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#6
フローレンスの隣の部屋……。誰がいるのかな。
「Cecil……か」
ドアをノックすると、身長の高い人があくびをしながら出てきた。
「あ、誰だ?」
「エドワード・ホームズです」
「ふうん。新しい奴が来るとか……先生も言ってたっけな」
目をゴシゴシとこすりながら言った。気だるそうで、眠そうで、僕のことなんかどうでもよさそう。
「まあいいや。俺、セシル・レオ。これからよろしくな」
「うん、よ、よろしく」
「あ、さっきフローレンスの声してすぐに俺なら、次はそっちの部屋だろ?」
「え、あ、うん……」
「へえ……。じゃ、あいつに何かしたら俺が許さないからな」
さっきまでのヘラヘラとした態度から、小説に出てくるような急に危ない組織のボスに睨まれたかのような凄みを感じた。
「あはは! 冗談だって、いや、そうでもないか。まあ、普通にしてたら何にもしてねえから」
「わ、分かった……」
「分かったんならいい。じゃ、行って来いよ」
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