表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/2

書きたかった話

なんかこんな感じで1人の台詞で構成された会話なのに独白みたいなのが書いてみたかった。

 


 ────── 魔女の悪霊 ───────




 ボクはね、ただ、どうして魔女狩りなんてするのかわからなかったんだ。


 王さまが愛していた娘に取り憑いたのはちょっとした意趣返し。むしろボクを殺しておいてこの程度の意趣返しだったことに感謝して欲しいくらいさ。



 長年連れ添った体を泣く泣く手放した私は魔女狩りを命じた王さまが住むお城に行ったのさ。魔女狩りを止めるためにね。


 そして王さまを止めるにはどうしたらいいのかと思ったボクは王さまが愛してやまない娘のお姫さまに取り憑くことにしたんだ。


 でも、


『悲しい。悲しい。悲しいの。ボク達はただひっそりと暮らしているだけでよかったのに、どうしてボク達を殺すの? ねぇ、どうしてなの? なんで、なんで、どうしてボク達魔女を殺すの。悲しい。悲しい。悲しい────』


 そう言ってただただ『悲しい』と踊っていただけなのに。


 ただボクが取り憑いていただけなのに。


 王さまはお姫さまを斬り殺した。大切な娘なはずなのに。


 ボクはただただわからなかった。どうして王さまはお姫さまを救おうともせずに斬り殺したのか。


 魔女狩りはより酷くなった。


 全然関係ない人まで殺された。


 ボクはただただ止めたくて今度は王さまが一番に愛している王妃さまに取り憑いた。


『愚か、愚か、愚かな王。どうして魔女狩りなんてするの? どうして魔女じゃない人まで燃やされているの? ねぇ、どうして?』


 そしたら王妃さまも斬り殺された。


 魔女狩りは止まらない。


 だから今度は王さまのお世話をしている侍女に取り憑いた。


『わからない。わからない。わからない。お姫さまも王妃さまもただ霊に憑かれただけなのに、どうして王さまは助けもせずに斬り殺すの? ねぇ、どう────』


 侍女もすぐに斬り殺された。


 だからすぐに近くの侍女に取り憑いた。


 そして斬り殺されたら今度は女性の文官に……



 え? どうして女性ばかりかって? そりゃ性別は一緒の方が動かしやすいからだよ。


 え、女だったの?……って? よし、君そこに な・お・れ☆ミ


 はぁ……君のいたところでは男の魔女がいたって? それはきっとボク達とは違う種族だろうね。



 えっとどこからだっけ、あ、そうだった。城中の女性に取り憑いたところだったね。


 そしたらの王さまは城中の女性を殺すことを命令したの。


 王さまに追い出すだけではダメなのか聞いた近衛騎士長と騎士団長は更迭された。


 そして王さまを強く止める人はいなくなった。


 そして虐殺が始まった。でもね、死んだのは半分だけ。良心的な人たちがうまく逃したの。それだけじゃない、城の中に恋人がいた騎士が王さまを殺したの……


 悪い悪い王さまは倒れた。平和が取り戻されたってボクは喜んだ。


 けれど、そうはならなかった。そこから先は君もよーく知っているだろう?言っておくけれどボクは反省なんてしてないよ。


 ────っ! ボクを滅したいのならそうすればいい。……ボク達の種族はこいつらに、いっぱいいっぱい殺された。種族を挙げて復讐に走らなかったことを感謝して欲しいぐらいだ。


 恨むなら愚かな王を頂いたこと、自分たちが誰も強く諌めなかったことを恨め。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