はアイツのためにも断って」
「断ってッ!?!?!?!?!?」
声デカい!
「……とにかく俺は断って、〝なんか適当に余りモノでいい〟って言ったら、その壺もらったわけだよ」
そーいう経緯なわけだ。
「だからアルベドは悪くない。わかったか?」
「わかりました。なるほどぉ……陛下は排卵日を待つことにしたと!」
「あぁうんなんもわかってねえな」
やっぱ自然界のピンクはすげえや。思考回路が子宮についてるんだもん。
「陛下ってばお疲れのご様子……! 一日中頑張ってたからですね」
半分はお前と話したからだけどな!
「と、とりあえずミルクをどうぞ! 栄養補給ですっ」
「あぁサンキュー」
いつの間にか用意されてたミルク入りのカップを受け取る。人からの好意は無碍にしない俺だ。
「どれどれ、んぐっ……ん~ッ甘くて濃くて美味いなぁ!?」
マジで疲れが吹っ飛ぶみたいだ!
「これどうしたんだよ?」
「わたしの母乳です!」
「はっ倒すぞッッッ!?」
このピンク何飲ませとんじゃいっっっ!?
「だって陛下のお役に立ちたくてぇええええ~~~~~! びぇえええええええーーーー!!!」
「あーわかったわかった……!」
あやすように抱きしめてやる。
この病んだグルグル目ピンク、一応『石邪龍バジリスク』だからな。ヒスって大暴れされて全盛期の力ちょっとでも他人にぶつけられたら困る。
「えへへ、陛下やさしい……! やっぱり陛下は、普通の魔物と違います……!」
「そりゃ最強の暗黒龍様だからな」
「じゃあ最強の赤ちゃん産みますっ」
「何がじゃあだよコイツ……」
などとテキトーなやりとりをしつつあやしていた時だ。コンコン……と控えめに扉が叩かれた。
「誰だ?」
いぶかしみつつ出ることにする。はたして扉を開けると、そこに立っていたのは借り宿のマッチョな大家さんだった。
「あれ、どうしたんすか大家さん? こんな夕暮れ時に」
気安く声を掛ける。十年近くここに住んでるだけあって顔なじみだからな。
「あーー、ジェイドよぉ。お前さんはいい奴だ」
「はぁ?」
「お前さんが十五くらいの時にウチに来たか。とにかく物腰が丁寧だったな。今やトリステインの冒険者はよそと比べて礼儀が出来てると有名だが、思えばジェイドはその先駆けみたいなもんだったなぁ。近所の商売仲間と〝あのジェイドってガキ、没落貴族の子供とかか?〟って議論したこともあってよぉ。家賃の払いも遅れたことねえし……」
「あのー?」
いまいち話が見えないぞ?
「大家さん、ぶっちゃけ何の用です? 十年の付き合いなんですから言ってくださいよ」
「あぁ、うむ」
大家さんは覚悟を固めるように咳払いした。そして、
「ウチの宿、独身者限定なんだわ。恋人との同棲も禁止な」
「はい」
「で、義妹ってことで、そっちのバジって子の同居は許してたんだが」
「はい……?」
「ことあるごとに孕ませてくださいだのどうだの聞こえてくるってんで、他の住民からクレームきまくっててな」
「はい……!?」
「まぁぶっちゃけると、『出てってくれ』ってことだな……!」
ふぁっ、ふぁあああーーーーーーっっっ!?
俺ッ、追い出されたーーーーーーー!?
【悲報】最強の暗黒龍、宿なしになる――!【当然の帰結】
・なんかバジ子が拾った石→ヴァンが福引で当てた劇場チケット→アネモネの『聖水』→アルベドの謎の壺(NEW)
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