48:謎の牽制ッ、ミスティカさん!
途中でもご感想ぜひください~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!
「に、人間から、守ってもらいにきただって……!?」
「はひぃぃぃいぃい……!」
いやいやいやいや何言ってんだバジリスク。
「お前、龍種だろ? 魔物界ならカーストトップだろ? 一軍女子だろ? なのに人間から守ってほしいってどういうことだよ?」
「い、一軍女子というのはよくわからないですが、たしかに昔はぶいぶいしてましたね……人間とか雑魚扱いでしたし。で、でもぉおぉ~……!」
下腹部を押さえながら涙目で見つめられた。
お前なにして……って、あ。
「そうか……あの帝王切開痕みたいな縦傷はそういうことか」
どんな記憶も保存しておける『邪龍脳細胞』のおかげで、ようやく思い出せたよ。
「バジリスク。俺、『滅びの焔』を纏った爪で、お前のお腹ブッ刺しちゃったんだったな」
「そーなのですよぉぉ……! もう痛いし熱いし、自分がドロドロに溶けてく感じするしぃ~……!」
あーまぁそうね。存在ごと燃やし尽くす万象終滅の火だからね。今は酒造りとかに使ってるけど。
「なんかすまんな」
「あっあっいえ、わたしのほうも万の魔物と軍勢を組んで殺そうとしましたし……! 強い雄様であれば蹂躙されてもまぁ仕方ないかなーって……!」
「そりゃよかった」
魔物理論で飲み込んでくれてるバジ子ちゃん。
こういうところは人間よりもドロドロしてなくていいよな。
「で、それから?」
「あっはい! ……どうにか生き残ったわたしですけど、もう死ぬ寸前で、十年以上は毒沼の中で休眠してたんです。それで最近になってようやく動けるようになったんですけど……ですけどぉー……!」
「泣いちゃった!」
どーしたバジリスク! 邪龍お兄さんに言ってみろ!
「ぐずっっ! わ、わたし、すごく弱くなってたんですよぉぉお~……っ!」
「あー」
死にはしなかったけど、俺の焔のせいで弱体化しちゃったわけか。
「それで図体デカいくせによわよわだから他の魔物たちから『お前悪目立ちすんだよ、えんがちょ!』『最近ニンゲンつえーから狙われたくないんだよ、えんがちょ!』って厄介者扱いされて石投げられてぇ~~……!」
「えぇ……」
これが龍種の姿なのか……?
「その上、なんか人間の貴族っぽいイジワルな女とその私兵団にボコボコにされちゃったんですよぉおおぉっ! あいつら、泣いて逃げ出すわたしの鱗を剥していってもう怖くて怖くて……ッッッ!」
「あぁ~~そういう流れかぁ……」
十中八九、そりゃ女騎士アイリスを虐げたヴィオラ女侯爵の仕業だな。
んで剥された鱗は鞭に加工され、アイリスに石化の呪毒を施してこの街に追放――って流れになったわけだ。
なんか思わぬところで繋がっちまったなぁ。
「なるほどなぁ。それで俺の庇護を受けに来たと」
「は、はぃぃ。偶然わたしを保護してくれたダークエルフさん曰く『暗黒龍殿は話せばわかる御仁だヨ。低頭平身・礼儀正しくを心がければきっと助けてくれるサ』って言われて」
ああ、そりゃダークエルフのダーさんだな。俺の知り合いで、この世界に生まれ直したばかりの頃に色々知恵をくれた魔人だ。
「納得が行ったよ。俺がこの街に潜んでるのも、ダーさんが教えてくれたわけか」
「は、はいっ! ニンゲンの常識を教えてくださったり、あと通貨も少しいただいてとても良くしてもらいましたっ! あ、あとぉ……!」
「あと?」
もじもじと赤面しつつ、エロメイド服のミニスカをたくし上げ、またもやヒモみたいな黒下着の下半身を見せつけてきた。
っておいおいおいおい!?
「こっ、こーいう服でこーいうことをすれば、陛下は喜んでくださるって教えてくれて……っ!」
「おいやめろ馬鹿!」
ダーさんなに嘘教えてんだよぉおおおーーー!?
