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第3話 ~ 勇者の力と模擬戦 ~

 翌朝


 俺は起きると着替えが用意されていた。

 それに着替える。


 服装は白いワイシャツに茶色のズボン、何かの皮でできたベストだ。

 どれも装飾されていて、一見どこかの貴族みたいだった。


 朝食をとった後、昨日と同じ流れで訓練場へ移動する。

 今回から各々で集まり、試合をしたり、アールさんに戦闘について教えてもらっていた。


 ちなみに俺は早くも一人だ......

 マジかよ.....まぁ俺みたいな地味でなんの取り柄もない奴とは組みたくないよな。


 まあ、前の世界でも一人でいる時の方が多かったからいいか。


 一人で隅の方で素振りをしていると、


「おはよー、猛君。」


 成宮光輝に声をかけられた。


「おはよ、光輝。」


「これから俺たちで模擬戦をやるんだが、君も交ざらないか?」


 光輝の後ろにはぞろぞろと10人ぐらいの男女がいる。


「ああ、いいよ......」


 何か嫌な予感がするが、これも自分の経験のためだと思い参加する。


 訓練場の中央で他の騎士の人との立合のもと、皆で模擬戦をすることになった。



 結果から言うと........



 俺は惨敗だった。


 まず初めに光輝と試合をしたのだが、ステータスに差がありすぎて手も足も出なかった。

 光輝に関してはクラスの誰よりもステータスが高いらしく負けても仕方がないだろう。


 ちなみに光輝のステータスは、


 名前 : 成宮光輝

 レベル : 1

 職業 : 勇者


 筋力:300

 耐性:260

 敏捷:210

 魔力:230

 魔耐:200


 称号 : 異世界者、光神の加護

 スキル : 言語理解、剣術 2、盾術 1、光魔法 1



 と、なっている。

 さすが勇者だ。俺の倍はある。


 その後も皆と試合をしたが、すべて負けてしまった。

 女子にも負けたのはかなり悔しかった。


 やはり、戦闘系のスキルを持ってないのはかなり厳しいらしい。


「まぁ気を落とすな。努力すれば強くなれるさ。」


 と光輝に肩を叩かれ励まされた。


 なんかウザかった。



「どうしてですか!」


 突然、訓練場に声が響き渡った。

 担任の吉木涼香(よしきすずか)先生だ。


「あれほど言ったのにどうしてですか!」


 様子を見に行くと、どうやら吉木先生は騎士長のアールさんと言い争っている様だ。


「しかし、この世界を救ってもらうには皆さんの力が必要で。」


「と言うことは生徒たちに戦争をしろって事ですよね?私はそれに反対したはずです。担任の私が生徒たちを戦わせるわけにはいきません!」


「しかし.....それでは。」


 と何やら話が堂々巡りしてきたところに、


「落ち着いてください吉木先生。」


「光輝君......」


「とりあえず事情を聞かせてください。」


 先生曰く、生徒たちを戦争の道具にしようとする事に先生として見過ごせるわけはなく、初日にアールさんに抗議したところその抗議は通らなかったため今日もアールさんに抗議していたらしい。


 さすが、学校で人気のある、生徒思いの強い吉木先生だ。


「事情はわかりました。先生にも一理ありますね。」


「な、それでは我々が.....」


「待ってください。確かに先生にも一理ありますが、この世界を救いたいといのは本当です。なので皆に希望をとって、参加したい人だけやりましょう。その他はこの城で保護してもらいましょう。どうです?」


「うーむ、わかった。国王様に話してみる。光輝と先生は私に着いてきてくれ。」


 と、言いアールさんと光輝、先生は訓練場から出ていった。

 なんかこっちの異世界に来てから日が浅いのに、もう光輝中心に話が進んでる気がするな.......

 これも勇者の力か?



 昼食後、結果が報告された。


 色々と揉めたみたいだが結局、光輝の案が通り、皆に参加の希望がとられた。

 参加する人数は21人となり、残りの10人は城で保護してもらう事になった。

 ちなみに俺は参加組に入っている。


 その後は昨日と同じ授業があり、日が暮れてきた頃には各自、部屋へ移動した。


 俺はいつも通りに中庭へ行き、木剣で素振りを行った。


 その日も猫耳メイドのアイリさんが来てくれたので、昨日のお礼とタオルを返した。


「あ、こんばんはアイリさん。これ昨日のです。ありがとうございました。」


「い、いえ、いいんですよ。それにこれから毎晩鍛練をおやりになるのなら、持っていてください。」


「え?いいんですか?ありがとうございます。」


 ありがたく貰うことにした。


 この日は色々と話した。訓練場で惨敗した事や、戦争の参加組に入ったこと等だ。


「あ、そろそろ私は行かなくては。」


「おっと、すいません長々と話をしてしまって。」


「いえ、いいんですよ。タケル様の事、色々聞けて楽しかったですから。」


「え?それって.......」


「え?いや、その、あ、私、もう行きますね。そ、それでは。」


 アイリさんは顔を赤くしながら慌てて走り去ってしまった。


 この反応......

 まさかのまさか?

 いや、こんな俺にその様な事があるわけないだろう。

 たぶん.......

 いや、たがしかしあの反応を見てしまうと......


 ああ!もう悩むの止めた!

 とりあえず強くなくては話しにならん!


 その後も素振りを500回行い、部屋へ帰った。


 今回は数を多くしてみました。






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