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第6話 ~ 魔法剣士 ~

 翌日、俺はプレートを確認すると、驚きの声をあげた。


「おおおお!」


 まさか......まさか!

 職業がついてる!


 名前 : 佐藤猛

 レベル 2

 職業 : 見習い魔法剣士


 筋力:190

 耐性:140

 敏捷:140

 魔力:240

 魔耐:140


 称号 : 異世界者、強さを求める者

 スキル : 言語理解、覚醒の卵、剣術 2、魔闘術 1



「よっしゃあああぁぁぁ!」


 俺は拳を高くあげた。


「あ、あの.......」


「なぁ?!」


 振り替えると、ドアのところにメイドさんが立っていた。


「い、いや、あの.......」


 なんとか取り繕うとするが、


「朝食の準備ができていますので、支度ができしだい来てください。」


「あ、はい.......」


 メイドさんは冷静でした。





 朝食後、いつも通りに訓練場へ移動した。

 俺はまず、アールさんに職業のことについて聞いてみた。


「おお!ついに職業がついたか!よく頑張ったな。」


 アールさんが俺の肩を叩きながら笑顔を向ける。

 指導者のアールさんは俺が苦労しているのを知っていたのだろう。とても嬉しそうだ。


「ところでなんの職業だ?」


「えっと......見習い魔法剣士です。」


 俺はプレートを確認しながら話す。


「なに?魔法剣士だと?」


「え?そうですが......」


 アールさんは驚きの表情をうかべている。


「いいか?魔法剣士とはとても珍しい職業なのだ。」


「そうなんですか?」


 ファンタジー世界だから多くいそうだけどな......


 アールさん曰く、魔法剣士という職業はなるにはかなり難しく、この世界には剣術と魔法を両立させる事ができる人は少ないらしい。

 それに魔法剣士になるためには絶対条件として、魔力を纏うという事ができないとなれないのだ。

 魔力を纏うことは難しいとアイリさんが言っていたな。

 それに伴っての剣術スキルも必要なので、両立させるのは難しいとの事なのだ。


 あれ?俺って凄い?


 などと思っていたのだが、見習いが付いているため調子にのらない様にしよう。


「なるほど........」


 アールさんの話を聞いて、納得の表情をうかべる。


「まぁ、勇者である光輝は魔法剣士と同じことができるからお前も勇者と同じくらい珍しいぞ。」


 な、なんと!

 勇者も同じことができるのか......

 さすがは勇者様。


 だがまぁ、何度も言うが俺は"見習い"である。

 まだ使いこなしてないという事だ。



 アールさんと話した後、訓練場の隅の方で魔闘術の練習をしていた。

 ちなみに魔闘術とは、魔力を纏わせ身体能力を上げて戦うスキルでこれも魔法剣士としての条件だ。


 俺はまず腕に魔力を纏わせ、剣を振る。

 今振っている剣は木剣ではなく、訓練用に重くされ、刃引きされた剣だ。

 いつもならこれを振っているとすぐに疲れてしまうのだが、魔闘術を発動させるといつまでも降っていられる感じだ。


 100回ぐらい振っていると、急に体が重くなり剣を持てなくなった。


「くっ!」


 俺はその場に膝をつき、剣を床に置く。

 おそらく魔力が切れた。

 魔闘術を発動させると、少しずつ魔力が削られていくらしく、今の俺の魔力総量ではもって3分が限界だ。


 ウル○ラマンか!

 などと自分に突っ込みをいれて虚しくなる。


 気をとり直して、魔力が回復してから訓練の続きをした。

 そういえば足に魔力を纏わせたらどうなるんだ?


 そう思い足に魔力を纏わせていく。

 魔闘術スキルを習得してから、魔力を纏わせるのが簡単になった。


 魔力を纏わせたのを確認したら、思いっきりダッシュしてみた。

 すると、訓練場の地面は割れ、視界が一気に霞んでいく。


「おわっ!」


 あまりの速さに驚き、止まろうとしたが感覚が着いていけず、盛大に転けた。

 しかも転けたせいで所々怪我した。


「あはははは!なんだあれ!」


「マジかよ!ウケる!」


 訓練場にいた奴らに見られてあちらこちらに笑い声が上がる。


「くそっ!」


 俺は恥ずかしながら何とか耐えて、状況を確認する。

 踏み出した所は割れていた。

 一歩で5メートルか.......

