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第22話 ~ 迷宮前夜 ~

 これから知恵の迷宮に向かう。

 王都から南に位置しており、馬で約3日かかるらしい。


 だが、問題が起きた。


 馬に乗れん!!!


 生まれてこのかた一度も馬に乗った事がない。そりゃそうだ。日本人の大抵の人は馬と接する事がほとんどない。

 その為、馬に触れるのでさえ初めてだった。


 乗馬の練習を兼ねて進んだので、迷宮に一番近い村まで1週間かかってしまった。

 予定より遥かに遅れている。


 だって仕方がないじゃないか!

 馬に乗るのって意外と難しいんだぞ!


 何とか辛うじて乗れる、というところまで上達したときには村に着いていた。

 ちなみにこの村は迷宮の近くに拠点を置く目的のために開拓された村だ。


 名前は"知恵の村"


 まんまだ........


 知恵の迷宮はここから半日もかからないで着く所にある。

 村に着いた時には夕暮れだったため、今日はここに寝泊まりする。

 村の規模はそんなに大きくない。人口は約50人ぐらいだろう。

 村には宿が多くある。知恵の迷宮で成り立っている村なので、冒険者がよく立ち寄る。そのため宿が多く建っているのだ。

 そして俺たちは現在は村にある宿に泊まっている。


 部屋割りはもちろん男女別だ。

 個室にするには金がかかるため、3人部屋と2人部屋になった。

 そして食堂も兼務しているため、そこで食事をする。

 といってもほとんど親交を深めるためと飲み会だ。


「ガハハハ!」


 と誰かが豪快な笑い声や、ガヤガヤと騒いでいる人がいる。

 俺たちは隅のテーブルに座って、酒を飲んでいた。

 初めて酒を飲んだが、思ってたよりも飲みやすくまるでジュースだ。


 未成年だが、この世界にはそんな法律は存在しない。

 そのため俺でも酒を飲めるのだ。


「タケルの住んでいた世界はどんな世界なんだ?」


 バリィさんの馬鹿な話を聞いたあと、おもむろに姫様がそんなことを聞いてきた。


「俺の住んでいた世界ですか?」


「ああ、色々と話では聞いているのだが、やはり本人に聞いたほうが信憑性があるだろう?」


「ちなみにどんな話を聞いたのですか?」


「そうだな、太陽から魔力を得る魔法具があるとか、馬がいらない鉄の馬車とか、そんな事を聞いたな。」


「........うーむ、だいたい合ってますね。」


 俺は皆に地球の事を話した。日本限定だがな。


「まず、俺たちがいた世界には魔力が存在しない。あるのは"科学"という知識や技術。そして力だ。」


「..........カガク?」


「ええ、その科学のおかげで俺たちの生活は裕福になった。だが、その分弊害が起きた。その弊害は環境汚染。人は私利私欲のために世界を汚して、消費してきた。そのため神様は人を見捨てたのかもしれないな。」


「そうか........どこの世界も似たようなものなのだな。」


 姫様はそう言って少し落ち込んでしまった。


 む、これはいけないな。


「まぁ、暗い話はここまでにして、俺の世界の面白い話をしましょう。」


「おお!そうか!」


 姫様はパァっと明るくなった。


 その後は自動でご飯が炊ける道具や、お金を入れると飲み物が出てくる道具など、この世界の住人が知らないような事を話していった。



 気がつくと、けっこうな時間がたっており、ミリアムさんが酔いつぶれたので各自の部屋に戻ることになった。


 俺もかなり飲んだと思うのだが、酔いつぶれるほどではない。

 元々アルコールに強いのか?

 それともアルコールが弱いのか?


 まぁ今は気にしなくていいか........


 とりあえず部屋に戻った。


 部屋に戻ると、


「で?タケルは姫様の事をどう思ってるんだ?」


 と、いきなりシームさんが聞いてきた。


「はい?いきなりなんです?」


「お前だって気づいてるんだろ?姫様が何故かお前に好意を抱いているって。」


「うっ........な、何の事でしょう?」


「惚けんじゃねぇ!とりあえずそこに座れ。」


「..........はい。」


 俺はシームさんに言われた通りに椅子に座った。


「で、気づいてるんだろ?」


「.........はい」


 姫様が俺に好意を抱いている事はうすうす気づいていた。

 というか、わかりやすいだろ!

 街に行くときも、訓練に行くときも着いてくるし、やたらと話しかけてくるし........

 これでわからないほど馬鹿ではない。


「そうか......何故かわかるか?」


「.........いえ。」


「本当だろうな?」


「本当ですよ!逆に聞きたいぐらいですよ。」


「俺もわからん......姫様はたまに気まぐれなとこがあるからな。」


「まぁ、それが姫様ですから。」


「バリィさん.......」


「と言うことで、飲みましょう!」


「なぜこのタイミングで?!」


「本当は酔わせて洗いざらい吐いてもらおうという魂胆です。」


「...............」




 その後はかなり飲まされ、いろいろ喋った。


 主にシームさんが..........



 まぁ、こんな夜もいいか。







年末になると忙しくなってしまいだいぶ遅くなりました。

申し訳ありません。


次は年明けになりそうですm(__)m

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