47:駆け込みバジ子ちゃん(Lカップ)、と俺!
突如として現れた、ピンク髪エロメイド服ロリ爆乳(推定Lカップ)ビクビク怖がりグルグル目十代前半美少女。
そんな性の化身が、いきなり俺に抱き着いてきたもんだから……!
「「「おいどういうことだジェイドォーーーーーーーーッ!?」」」
「「お兄さんそいつ誰ですかぁーーー!?」」
道行く男たちとなぜか銀髪姉妹が、俺にめっちゃ怒鳴ってきた!
「おっ、落ち着けお前ら。俺、こんな子知らないぞ!?」
マジでお前誰なんだよ!?
「なぁおい」
「陛下、わたし、屈服します……!」
あん?
「忠誠の証に、どうか交尾をさせてくだしゃぃぃぃいいいーーー!」
「「「「「交尾ッッッ!?」」」」」
ってうぉぉおおい!? 何を爆弾発言してるんだこのロリ爆乳は!?
「そもそもお前誰なんだよ!?」
「お、お忘れですかっ!? わたしに、この傷を付けたというのに……!?」
謎ピンクはメイド服の裾を握ると、
「こんなにくっきり、跡が残ってるんですから……!」
そのままゆっくりとたくし上げ、ヒモみたいな黒下着ごと、『下腹部に入った縦線』を見せつけてきたのだった……!
「「「「「て、帝王切開痕だぁーーーーッ!?」」」」」
ってうぉおおおおおおいッ!? さらなる爆弾投下してんじゃねえよぉぉおーーー!
「ジェイド、その子を孕ませたってことか……!?」
「裂かないと赤ちゃん出せなかったってことは、お前……!」
「今でさえ幼い感じなのに、さらに幼い頃に……!?」
いや違う違う違う違う! こんな子とやった経験はないっつの!
「「お、お兄さぁぁあぁあぁぁあぁん……!?」」
あーもう、銀髪姉妹はなぜか死にそうな顔してるし、滅茶苦茶じゃねえかチクショウ……!
マジでお前なんなんだよピンク……?
「うぅぅう、陛下ぁ、暗黒龍陛下ぁ……!」
「あっ」
――そういう関係のやつか。
「なるほどな。ニンゲンの街をビクビク歩いたり、匂いを嗅ぎまわったり、妙なグルグル目はそういうことか」
「ふ?」
ふじゃねーよ痴女みたいで異質な可愛い奴め。
「あの、暗黒龍陛下……?」
「わかったわかった。ちょっと場所を変えよう。俺の家に来い」
「宮殿ですか!?」
「アパートだよ」
俺はピンクを抱き上げると、そのままさっさと去ろうとした。
あ、その前に。
「『第十三階梯魔砲――“零に還る焔”』、超弱火版」
「「「「「うわーーーーっ!?」」」」」
俺は滅びの邪炎を放ち、周囲にいる人間の『ここ数秒の記憶』だけを焼いてぼやかしたのだった。
これでたぶんよしっと。
◆ ◇ ◆
「と、いうわけで」
俺はさっそく謎ロリピンクを自室に連れ込んだ。
「はいっ、交尾ですねっ……!」
「って脱ぐな脱ぐな脱ぐな脱ぐな」
ぼろんっと乳出すな。「初めての交尾が陛下となんてぇぇぇ……!」じゃない。乳首上に立てるな。
「そうじゃなくて、お前は誰なんだって話だよ。十中八九、人間に化けてる魔物なんだろ?」
「あっ、はいぃぃ!」
やっぱりか。明らかに社会性ゼロだもんな。すぐ交尾しようとするし。
「で、名前は?」
「あっ、わ、わたし、バジリスクといいます。『石邪龍バジリスク』、ですっ」
「なんだと?」
つい最近聞いた名前だ。
知り合いの女騎士・アイリス。そいつの腕は、性悪な女貴族によって石化されていた。
ソレを成したというのが、石邪龍の鱗を纏わせた鞭だったはずだ。
「……なるほど。お前の名前は知ってるよ」
「わぁっ」
「でもそれだけだな。お前と俺、どこかで会ったことあるか?」
「わぁぁ……」
あっ、涙目になっちゃった。
いやごめんて。
「い、いえ、いいんです。陛下めちゃくちゃお強いですもんね。わたしもかなり強い龍種だったのですが、他の魔物軍団と一緒に瞬殺されちゃいましたしぃー……」
「魔物軍団? ――あぁ。お前、十五年前の『聖戦』の時の生き残りか」
そう。十五年前といえば、俺が最強邪龍に転生して暴れまわっていた時だった。
元現代人の自分に野宿生活はきつい。そんな折に人間と出会って、文化的な生活を求めて王族と契約を結んだんだよな。
俺に宮殿やら飯やらを用意する代わりに、守護龍になってやろうって。
「なつかしいなー。人類の領土を一気に広めるために、ある日王族が大規模討伐を要請してきたんだよな」
それが後に謳われる『聖戦』だ。
「お前ら魔物もめっちゃ徒党を組んできて、面白かったよ」
「わ、わたしは面白くなかったですよ、陛下ぁ……! 最強の暗黒龍様が、人間側の王になるなんて」
「王じゃなくて王族なー」
そう。実は暗黒龍は王族だったりする。
『聖戦』を起こす際、王族らが自分らの家名も上げるために、俺にも王族の末席を与えたんだよな。
それで、騎士たちとか当時の人間からは『暗黒龍陛下』なんて呼ばれることになったわけだ。
……まぁ陛下って敬称を王以外に使うのは不敬だから、戦後にはすぐ緘口令が出されたんだが……、
「魔物側が緘口令を知るわけがない。おかげで気付けたよ、お前が人外だってな」
「あ、あはは……気付いていただいてよかったです」
「危うく不審者として憲兵に突き出すところだったぞ」
「やめてくださいよっ!?」
いや涙目になるなよ。
俺よりランクは下がるとはいえ、龍種なら人間くらい余裕でボコって逃げれるだろ。
「おいバジ子」
「バジ子!?」
「いちいちバジリスクは長いからバジ子な。んなこたぁどうでもいいとして、お前なにしに来たんだよ。俺が、人間側に与してると知ってて」
細い肩に手を置き、彼女の瞳をじっと見つめた。
――それだけで、俺の〝本当の力〟を知る彼女は、がたがたと震えて汗を噴き出す。
「なぁ、おい」
だけど絶対に離さない。
……少し前に灼熱龍に優しくし過ぎて、大惨事を起こしかけたことがあったんだ。
今回ばかりは厳しくさせてもらうぞ。
「答えろ。強壮なる龍のお前が、邪悪なる龍のお前が。一体どういう目的で、脆弱な人間たちの街に忍び込んだ?」
さぁ。
「答えろよ。お前がその強き力で、弱くも大切な悪友たちを傷付けようというなら……」
さぁ!
「ぁっ、あぁうぁぅあっ、わたっ、わたしはぁあぁ……っ!」
わたしは?
「わたしはッ――人間たちからっ、暗黒龍陛下に守ってもらうためにきましたぁーーーーっ!」
……なんだってぇ?
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