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血塗れ悪鬼事件  作者: 斜志野九星
File Group 1 血塗れの悪鬼
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File.8 父親が持ち歩いている物

 休憩時間になったせいか、父親は急に背伸びをした。

 そして、少し歩いてからベンチに腰を下ろした。

「騎士の皆さんもどうぞ」

「いや、でも捜査中は……」

「いいじゃないですか」

 仕事を離れて楽になったのか軽い口調になった父親は、2人の騎士にも座るように促した。

「じゃあ、お言葉に甘えて……」

 騎士テイラーは、父親の押しに負けてベンチに座った。

 その後、画面から父親と騎士テイラーが消えた。

 ビデオカメラ持ちが、ビデオカメラを置いたに違いない。

「いやあ、本当にこんな事件が起きるとはねえ」

 画面には住宅街が映り続けており、父親の声はそのまま録られ続けている。

 スイッチを切り忘れたんだな……

 というか、父親は遂に敬語すらやめている。

 仕事のオンオフはしっかりしていたみたいだ。

「あの~、ケインさん?」

 騎士テイラーも戸惑っている。

「まあまあ。仕事していない時くらい、力を抜きましょうよ」

 だが、父親はそんなことなどお構いなしだ。

 さっきまでの凛々しさは何処へやら……

「はあ……じゃあ、お言葉に甘えて……」

 そして、騎士テイラーはまた父親の言葉に甘えてしまった。

 画面には残念ながら映っていないが、いったいどんな状況になっているのだろうか……

 是非とも見てみたいものだ。

「ところで、最近の騎士団はどんな感じですか?」

「そうですねぇ。軍の穴埋めをしなければならなくなってしまったので大変ですよ。そちらはどうですか?」

「うーん……、警察で手に負えない仕事を軍に任せることができなくなってしまったので、仕事が増えて増えて……」

 2人とも愚痴を始めたぞ。

 ていうか、このビデオテープは編集されているんだよな……

 騎士テイラーは、なんでこの部分を削らなかったんだ?

「ところで、これを見て下さいよ」

「これは……子供の写真……?」

「ええ。うちの息子たちでしてね」

 父親は何を思ったのか、急に俺たちが映っている写真を取り出したようだ。

「かわいいでしょう?」

 は……恥ずかしいぃぃぃぃ……

 何を人に見せているんだ、この親は!

「息子さんがいらっしゃるんですか。今、おいくつで?」

「ええと、上が5歳で下が4歳ですね。大きくなったらお父さんみたいになりたいって言っています」

「良い息子さんたちだ」

 どうも、俺たちが映っている写真を話題に盛り上がっているようだ。

 いったいどんな状況になっているのかとても気になるのだが、残念ながらカメラは明後日の方向を向いている。

「立派に育つと良いですね……」

ズガァァァァァァァァァァァァァン!!!

 突然、爆発音が響き渡った。

 画面の奥の方からは、煙が出ている。

 殺戮者が動き出したんだ……

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