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52:青少年に悪いよッ、バジ子ちゃん!

途中でもご感想ぜひください~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!



 はい、空間を飛び越えてやってきましたジェイドですよっと。上手いこと物陰に飛べたな。




「バジ子ついたぞ~」



 抱えたバジ子を見るとがくがく震えていた。



「うぇえぇぇぇぇぇっ、一瞬視界が虹色でグルグルになりましたぁあぁ~……!」


「座標と座標の間にある亜空間の領域だな。お前がワンチャンほっぽり出されてた場所だ」


「いやぁ~~~!?」



 もう一生離さないでくださいーーーッと情熱的なセリフをガチ泣きしながら叫ぶバジ子。

 まぁ泣いてるのはいつものことなので放置だ。


 さて、それより冒険者たちの状況はっと、



『ギシャァアアアーーーッ!』


「うわーーーーっ!?」



 あらら、新人くんトカゲ人間に殺される1秒前じゃん。じゃあちょっとだけ『邪龍ダッシュ』して、



「ほい、そこまでっと」


「えっ!?」



 スキル発動≪収納空間(アイテムボックス)≫。


 俺はそこから黒い巨大ブーメラン『ポメラ』を出し、盾代わりにしてリザードマンの爪撃を防いだ。



『ギシャァッ!?』


「動きは止めたぞ」



 あとは、



「ヴァン!」


「ッ――応!」



 赤い長髪の男が飛び掛かり、人型トカゲを見事に蹴り飛ばした。



『ギガアァアァッ!?』



 おーーー、雑に攻撃したんじゃなく、トカゲの鼻先を横合いから狙ったな。


 おかげで地面にべちゃっと落ちたリザードマンの死体は、首が完全に捩れていた。一撃死だな。



「やるじゃねえか。ルア曰く、〝不調なのか意外とあんま強くない〟らしいが、テクニックで埋め始めたんだな」


「へぇへぇ、誰かさんのおかげでなチクショウ……!」


「あ?」


「ひッ?!」



 少し睨むだけでビクつく褐色男。


 そう、こいつこそ。



「紹介するぜ、バジ子。こいつはヴァンこと『ヴァーミリオン・ドラゴン』。この街に住むもう一匹のドラゴンだ」




 ◆ ◇ ◆




「「「おおおおおっ!? ジェイドさんって、ルア団長の親友なんですよね!? すげ~!」」」


「ただの腐れ縁だっつの」



 冒険者らと共に魔物を掃討した後、俺たちは焚き火を囲んで小休憩を取っていた。


 今は話の(さかな)に、彼らの持っていた『チャージボアの塩漬け肉串焼き』を食べているところだ。うめぇ~。



「す、すげぇジェイド先輩。冒険の保存食としては優秀だけど、めっちゃ硬くて噛み切れないボア塩漬け肉をバリバリ食べてる。これがルア団長と同じ上級冒険者……」


「ん? 二級最上位のルアと違って、俺は三級冒険者だぞ?」


「えっ、そーなんスか!?」



