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#3
「Laetitia……」
レティシア……ここを使っているのは女の子みたいだ。
ノックすると、すぐにドアが開いた。
「あっ、もしかして、君が新しく来た『エドワード』って子?」
「エドワード・ホームズです……よろしく」
「エドワード……エドワード……」
何回か僕の名前を呟く。
誰かに聞かせるように、そして自分に言い聞かせるように。
「あたし、レティシア! よろしくね!」
赤い薄手のパーカを羽織った少女。一つ一つの動きが大きいからか、さっきからチョコレート色の髪のポニーテールがユラユラと揺れており、木の葉のような大きな緑の瞳がうるうるとしている。
「じゃあ、僕は他の子に挨拶しないといけないから」
「分かった。またあとでね」
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