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第17話 ~ 3日後 ~

 あれから3日間..........

 かなり暇な時間が多かった。

 と言っても全てが悪いことではない。


 自室で療養していたため、動くことも辛かった筋肉痛と怪我は完璧に治った。

 それに体に少し筋肉がついたため、体ががっちりしてきた。

 筋肉痛はおそらく、体を限界以上に酷使したために起きたのだろう。


 そして!何よりも嬉しかったのは!


 アイリさんが、専属メイドになったのだ!!


 何でも、俺がセブンス・エフェクトかもしれないものを発動したため、一目おかれる様になっていたのだ。

 そのため専属のメイドをおき、世話をさせることになった。

 そこで選ばれたのは、メイドの中で親しくしていたアイリさんが選ばれたのだ。


 これはかなり嬉しかったよ!

 もうテンションMAXでよからぬ妄想をしてしまったぐらいだよ!

 と言ってもそんな事にはならなかったけどね.........


 専属メイドになったアイリさんは、献身的に俺の世話をしつくれたよ。

 俺が暇だったから部屋で木剣で素振りをしていたら、そこにアイリさんが入ってきて、


「何をやっているのですか!タケル様!寝てなくてはダメでしょう!」


 と言って、木剣を取り上げてベッドに寝かされてしまった。

 しかも30分の説教つきで........


 過保護過ぎでは?と思ったが、まぁそのおかげで体の治りが早かったかも、とだけ言っておこう。



 良いことと言えば、スキルが増えた!

 あと、ステータスも上がった!


 "生魔変換"というスキルは、生命力を魔力に、魔力を生命力に変換できるスキルとのこと。

 あの黒龍王バルバディアと戦ったとき、最後に発動したスキルがこれだ。

 魔闘術に使う魔力が無かったため、生命力を魔力に変換して使った。

 その際に体の怪我が増えたのは生命力が無くなっていったからだろう。


 このスキルは使い時を考えなくてはならないな.......


 そして、ステータスが上がった事についてだが、これは予想だが、覚醒の玉子(ひび割れ)が関係していると思う。

 何故かは、他にステータスアップとなった要因がどこにも無いからだ。

 レベルも上がってなければ、スキルレベルも上がってない。

 新しく覚えた"生魔変換"はこんなに上がるとは思えないし、鍛えて上がったのも考えたがこんなに短時間で上がるとも思えない。

 なので、おそらくこのスキルが関係していると思う。



 そして、重要なのはこのスキルを鑑定してもらったら、


『このスキルは????が????に加護を????もので、所有者は?????の?????な運命に?????。』


 と出た。

 正直、?が多すぎて訳がわからない.......


 鑑定してもらった人によれば、このスキルは"進化"したとのこと。

 希にスキルも進化して上位スキルになる事があるらしく、そのせいでスキル名が変わったのだろう、と言っていた。


 そんな事もあるのか........


 と思った。




 良いこともあれば悪いこともある。

 悪いことは、クラスメートのことだ。


 この3日間、クラスメートの情報をアイリさんに教えてもらったが.......

 なんと!勇者のレベルが30になったそうだ。


 マジかよ........30とか早くね?!


 なとどと思っていたが、他のみんなも平均で20ぐらいはあるそうだ。


 となると俺だけ1桁........


 この事を聞いた俺はかなり落ち込んで、ベッドにふて寝した。


 他にもアイリさんにはいろいろな情報をくれた。


 俺の事がかなり噂され、『伝説の英雄がいるのか?!』等と騒がれているらしい。

 騎士団による情報規制で、誰かまではわからなかったらしいが、クラスメートには知れわたっているみたいだ。


 そのせいか、食堂に行くと、何やらこちらを見ながらヒソヒソと話していた。

 さらに孤立感が増した気がする.........


 勇者の成宮光輝はおろか、前に絡んできた鈴木庄平が話しかけてこなくなったのは良かったかも。



 そして、勇者様を筆頭に5人パーティで近々隣の国へ遠征するみたいだ。


 隣の国は、この国の東側に位置しており、シルバルク王国という名だ。

 同じ人間族が統治している国だが、ここよりも他国との交流が盛んで、別名"貿易国"と言われるぐらい商業が発展している。

 種族も様々な人達がおり、それぞれの国の特産物が売っているらしい。


 俺も行きたい!


 と思ったが、レベル4の俺に行かせてもらえるわけはなく、この国で待機とのこと。


 まぁ今は仕方ない........


 ちなみに勇者パーティだがこうなっている。




 勇者 : 成宮光輝(ナリミヤ コウキ 17才 男性)


 剣士 : 草薙来栖(クサナギ クルス 17才 男性)


 狩人 : 佐山千夏(サヤマ チカ 17才 女性)


 魔術士 : 北条院麗佳(ホウジョウイン レイカ 17才 女性)


 回復士 : 高橋由衣(タカハシ ユイ 17才 女性)



 となっている。


 このパーティは成宮光輝の人選と、持っているスキルを考慮して選ばれたみたいだ。

 レベル平均は28とのこと。


 どのようなスキルを持っているかは情報がないためよくわからない。

 詳しい紹介はまたのちほど..........