 ちなみに彼らは『英雄の夢』というパーティに属する者たちだった。


 俺の悪友、『殴り魔術師ルア』が率いる一団だな。


 春に新入りを大量に入れて、十数人もの大所帯になったとか。



「いやー偶然だなぁ。まさかルアの仲間たちとこんなところで会うなんて。ちょうど、知り合いのヴァンも『英雄の夢』に入ったって聞いてたからな。気心知れずで嬉しいよ」


「本当に偶然かァ……?」



 と疑ってくるヴァンを、ちょっと殺気飛ばして黙らせる。うんそれでいい。



「見たところ、今日は下位冒険者だけで活動してるみたいだな」


「はいっス。ルア団長たち主力メンバーは、例の湖畔周りの掃討に出向いてるんで」


「あーあれか」



 開拓を進めてたら発見した湖のことだな。ニーシャ(意識不明)とクーシャ(意識不明)に聞いたよ。



「二級以上の上位冒険者は大変だよな。魔物に支配された未踏破の大地を、最前線で駆けなきゃいけないんだからよ」


「っスね。自分らは所詮、討ち漏らしを片付けてるに過ぎないんで……」



 それが冒険者としての住み分けだった。


 二級以上の冒険者は、積極的に未開放の地へと進み、強力な魔物の掃討や地図の作成を担当。


 三級以下の冒険者は、そのすぐ後ろを追うようにして、雑多な魔物をひたすら片づけてヒトが住める領域に変えていくのが仕事だ。


 かつてメガネ冒険者が三級以下を馬鹿にしてきたが、まぁたしかにあんまパッとしない役割かもだな。


 だけど、



「俺は結構誇りに思ってるぜ、下位冒険者の仕事」


「えっ?」


「だって魔物は生物だ。数匹でも討ち漏らせばどんどん増えていく。それで気付かないうちに大群になって、内地の小さな村を滅ぼしたケースは山ほどあるだろ」



 絶滅させるってのは難しいからな。


 魔物が完全にいない領域なんて、それこそ国中央の『聖都』くらいだろ。



「だから三級以下(おれたち)の仕事も、人類を守るための重要なモノだと思ってるぜ。違うか?」


「ッ、そ、そうですね……! たしかに、自分らだって結構役に立ってますよね……!?」


「あぁもちろんだ。それに『剛拳のルア』や『絶剣のシロクサ』、『天才姉妹ニーシャ&クーシャ』みたいな若手スターたちも、みんな下位冒険者の頃から頑張ってたんだぜ? だから今こそ全力になりな」


「はいっ!」



 うんうん、若いと素直で気持ちいいな。目がキラキラしてるし。



「……それに比べてウチの新米は……」


「はぎゅはぎゅはぎゅはぎゅはぎゅ……ッ!」



 俺の背後でビクビクと丸まりながら、必死に肉を齧ってるピンクのかたまり。


 バジ子だ。


 人間怖くて周囲と目が合わせられず、もう食事に集中するしかなくなった哀れな生き物だ。



「んぐっ……あぁ、食べきっちゃった……! あっ、あのっ、陛下。食べかけのお肉、よければわたしにくださいませんか……? もっと食べたいし、何より陛下のおツバ味わいたいですし……! あっ、代わりに綺麗な石さしあげますから……!」


