元二等兵、死ぬ気で戦いを挑む
頑張って書きました!!!
刻夜は潰れたトマトのように地面に自身の内臓をぶちまける。
……………という悪夢から目を覚ました。
「あー死ぬかと思った」
周りは緑が生茂る森、上の折れた枝から察するに落下の衝撃を木が緩和してくれたらしい。
周りを見ると刻夜の同期も教官もあの憎たらしい空海様もいない。
紛れもなく置いていかれたみたいだ。
地球人が好き放題して、異世界人に恨まれまくってるであろう世界に。
「あいつら〜絶対この屈辱は千倍にして返してやる〜…………とりあえず、俺のリュックの中身は超能力育成書、携帯食数日分、簡易テント、サバイバルナイフ、一年間の訓練予定表、通信装置四つ………そういやあいつらの分も待たされてたな、、まぁ今の状況からするとなくて困る事はあっても多くて困る事はないか」
日が落ちるまで散策、暗くなる前に火を焚きテントを立てながらサバイバル1日目は何事もなく過ぎて欲しいと思っていたが、そんな願いを無情に切り捨てるのが現実というもの。
「キャァァァァッッ!!」
テントを立て終えると突如悲鳴が響き渡った、刻夜は驚愕しリュックを手に立ち上がる。
刻夜は悲鳴がした方に走る、走る、走る。
「イヤッ!!」
そうして走っていたらまたもや悲鳴が聞こえた、声からして女の子らしい、足跡を忍ばせ、草の茂みから顔だけをのぞかせた刻夜。
(ただ事ではないと感じていたが、まさかこんな現実とかけ離れた光景を目の当たりにするとは夢にも思ってなかったさすが異世界)
少女が横たわっており、俺と同じ超軍の軍服(と言ってもほとんど学生服、超能力者以上はブレザータイプ、星屑無能者は学ランだ)に身を包む男がそこに立っていた、エッチなシーンの手前みたいな構図である。
体系的には少し痩せた中年、肩の階級章から察するに少尉といったところか。
「早く村の隠し通路を教えろ」
男は女の子を無理やり立たせ詰め寄る、こちらには気づいてない様子。
『原初の風よ!強者と弱者、真理の連鎖、獣の刹那の空腹を』ーーーきゃっ!!!」
少女は男の手を払いながら後ろに下がりつつ魔術の詠唱を開始するが男に殴られ中断してしまう。
「させるわけねぇだろぉ〜いいからとっとと教えろってのぉ〜教えてくれたら見逃してやるからさぁ〜」
少女を木に押し付け舌舐めずりしながら男は言うが、信じられる要素が皆無だ、言おうが言いまいが結局捕虜は確定してるのだろう。
「しんじられないっての」
「へへへ、バレちゃしようがねぇ、いっちょ可愛がってやるか、そしたら気が変わるかもだしなぁ〜」
男は少女の頬を舐めて味見をしだす。
(さて俺には二つ選択肢がある)
1、男の仲間に加えてもらう
メリット
超軍の人間という事は軍服からも分かるので元の世界に帰還できる上に遠目でも美少女とわかる女の子で童貞卒業できる。
デメリット
なんか後味が悪い
2、女の子を助ける
メリット
美少女の恩人というワンチャンありそうな属性を手にできる
デメリット
もしかしたら彼氏いるかもしれない、相手は超新星異能種だから星屑無能者の俺が挑んでも死ぬ可能性大。
(…………じゃあ俺が取るべき行動はひとつだな)
「やめろテメェェェェェェ!!!!!!!」
刻夜は中年の顔目掛けてテレフォンパンチを繰り出す、寸前のところで回避されるがひとまず少女から離れさせることに成功、そのまま少女を抱き抱え茂みに逃げる。
(え?なんで女の子を助けるって?だって戻ったところで同じところに配属されてまた置き去りさるだろうし、よしんばこの人の下につけたとしてもこんな事をしてる時点で空海と似たような性格なので以下略、それに女の子を見捨てるのは性に合わない!!!)
