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血塗れ悪鬼事件  作者: 斜志野九星
File Group 1 血塗れの悪鬼
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File.6 長髪の双剣士

「銃声が聞こえて、僕と母さんは頭を伏せました」

 ヴィールは、若干怯えながら言った。

 きっと、凄まじい銃撃だったに違いない。

「でも、不思議なことに父さんはずっと倒れないで、僕を守ってくれました」

 確かに、銃撃を受けながら倒れないのは不思議だ。

 死力を振り絞って、息子を守り抜いたのか……それとも……

「倒れなかった……その時、君は何か感じなかったかな?」

 騎士テイラーは、ヴィールの発言から何かを察したようだ。

 これも先程と同じく確認のうちなんだろう。

「何か……。何処かから何かが溢れてくる感じがしました……」

 要領を得ない回答が返ってきた。

 だが、間違いないな……

 ヴィールの父親は……

「となると、『秘力』を覚醒させたか……」

 俺が思うよりも早く、騎士テイラーが呟いた。

 ヴィールの父親は、『秘力』に覚醒したから、銃撃でやられなかった。

 こう考えるのが一番自然だろう。

「ほう……」

 何故か父親は、騎士テイラーの発言を意外そうに聞いている。

「それからしばらくして銃声は止みました」

 武装集団の奴らも、撃った相手が『秘力』に目覚めるとは思いもしなかったんだろう。

 驚いて、銃撃をやめたに違いない。

「僕は何があったのか気になったので、父さんの向こう側を見ました」

「鉄砲を持った大人たちはどうしていた?」

「それが……」

 だが、そこでヴィールの発言が止まった。

 騎士テイラーは、武装集団がどうしていたかを知りたかっただけのはずだ。

「いつの間にか、剣を2つ持った髪の長い人が立っていました」

「剣を2つ持った?」

 武装集団側にも秘力使いがいたってことか!?

 さっきも思ったが、やっぱりこの事件は相当規模の大きい事件だ……

 騎士が動くのも納得がいく。

「その人は、突然剣を光らせました。咄嗟に父さんが僕を庇ってくれたんですが……」

 何だ?

 いったい、何があったって言うんだ?

「突然、父さんが暴れ出して母さんを殺しました」

 ……は?

 どうして、そうなるんだ?

「……」

 騎士テイラーも混乱しているのか、眉間に皺を寄せたまま固まっている。

 どうして、ヴィールの父親が暴れ出すのかが全く分からない。

 殺されたのならともかく、何故ヴィールの父親が殺す側に変わるんだ?

「その後、父さんは暴れながら家から出ていきました」

 ヴィールは、運良くヴィールの父親に殺されなかったから生きているのか……

 そして、それでヴィールの父親は殺戮者になってしまった……

 訳が分からないことが多すぎるが、とりあえず殺戮者が何故現れたのかだけは分かった。

「そ……その時、父さんは何て言っていたか、覚えている?」

 騎士テイラーが顎に手を当てながら言った。

「え、えーと……『殺される! 殺さなきゃ殺される!』……」

 殺さなきゃ殺される?

 発狂でもしたのか?

「殺さなきゃ殺される、……」

 騎士テイラーはヴィールの発言を復唱しながら、また顎に手を当てた。

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