「……こいつは駄目だな。コミュ力は壊滅してるし感性は野生動物だし、目はグルグルしてるし終わってやがる……」


「ふぁえ!?」



 泣き出しそうになったので、要望通りに食べかけ肉をクチに突っ込んでやる。


 代わりに綺麗な石をもらった。いらね。



「むぎゅむぎゅむぎゅむぎゅぅぅぅ……!」



 こらこら、ハムスターみたく頬袋いっぱいにしながら涙目でこっち見るな。



「みっ、見捨てないでくださいみふてないれくらはぃいい……!」


「モノ食べながら喋るな。あと見捨てないから安心しろ」



 今日は、お前の駄目な部分を叩き直すために来たんだっつの。



『ヴァン』


『!?』



 俺は『邪龍ASMR脳内囁きボイス』でヴァンに話しかけた。



『なっ、なんだこりゃ!? 心の中にクソジェイド野郎の声が響いてきたッ!?』


『俺の邪龍奥義の一つだ。自身と他者と間にある「魂の境界」をちょっと殺して、思念を送り合えるようにしたのだ』


『なにそれコエーよッ!?』


『あとお前俺のことクソジェイド野郎って心中で思ってたんだな』


『すすすすすンませんでしたァッ!』



 よし指摘されて三秒以内に謝れたから許す。遅れてたらまた処分を検討してたわ。



『処分ッ!?』


『おっと思念が漏れちまったか。まぁそれはいいとして』


『いやよくねーよ!?』



 現実では無言で冷や汗かくヴァンを無視し、俺は背後のバジ子をネコのように持って、膝の上に置いた。ついでに頭をポンポンと。「愛撫始まった……!?♡」始めてません。



『こいつの名はバジ子こと、石邪龍バジリスク。俺たちと同じ龍種だよ』


『っ、マジかよ。いきなりオレのことドラゴンだって紹介してたから、なんかの魔物とは思ってたがよ。たぶん犬系かと』


『ドラゴンなんだよなぁ……』



 俺に極限まで弱らされた後、雑魚魔物たちにいじめられたり人間に狩られかけてメンタルブレイクした経緯を話してやる。



『……なるほど、事情は分かったぜ。お前と一緒に、コイツを冒険者として鍛えてやればいいんだな?』


『ああ。人の世で生きていくために強さが必要だし、なによりコミュ障をなんとかせにゃならんからな』



 せめて、一人で街を歩けるくらいにはなってもらわないとな。



『つーわけで、そっちの新米冒険者らの活動に紛れさせようと思ったわけだ。……あ、そろそろ魂の境界が塞がるな。じゃああとはリアルで話そう。口裏合わせろよ?』


『わーったよ。アンタにゃ逆らえねえし、どのみち同族のためだってんなら、力貸してやるさ』



 ほう。ニンゲン相手には横暴に振る舞ってたヴァンだが、同じドラゴンには情があるのか。



『俺にも発情してたしな』


『ううううるせぇッ!』



 はい念話終了~。



「じゃあ遅ればせながら紹介するぞ。このピンクの塊はバジ。みんなと同じ新米冒険者だから、気軽にバジ子と呼んでくれ」



 んで、えーっと。


「俺の義妹で、最近ド田舎から出てきたから、俺のこと〝陛下〟とか呼んだりちょっとおかしなところがあるんだ。あと根暗だし気弱だしそのくせたまに奇声上げるしあと自分の匂いがしないと不安で着替えたくなくて店内でピーピー泣くし銭湯行くのもイヤで俺が無理矢理身体拭いてやらにゃならんヒヨコより手のかかるピンクだけど、まぁたぶんイイヤツだから、今日はみんなと活動してもらえたら助かる」


「ほとんどボロクソ評価じゃねえか……」


「ヴァン」


「お、おうよ。オレの名はヴァンってんだ。よろしくな、バジ子」


「ひぃいいいいいいいいいいいい陛下以外のオスやだああああああああああーーーーー!!!」


「「自己紹介くらいちゃんとしろよ……」」



 うん、まぁいいや。この駄目さ加減もコイツの魅力と思っておこう。いや流石にちょっとライン超えてきたけど。



「つーわけでバジ子のこと頼めるか?」


「おう、オレは別にいいぜ。ただ…………」



 ちらりと、ヴァンが新米冒険者キッズらを見る。



「「「っっっ……!」」」



 なぜか頬を赤らめてモジモジする少年たち。


 ……彼らの視線は、俺の膝上のバジ子に集中していた。主にむぎゅむぎゅと押し当ててくる、特大のLカップへと。



「あっ」


「そーいうこった。リザードマン狩りに付いてくるのはいいが、ガキどもとは少し距離を置いてくれるか? 集中力が乱れる」



 ――【悲報】バジ子、卑猥物扱い! 接触禁止令発令!



「バジ子」


「ふぇ?」


「お前、森に帰ったほうがいいかもな」


「そんなぁーーーーーーーっ!?」



 こうして卑猥物を連れ、俺たちは集団での狩りを開始した。






・食べかけ肉→綺麗な石(知能高めな動物には宝物!)→???



ここまでありがとうございました!

↓『面白い』『更新早くしろ』『止まるんじゃねぇぞ』『死んでもエタるな』『こんな展開が見たい!!!』『これなんやねん!』『こんなキャラ出せ!』『更新止めるな!』

と思って頂けた方は、感想欄に希望やら疑問やらを投げつけたり最後に


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― 新着の感想 ―
[良い点] メインヒロインは四肢が爆散するわ(過言) バジ子は卑猥物扱いされるわ(事実) ・・・マトモで正統派なヒロインとか誰もいな・・・(通りすがりのミスティカさんを見つけた軽度のヒドインは行ける侍…
[気になる点] もしバジ子の弱体化が無くなり龍種としての強さを取り戻したらどれくらいの強さになりますか。
[一言] もう概念も焼けるのは強いよ。認識さえすりゃなんでもできるんじゃ…? ヴァンくんの成長が見られて嬉しい。そうかぁ、あいつ…先輩ドラゴンとして後輩ドラゴンに教える立場になったんだな…涙ぐましい…
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