「逃すか!!!」
男は叫ぶと同時に火炎放射を放ってくるも間一髪でかわす。
そのまま息が続くまで走り続ける、ちょうどさっき立てたテント近くの茂みに身を隠し息を整える。
(あいつの能力は発火能力か!!!)
「大丈夫か?」
「う、うん大丈夫」
かなり抑えた声で会話する刻夜達。
逃がさないと言葉通りに刻夜達がいる付近を嗅ぎつける中年の足音が聞こえる
「オーーーーイ、お前超軍の二等兵だろ?、しかも学ラン着てるから星屑無能者だろ?、今そいつを差し出せばお前は見逃してやる、お楽しみにも加えてやる、10秒以内に出てこい」
中年の怒鳴り声が木霊する、今のうちに作戦会議を開始する。
「あ、あのさ、今持ってるもの教えてくれない?」
「え、あ、ど、どうぞ」
刻夜は彼女の鞄の中身を取り出す、小麦粉が入った袋、リンゴ、蜂蜜、いくつかの小さい金属、形から察するにお金だと思われる
「うーーーーん、あんまり使えないものが多い、うん?いや、いいのあんじゃん、悪いんだけどこれとこれ貸してくれない?」
「い、いいけどそんなもの何に使うの?」
「ちょ、ちょっとね………俺が今からあいつの気を引くから君はその間に逃げて」
「へ、あ、ちょーー」
彼女の返答を聞かず、男の前に躍り出る俺。
(…………相手は俺を殺す前に女の子の居所が知りたいだろう、まずはあの子が逃げる時間を稼ぎつつ、俺も隙を見て逃げる)
そう考えていたら瞬間、目の前に炎が噴射される、刻夜は自身に出せる最高速度で体を横に転がす。
轟音共にさっきまで刻夜がいた空間を冷たく燃やす炎を横目に転がりながらもうまく体勢を整える。
(あのまま突っ立てたら俺……)
頬に冷や汗を流し戦慄する刻夜
刻夜が呆気にとられていると、相手の男も驚いた様子で話しかけてくる。
「へぇ〜あれ躱すとは星屑無能者にしてはやるな、まぁいいか、おいお前あの女の居場所言えば楽に殺してやるぞ」
脅すように手を突き出す構える男、刻夜は震える足を踏み出しながら吠える。
「女の子を売れるわけねぇだろうがよ!!!」
言葉と共にリンゴを投げつける
「あのさぁ〜こんなもんが効くわけねぇだろ?」
相手は炎を噴射しリンゴを焼き尽くす。
「なぁあんた、小麦粉が滅茶苦茶燃えやすいって知ってるか!!?」
叫ぶや否や刻夜は小麦袋の口を開けて、リンゴを燃やしてる相手に小麦粉をぶちまける。
「なーー、熱っーーー!!!?」
炎の壁に当たった小麦粉は火を纏い男を襲撃する、男はあまりの熱さに手を顔の前に突き出す。
「オラァ!!!」
男の隙を見逃さず地面に殴り倒す刻夜、そのまま顔を交互に殴る、拳に嫌な感触が走り、血も撒き散らされるがお構いなしに殴る。
「ちょ、調子にのんなボケが!!!」
男は吠えると同時に顔を殴ってくる、一瞬意識が遠のいた瞬間に男は刻夜を押し倒し、腕を膝で押さえつけ完璧に抵抗できないようにする。
「あーー」
「火葬してやるよ」
男の手から火の粉が舞ったその瞬間、少女の声が響き渡る。
『ーーー獣の刹那の空腹を満たすため、獲物の血肉を両断せよ!!!風刃両断!!!』
叫ぶや否や彼女が握る機械的な杖の引き金を引くと同時に一陣の風が吹き刻夜の上の男は力なく地面に生き絶える。
どうやら刻夜が気を引いてる間に詠唱を進めていたようだ。
仕事は終わったと言うふうにマフラーから蒸気を噴出する杖。
お前粉塵爆発って言葉ぐらい知ってるよなぁ!!?