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60:そいつは器がデカとかじゃなくてマジで刺殺なんて猫パンチなんだよ、アルベドちゃん!

途中でもご感想ぜひください~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!




「いいソファしてんなぁ~。フッカフカだし金細工使ってるし。これアンタの趣味か?」


「い、いや。それは前の領主のを流用したやつだ……」


「ははっ。ずいぶんと酷い領地の状況だったのに、調度品にはこだわるとは。やっぱ相当なろくでなしだったな」



 ブチ切れたアルベドを諫めた後のこと。俺はビクつく彼女をどうにかリラックスさせようと思った。



「安心しろって。取って食ったりしないから。あ、とりあえずお茶飲もうぜ。おーいリリティナ、お茶を」


「あばががばばばばばわっっっ……!」


「ってうわぁ」



 ……ちらりと犬耳少女のほうを見れば、口から泡噴きながら失禁していた。



「こりゃしばらくダメだな」


「リリティナっ!?」



 そーいや獣人ってニンゲンよか野性本能強いからな。


 俺がちょーっと出した龍種の圧でショック受けちまったか。



「おっ、おいテメェ」


「まずは口調を戻せ。領主になったからには粗野な素を見せるな」


「っ……はい……」



 よしよし。素直なのが一番だぜ。



「……はぁ。先ほどの人間離れした圧……おそらくはアナタ、聖都からの『隠密騎士』あたりですよね。せっかく『暗黒令嬢サラ』様のご助力で領主になれたのに、優等人種(ハイヒューマン)に見つかるとは……」


「そのへんはノーコメントで」



 言えねえ。俺が騎士じゃなくサラのほうだなんて。



「俺のことはいい。それより、お前のことだよアルベド」


「なん、ですか」


「お前相当ヒトを殺してきただろ?」


「ッ!?」



 それくらいわかるっつの。お前の殺しの躊躇のなさ。ありゃ完全に若い頃からヤらかしてきたがゆえのパー具合だ。



「あと、なんだって? 強くなりたいだって? 強くなって、誰にも媚びる必要のない人生送りたいだって?」


「……ええ……」


「俗っぽさ全開の夢だなぁ。強くなって世界を救う~とかじゃなくて、自分がよけれりゃいいってか」


「っ」



 竦んでいたアルベドが顔を上げた。濁りかけの目で、こちらを睨みつけてくる。



「あぁ……ああそうですよッ! 悪いですかァッ!? わたくしは周囲の不快な連中全部ぶっ殺してッ、好きに生きれりゃいいンですよッ!」



 立ち上がり、ガンッと机に足を掛けるアルベド。そのまま俺の胸ぐらを掴んできた。



「弱けりゃなンもできやしねェッ! わたくしが生まれた貧民街(スラム)がそうだった。大昔は知らねえが、才能が異能(スキル)となって現れる今の世界じゃ、ゴミはどこまでゴミなんだよ! 奪われて殺されるだけなんだよォ!」


「……ああ、そうさな」



 魔物に対抗するために、『女神ソフィア』とやらが人類に与えたスキルの発現。才能の能力化。


 それは人類に明確な格差を生み出した。


 だって個人の才覚が可視化されちまったんだ。金があって家柄もよくて才能(スキル)のあるやつは、さらに良い才能(スキル)のあるやつを正確に選んで家系に組み込めるようになった。


 そうして『持つ者』は栄えていき――誰にも選ばれない『持たざる者』は、選ばれない者同士でくっついて、ダメな子供を産み落としていくようになる。


 その中の一人が、お前(アルベド)か。



「わたくしは何も才能(スキル)がなかった。後天的に経験から才能が伸び、能力が目覚めることもあると知って色々やったが……覚醒したのは≪収納空間(アイテムボックス)≫のみだ。出来るのは奇襲か荷物運びだけだ」


「ま、有用なスキルとは言えないわな」



 少なくとも人間からしたら、だ。


 ≪収納空間(アイテムボックス)≫は魔法じゃない。納めた物の重量が普通に肉体にかかるからな。


 その点、俺は何トンでも持てるが。



「だからもう……(わたくし)には、この身体しかないんだよ……!」



 彼女はシスター服の胸元を握り締めた。その下の肉体に、縋るように。



「弱いのは嫌だ。貧民街時代に戻りたくない。もう二度と、虫のように追い回されるのはごめんだ……! だからわたくしは、生まれ持ったこの身体だけでも治したい」


「それで、自分勝手に生きたいと?」


「あぁそうですよ。侮蔑に値しますよねぇ? いいですよ、好きに笑えば」


「笑わねえよ」



 むしろ逆だ。


 俺は自然と彼女の肩に手を置いていた。



「よく頑張ったな」


「っ!?」



 媚びることなく勝手に生きたい?