 それに今は勇者パーティを気にしている場合ではない。


 そう!俺は今、城下町にいるのだ!


 3日間が経って、ようやく城から出られた。

 冒険者ギルドに用があったのと、ついでに王都観光をするため城下町を歩いている。


 もちろん1人だ。

 まぁ別にいいけどね........


 王都の町並みは簡単に言ってしまえば西洋風だ。

 レンガ造りだったり、木造だったり、大きさも形も様々な建物が並んでいる。

 道路は石造りで少しガタガタしているが、特に問題はないだろう。


 王都は4つの区画に分かれている。

 貴族区、居住区、貧困区、商業区、となっていて俺が今いるのが、商業区だ。


 区画の大きさは貴族区が1番大きく、次に商業区、居住区、貧困区の順番になっている。

 王城は貴族区に位置している。


 俺が向かっている冒険者ギルドは商業区にある。

 商業区は文字通り、商人達がいるところで色々な店がある。


 歩いていると、冒険者ギルドが見えてきた。

 スキル"言語理解"のおかげで、文字も読める。

 看板に『冒険者ギルド』と書かれている。


 まんまだ.........


 初めて入る。

 中はまぁ、予想通りだ。


 左側に受付カウンターがあり、右にはテーブルと椅子が幾つか並んでいる。

 そして、厳つい男が数人テーブルの方にいて、酒を飲んでいる。


 よくある構図だな。


 俺はとりあえず左側のカウンターに行き、用事を済ませた。


「すみません。タケル・サトウと言いますが。」


「こんにちは。サトウ様ですね。どういったご用件でしょうか?」


 俺が話しかけたのは、綺麗なお姉さんだった。

 髪は茶色でショートだ。そして眼鏡をかけており、パッと見、秘書だな、と思った。



「えーと、シルバ・ガルドックさんはおりますか?」


「ギルド長ですか?少々お待ちを。」


 と言って奥に行ってしまった。


 少し待つと、戻ってきて、


「すみません。今、ギルド長は手が離せない状況でして.......代わりにこちらを預かってます。」


 と言って渡してきたのは、手紙と青のギルドカードだ。

 中を見ると、


『あんたには青のギルドカードを渡しておくよ。あんたは他の奴らよりも遅れてるし、レベルも低い。なのでしばらくは、簡単なクエストをやってレベル上げな。それとソロじゃなく、パーティで行動すること。』


 と書いてあった。


 なんとまぁ、これからどうしましょう?


 これからどうするか考えていると、


「あのー、ギルドカードはこちらで更新できますがしますか?」


「へ?」


 お姉さんに白と青のギルドカードを渡すと、何やら合わせ始めた。

 すると、ギルドカードが1つになったではないか!


 いったいどういう仕組み?

 てか何の意味?


「えーっと、クエストを達成しておりましたので、報酬を払います。」


「え?」


 カウンターに銀貨5枚が置かれた。


「えっと、どうして達成していたのがわかったんですか?」


「ギルドカードには討伐したモンスターの数がわかるようになってるんです。」


「へぇー、そうなんですか。」


 なんて便利な機能なんだ。

 てっきりレイチェルさん辺りが報告してくれるのかと......


 青のギルドカードと銀貨5枚を受け取って依頼書が貼っている掲示板の前にいった。

 ちなみに一般的な目安として銀貨1~2枚あれば1日すごせるとのこと。


 掲示板を見ると、いろいろな依頼書が貼ってあった。

 討伐依頼や採取依頼、その他雑用等々だ。

 基本的に自分のランクより上の依頼は受けられないと決まっている。

 なので俺は青より下だ。

 青ランクの依頼を見ると、討伐依頼ではレッドウルフ・ニードルラビット・マッスルボア・ブルーバードがあった。


 聞いたことのないモンスターの名前があったが、とりあえず採取依頼を見てみる。


 採取依頼は、薬草・毒草・鉱石の3種類の採取依頼があった。

 さらに細かく分かれており、いろいろな名前の採取依頼がある。


 どちらかというと、討伐依頼より採取依頼の方が多めだ。


 そして俺が受けるのは、ニードルラビットの討伐依頼だ。

 レッドウルフも考えたが、さすがにもう懲り懲りだ。


「すいません。これをお願いします。」


 討伐依頼書を先ほどのお姉さんに渡した。


「ニードルラビットの討伐依頼ですね。角を剥ぎ取ってきましたら、追加報酬がありますので。」


「わかりました。」


 手続きが終わったら、ギルドを出た。


 テンプレでよくある絡まれるのはなかったな。


 などと思いながら街中を歩いた。

 門に到着すると、兵士さんに挨拶をして外に出た。


 さてと..........狩りに行きますか。


 ニードルラビットを選んだのには訳がある。

 それはステータス上昇の具合を見るためだ。


 まぁ、手始めの小手調べといった感じだ。


 門を出て草原を歩いた。

 草原の一部は剥げており、いくつものクレーターが出来ていた。


 あそこがあの時戦った場所か.......


 ドラゴンとの戦いを振り返りながら草原を歩いた。





 ドラゴンが来ても対処できるぐらい強くなりたいな.....







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