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マンガ喫茶だより  作者: 樸 念仁
6/7

得題

http://reviews.bookstudio.com/author/10794/10664/6.htm

2008年06月06日(Fri) 23時39分に投稿

 くもりのち晴れのヨホウははずれたので新たなシュウトクブツも樸の役に立たない。

 宿所の自転車置場に置いたまま、大通りにそって、球場のある公園aに行くのとは反対の方向へ歩きだした。

 今日もビニール傘の出番だ。

 雨ばかり降ると思ったら、知らないうちにツユイリしたというじゃないか。なんか早くね?

 シュウトクブツには青色のチェーンが掛かっている。昨日、シュウトクした帰りに、99に立ちよって購入した。ただ、番号が1234というのは、いくぶん心もとなさげなチェーンではある。メード・イン・チャイナの安物だから言っても仕方がないか。

 宿所の自転車置場は、ちょっと目に付きにくい、階段下の奥まった場所にあるから、取られることはマズないと思うのだけれど。一番良さそうな一台を選んだ。席が少し破れているほかは、どこにも異常はない。タイアなんか新品と同じ。赤い色をしたマウンテンバイクだ。

 ああいった立派な物を、モッタイナイことをしてホウチしておく人間がいるとは、日本もまだまだ豊かなんだね、豊かな人間は。豊かでない人間は、つまり自転車でも拾わなくっちゃやってけないわけだ。カクサだなあ。

 チェックアウトの時刻には雨があがっている約束だった。

 憂鬱なのは雨のせいばかりじゃないけれど。

 またやってしまった。金参千弐百圓也。3200+10圓だったかな。いいや、こまかいことは。

 今日はカワイイ系のギャルにも起こしてもらえなかった。スキンヘッドのオニイサンだった。面白くもない。

 ヒトの物を拾っちゃったからバチが当たったのかな。

 散財ついでだ、牛丼をたべよう。

 きのう、自転車を乗り回しているときに、近所にすき家があるのを発見した。吉野家よりずっと近い。大通りをいつもと反対方向へ行けばすき家がある。自転車を拾うまですき家方面をカイタクしたことがなかった。

 で、中の様子を見たところ、カウンターだけでなくテーブルがあった。店内が吉野家みたくインキじゃなくって、ちょっと高級感さえ漂っていた。メニューも色々あったようだ。

 料金体系が不安とはいいながら、景気付けの意味で、すき家で朝飯と決めた。(料金のことはキユウだった。吉野家よりずっと安いと分かった。サービスや味の点でも、樸的にはすき家の方が上だと思うのだが、両店違いの分析は、またいつかしよう。)

 自転車だと近く感じたことだったけど、雨の中を財産を背負って歩くにはやっぱり距離がある。

 ビニール傘は頭と肩だけ守ってくれる。足元は濡れる。バックパックはまともに雨を受ける形になる。

 ゆうべ七時ごろのニュースでは、天気予報のオネエサンはクモリノチハレと、確かにそう言ったのに、話がちがった。

 天気予報を聞いてからキーボードをパチパチやって、書いたものを投稿したらまた十時が過ぎていて、おそろしく眠たかったものだから歯もみがかないでそのまま寝てしまった。

 ひょっとしたら、あとでヨホウが変わったのかもしれない。今朝は丹沢の山並みは見えず、雨空。

 オヤ、いいな。今のなんか行けさげ。


               山並みは見えず、雨空


 意味ありげで、ヒビキが何となく切なさげで、タイトルとして大いにうけさげ。

 よし。タイトルは決まった。これでいい、と。いいけど、本の中身をどういうふうにするのか決まってないのはまずいな。

 ラブラブのカップルが無情な運命のためにお互い好きでもない相手と関係を結ぶようになる。 ・ ・ ・

 ありそうな話だな。

 ありそすぎて今さら女性層の支持が得にくげ。近年のトレンドでは、女性の支持不支持がマーケットの動向を左右するというからねぇ。

 本の最後には書いた人の写真がのるんでしょう?板橋無宿まいまいつぶろおじさんでございじゃ、内容とのギャップが大きすぎてドッチラケだろうな。それに体脂肪率39%じゃあなあ。

 内容の心配はあとまわしだ。とりあえずタイトルにこだわってみよう。


               山並みは見えず、雨空。


 おしまいにマルを付けた方が切なさげっぽくていいかな。

 テンもマルも抜いたらどうだろう。


               山並みは見えず 雨空


 何かしまらない感じだね。


               山並みは見えず 雨空。


 アンバランスだなあ。

 これで全四通り、出そろったわけだ。おっと待てよ、


               山並みは見えず。雨空


 こういうんだってあるわな。

 これだと全部で何通り作れるんだ。分からなくなってきたぞ?こういうのを昔数学の時間にやったな。


               山並みは見えず。雨空。


 これで全部かな。まさか


               山並みは見えず。雨空、


 なんてのはないだろうからな。

 ええい、直感的に




               山並みは見えず、雨空。




 これだ。これで行こう。これが一番うける。やっぱりマルが効いてるよ。

 少女っぽくて、女子高生ぽくって、OLだって本を手にとりたくなるようだ。

 小説のタイトルにマルが付いたのなんて見たためしがない。

 ううん・・・、でもなあ、山並みってのがゴツゴツしてるかな。やさしく




               山なみは見えず、雨空。




 こうしようか。

 できた。キレイじゃないの。

 よおし、今度こそ先を越されないうちに、この俺がものしてやるか、傑作切ない系小説を。何しろタイトルにマルを付けたとこがミソだ。 ・ ・ ・

 上記のような思索にふけりながら、すき家で朝飯をしたためていたら、おいどうなってんだい、晴れてきちゃったよ。山なみが見えだしたじゃないか。

 8:00、日が照ってきゃあがった。

 となると、こいつを食べたら宿所に引き返して、6月6日、金曜日、雨空のちクモリノチハレ、今日も一日サイクリングだい。

 自転車があると行動のハンイが広がるからいいよね。

http://reviews.bookstudio.com/author2.php?id=10794

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