◆ ◇ ◆
と、いうわけで。
「えー、冒険者仲間のみなさんに発表です。こちら、俺の『義妹』であるバジちゃんと、しばらく行動を共にすることになりました。気軽にバジ子と呼んでやってください」
『ふざけんじゃねえぞジェイドォーーーーーーーーーーッ!!!』
うっわぁーー、野郎どもに一斉に怒鳴られた。まぁそうなると思ってたよ。
「テメェェェエエッ! 無駄にそこらじゅうの女とフラグ立てておいて今度は義妹だとアァアアアアーーーンッ!?」
いやフラグ立てた覚えないんだが!?
「しかもエロメイド服のロリ爆乳ってなんだテメェッ!? テメェの趣味かこの野郎ォーーーッ!?」
いや、こいつ自然動物だしめちゃビビりになってるから、自分の匂いがしみ込んだ服以外は嫌がってだな……。
「テメェ前世でどんだけ徳積んだんだよジェイドォオオオーーーッ!?」
うるせーよ! 前世はつまらない社畜リーマンだよこの野郎ッ!
「ひぃぃ、ニンゲンこわいぃぃい~……!」
あーはいはいはいバジ子ちゃん、怖がらなくていいからねー?
そうやってビクッとして俺の背にしがみついて推定Lカップおっぱいを変形するくらい押し付けられると、さらに野郎どもの殺意が上がっちゃうからねぇ~~~?
「ごほんっ。あーとにかく、バジ子は冒険者登録することにもなった。今日からお前らの仲間ってことだ」
修行にもなるし、そうすれば自然と俺と一緒にいれるからな。
こいつを街で働かせたら騙されまくって何されるかわからんし。
「基本は俺が世話するが、もしもの時はみんなも頼むな」
『ロリ爆乳ちゃんのお世話ッッッ!?!?!?』
「いややっぱ俺が全部世話するわ……」
お前ら女に飢え過ぎなんだよ。
あと、こいつ実は石邪龍だからな? 高嶺の花って領域じゃないからなー?
「というわけだ。……さて、受付嬢のミスティカさん。バジ子の登録をしてやってくれ」
「かしこまりました」
クールに了承してくれたのは、ここの看板受付嬢なミスティカだ。
マジで常に無表情で事務的対応しかしてくれないんだが、変態共にはソレがいいとか。未来に生きてんな。
「ではバジ子さん、この書類にご記入を。ご自分の名前は書けますか?」
「あっはいっ、名前だけなら……! が、頑張って覚えましたっ、最初はペンを握るのも慣れなかったのですがえぇと」
「そういうのはいいので早くご記入を」
「は、はひぃー!?」
……さっそく氷の対応を受けてるバジ子。うんまぁビビらなくていいから。プライベートではもうちょい柔らかいから。
「ぇぇと、たしかdajiって書いて……あっ、これじゃダジ子になっちゃうぅ~!」
「大丈夫かー?」
とにもかくにも、こうして石邪龍がまさかの仲間入りを果たすのだった。
こりゃ灼熱龍の時みたいに一波乱ありそうだが、
「あぁあぁっ、ペンが折れちゃったぁ~~!?」
『バジ子ちゃんオレたちのペン貸そうかッッッ!?』
……いや、前言撤回。冒険者連中、バジ子の美貌と乳パワーで完全にメロメロだ。
ヴァンの野郎の三億倍速く馴染んじゃったよ……乳って偉大だなー。
「あの」
ん、どうしたミスティカさん? 俺のこと見つめて。
「ジェイド氏」
「なんだよ」
「――ご存じの通り、私も胸はかなりボリュームありますからね?」
ぶっ!?
『ミスティカさんッッッ!?』
ってうおおーーーいッ!? おまっ、他の男どもがいるところでそういうこと言うんじゃねえよ!
ジェイド「一体なんであんな発言を……?」
・ここまでありがとうございました!
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ちなみに書籍「転生破壊龍」にミスティカさんのフルカラー絵ありますので、チックしてください~~~!!!(われのTwitterメディア欄にも!)