 ――上等じゃねえか。だってそれは、俺が暗黒龍となる前に、くだらない人生を過労死で終える瞬間に(いだ)いていた願いだ。



「お前はすごいよ」


「なっ……」


「弱い身体を引きずって、〝負けて堪るか〟って頑張ってきたんだろ? 他人に使い潰されて堪るかって、足掻いてきたんだろ?」



 それのどこに蔑む要素がある。



「笑うところが、どこにあんだよ」


「そ……そんな……」


「だからアルベド」



 スキル≪収納空間(アイテムボックス)≫解放。俺は虚空から白い小瓶を取り出した。



「それやるよ」


「なん、ですか、これ?」


「『聖水』。飲めば細胞が新生されて、どんな病気も古傷もなくなるんだと」


「ふぁっ!?」



 それエリクサーと同等ではっ!? と彼女は叫んだ。


 よく考えたらそうだな。まぁ原材料は大変アレだが。



「そそっ、そんなもの、大変高価なのではっ……!?」


「かまわねーよ、たまたま手に入れたもんだし。つか高価だからってそれがどうした」



 後生大事にコレクションする趣味はない。そんなことするより、



「アルベド。お前に使ってもらいたい。尊敬するような夢と心を持つ、お前にこそ役立てて欲しいんだ」


「――!?」



 彼女の手を取って瓶を預ける。一瞬なぜか手を引こうとされたが、強く掴んで無理やり渡した。



「ひぁっ、つっ、つよっ……!?」


「ただの一級冒険者程度の力で抵抗できると思うなよ」



 それよりも、



「どうして、受け取るのを躊躇った?」


「うっ……だって……」



 だって、なんだ?



「も、もしもこの『聖水』の力が本物なら、もっと癒すべき人はいるでしょう? 対してわたくしは、自分勝手に生きたいだけなんですよ……!?」



 そうだな。



「そんなわたくしを尊敬って、嘘でしょう? そんな、そんなの」


「何がそんなだ。お前はさっきも〝侮蔑するでしょう〟とか〝笑え〟と言ったが、なんで自分を否定する」


「だってっわたくしは貧民街(スラム)のゴミでっ」


「いいやお前は素敵だよ。この世の誰が否定しても、俺がお前を認めてやる」


「っっっ――!?」



 さて、押し問答は終わりだ。



「早く飲みな。それともまだ、自分を卑下する気か?」


「い……いいえ、いいえ……!」



 修道女は瓶を抱きしめて俯いた。「もう、何も言うことはありません」と震えながら。



「まさかわたくしの素を知って、それでも認めてくださる人がいるなんて……。一度は殺そうともしましたのに」


「はっ、可愛い子猫がじゃれついてきたようにしか見えなかったよ」


「もっ、もうからかわないでください!」



 いや戦力差的にマジでそうだから。



「話はおしまいだ。さぁ、アルベド」


「……はいっ」



 彼女は蓋を開けると、小瓶を高く持ち、その中身を一気に呷った。



「んぐっ、んっ、んんっ――!」



 嚥下する細い喉。その奥から響く、粘ついた水音。


 はたしてその音が腑の奥へと消えて言った瞬間、変化は起こった。



「あっ……あぁあぁっ!? 身体がっ、目がっ!?」



 輝き溢れる一瞬の燐光。それと同時に衣服から覗く肌が白さを増し、さらに濁り切っていた目が、確かな輝きを取り戻した。



「身体が軽い……それにはっきりと世界が見えます! ジェイド様の御姿も、よくわかります……!」


「そりゃよかったよ。それならもうちょいめかし込んでくればよかったか?」


「いっ、いえっ十分です!」



 あぁそう? アネモネや冒険者共と馬鹿やってた足でそのまま来たから、服よれてないか心配だったんだが。



「もう、健康は大丈夫そうか?」


「はい」


「『強くなる』。その夢に向かって頑張れそうか?」


「はいっ!」



 彼女はとてもいい笑顔で頷いてくれた。


 よし、問題解決だな! なんか忘れてる気がするけど帰るかァ~と!



「うふふふふ、ジェイド様ぁっ……♡」


ルア「まーた親友が見た目だけはいい地雷女ひっかけた気配がするぜ……!」


・なんかバジ子が拾った綺麗な石→ヴァンの当てた劇場チケット→アネモネの聖水→???


ここまでありがとうございました!

↓『面白い』『更新早くしろ』『止まるんじゃねぇぞ』『死んでもエタるな』『こんな展開が見たい!!!』『これなんやねん!』『こんなキャラ出せ!』『更新止めるな!』

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― 新着の感想 ―
[一言] ああ、そうか ジェイドくん放っておくと稼いでもすぐ使っちゃうから、こうやってわらしべ方式で直接新居を叩きつけないとダメなんだ
[一言] 年齢忘れてだけど、ルアって25でおっさん扱いされてたの⁈
[良い点] >なんか忘れてるような 確かアルベド女史が怪盗パンツイーターを捜してる…って聞いたから来たんじゃなかったっけ?
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