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#4
「Allen……」
ここは男の子のようだ。ドアをノックすると、幼い声がした。
「は~い」
「ぼく、アレンだよ。ぼくの部屋にはもう一人いるんだ~。でも、ぼく以外には、だれも話してくれないんだ。だから、ずっとぼくの部屋にいるんだ」
「そうなんだ」
「ぼく、お兄ちゃんの弟なんだけど。ぼくのこと分からない?」
「えっ?」
僕の弟……? 弟……。
「――ふふ、アレン。来たばかりの子に嘘をついたらいけないわよ。彼が困ってしまうわ」
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