 しかも1秒かかってないよな。


 これは魔闘術を極めればかなり強いんじゃない?


 と思いながら訓練場を後にする。

 いや、恥ずかしかったからじゃないよ?

 断じて.....



 昼食後、アールさんから声がかけられ皆が訓練場にいた。


「皆集まったな。それではこれから皆には次の段階に移ってもらう。それは冒険者ギルドに登録してもらい冒険者として活動してもらう。」


「おお!ついにきたか!」


「やった!これで城から出られる!」


 等々の声があがる。


「ただし、冒険者ギルドに登録した後は5人1組でパーティを組んでもらう。パーティは皆の好きに組むといい。」


 こうしてパーティを組むことになったのだが、戦闘組には現在21人いるから俺の予想だと........


「よし、これでパーティはできたな。ん?一人余っているが?」


 皆はパーティを組み、それぞれ訓練場にかたまっている。

 そこに俺だけポツンと一人......


 はい!だと思いました!

 まぁソロの方が活動しやすいしー。

 別にいじけてないしー。


「うーん、どうしたものか?」


 アールさんは何か打開策を探している様なので、


「アールさん、自分は一人でも大丈夫ですよ。というか一人の方が気楽でいいですしね。」


 と、俺から打開策を提案した。


「うむ、しかしな.....単独は他より危険があるぞ?」


「大丈夫ですよ。この中で一番弱くてもこの世界の人よりはある程度強いんですから。」


「確かにそうだが......わかった。仕方ないか。」


 こうして俺はソロで冒険者をすることになった。


「私の知り合いの冒険者達と行動してもらう。」


 はあ?

 あれ?この話の流れって俺がソロで冒険者やるって流れだよね?

 それがなぜこんなことに?

 ま、まぁソロよりは安全性があるからいいだろう.........



「今日の訓練はここまでだ。明日は朝から冒険者ギルドで登録してもらい、その後はギルドで初心者講習を受けてもらうぞ。かなり厳しいから今のうちに休んどけ。」


 マジですか........


 こうして俺はソロではなく、他の冒険者達と行動することになった。




 その夜に俺はいつも通りに外の訓練場へ行き、剣を振る。

 今度は魔闘術に慣れるために発動させながら剣を降ったり、走ったりを繰り返した。


 魔力が切れたところで休憩していると、


「君って凄いね。」


 後ろから突然声をかけられた。


「えっと、あなたは?」


「私は、サルーレ王国騎士団第3部隊のグレン・マットンだ。」


 グレンと名乗った青年は、金髪に碧眼、しかも顔はかなりのイケメンだ。立ち振舞いからおそらく貴族だと思う。


「初めまして。俺はタケル・サトウです。」


 お互いに握手してからグレンは俺の隣に座った。


「君がここで鍛練をしているのを度々見かけてね。声をかけてみようとおもったんだ。」


「そうなんですか。あ、タケルでいいですよ。」


「そうか、タケルはあの召喚された人たちだろう?」


「ええ、そうですよ。」


「なら僕と一試合してみないか?」


「え?!なんでですか?」


「一度タケル達の誰かと戦いたかったんだ。」


 もしかしてこの人って戦闘狂なんじゃ.......


「いいですけど、俺は一番弱い方ですよ。それでもよければ。」


「ははは、謙遜することはないさ。」


 別に謙遜してるわけじゃ......


「そういえば、先程の凄いとは何の事です?」


「ああ、それは君はさっき魔力を纏っていたろ?その事に凄いね、と言ったのさ。」


 な?!......マジかよ、この人魔闘技使ってたのわかったのか?


「なぜそれを?」


「うーん.....そうだなー。答えてもいいけど、それは勝負してみてからってのはどうだい?」


「.........わかりました。」


「よかったよ。それじゃあルールは簡単だよ。どちらかが気絶するか、敗けを認めるかだ。あと、剣は今君が使っている刃引きされた訓練用の剣を使用する。でいいかな?」


「はい。大丈夫です。」



 こうして初めて騎士長以外の人と戦うことになった。





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