将哉の休日②
俺は工藤さんに腕を引っ張られた。
「どうぞ。わたしの部屋よ」
工藤さんの部屋は綺麗に整っていた。
テレビの横には写真が何個か飾ってあった。
「……!?」
俺は見てビックリした。何故ならその写真は絵里だった。
「え、なんで絵里の写真……?」
しかもそれは高校卒業したあとの写真だった。
「絵里さん綺麗よねぇ。わたしもそんな風に生まれたかったわ。」
「いや、あの……」
「それより……」
工藤さんは俺に迫りよってきた。
「な、なんすか」
「さっきの話よ。わたしが貴方の相手をしてあげる。」
「俺大丈夫ですから、」
「わたしじゃ……貴方を満足させることは出来ない?」
工藤さんは俺に抱きついてきた。
「そーじゃなくて!俺は絵里が好きだから。
だから、こーゆー事は絵里としかしたくない。」
「……いいじゃない。本当は貴方だって溜まっているんじゃない?わたしもそうよ」
「あの、だから俺……」
「毎晩ある人のことを考えて1人でするの悲しくなってきちゃうわ」
「ある人……?」
「えぇ。ずーっと大好きなある人のことを、ね……」
「……とにかく!俺は絵里としかしたくない!」
そう言って俺は部屋から出て行った。
スペアの鍵もちゃんと持ってきた。
鍵を使って部屋の中に入った。
俺……工藤さん苦手だな。
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しばらくすると絵里が帰ってきた。
「ただいまぁー。」
「おかえり……」
「将哉くん?どうしたの?テンション低くない?」
「え?そうか……?」
「何かあったの?」
「……」
俺は絵里を無言で抱きしめた。
『貴方だって溜まっているんじゃない?』
工藤さんに言われた言葉が頭をよぎる。
「……絵里……」
きょとんとする絵里にキスをする。
「将哉く……ん……?」
絵里が腰を抜かした。でも構わずし続ける。
「将哉くん……どうしたの……?」
「何でもない。ちょっと絵里が居なくてさみしかっただけ」
「うふふ、将哉くん意外に寂しがり屋? 」
「そうかも。」
本当の事……話せるわけない……