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Lonely nightmare  作者: アーヤ
チャプター0 孤児院に住む子供たち
5/24

#5

 優しい鈴のような声。

 振り返ると、アレンの向かいの部屋から、プラチナブロンドを下ろしている少女が出てくるところだった。


「えへへ、お兄ちゃん、ごめんなさ~い」


「初めまして。フローレンス・スノーと申します」


 アレンやレティシア、僕よりも年上の少女。腰まで伸びたさらさらの髪は不自然なくらい真っ直ぐで、長い睫毛はくっきりをしており、青い瞳がよく映えている。


「エドワードさん……だったかしら。これから紅茶を淹れて少し休憩しようとしていたのだけど、貴方もどうかしら?」


「えっと……」


 まだ他の部屋があるし……でも、それ自体に時間がかかるわけでもない。断るのもどうだろうか。


「あっ、ダメだよ。お姉ちゃん」


 僕がそんなことを考えている間に、アレンは僕の前を通り過ぎ、彼女の持っていたティーカップとソーサーを半ば強引に受け取った。


「落としたら危ないもん。ぼく、お姉ちゃんにケガしてほしくないから」


「……そうね、アレン。ありがとう」


 フローレンスの反応は、少し笑って感謝を伝えるというものだった。同情しているような、少し困っているような微笑み。幼い子供特有の過剰反応だろうか。アレンくらいの年齢になると、ガラスが危ないことを知れば、それを持っている人に「危ない」と教えたりする。


「ごめんなさい。他の部屋にいる人に挨拶をしないといけないから……」


「あら、そうだったのね。引き留めてしまってごめんなさい」


「僕のことは、気にしないで。紅茶……。また誘ってね」


「ええ、分かったわ」


「お姉ちゃん! お兄ちゃんが飲まないなら、僕に紅茶淹れて」


「ええ、いいわよ。少し待って」

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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