閑話休題 ☆悶々とした夜☆
ね、眠れん……。
数日間、某お姫様と野宿をしていたが、背中に感触の残る胸が、僕を寝かせなかった。
昨日までとは違うのよ! という感覚である。
そして目の前ですやすやと寝ているのは、乳無しコロネだ。
昨日までとは違うのだ!
僕は、俺っ娘『コロネ』を女とは認識しなくなった!
やはり、僕はノーマルだったのだー!
という、心の叫びは置いておいて……。
思春期は悶々とするので、いったん外へ出ることにした。
壁にかかっている鍵で施錠してから、ぶらぶらと夜風に当たった。
静まれ……僕の熱よ……。と唱えながら歩いた。
さすが貧民街とお墨付き貰っているだけあり、ごろつきが多かった。
おっさんばかりなので悶々がおさまりかけた――その時!
「あーら、可愛いボーヤ。パフパフはいかが? ちょっと値がはるけどね?」
ぼん、きゅっ、ぼんのおねえさんが話しかけてきた。
ぱぱぱぱぱぱぱ、パフパフ!?
すげー、どっかで聞いた事のある言葉だ。
……しかし……ぱふぱふとは何だ? 凄いいやらしい言葉に聞こえる。いやいや、どう考えてもアレをパフパフ……どこに? どこにパフパフするのだ? いや、まて、こうやって道で客引きをするのは決まってボッタクリと決まっている。条例で決まっているんだ。いやいや、それでも、まずパフパフとは何なのだ!
「パフパフって、ななな何ですか?」
「あら、そんなのも知らないの? 初心ねえ……」お姉さんは耳元で唇を寄せて、「お金を払ってくれたら……おしえて、あ、げ、る」
答えてくれない! 答えていないよ! くそー、ぼっただ。絶対ぼっただ!
「お、教えてください。そうしないと、夜も眠れません」
「どうしよっかなー。うーん、だ、め。お金払ったら、体に教えてあげるわ」
「払います」
僕は負けた。
おねえさんに手を引かれて家に入り、個室に案内された。
ドキドキ……ドキドキ。
「じゃあ、代わりますねー」
「……Why!?」
代わりに、大きい大きい背の、筋肉が盛り上がった男が入ってきた。
「おー、しゃちょっさーん? いまからパフパフはじめるよー」
「ひー! おたすけー! もうわるいことしませんからー!」
「ここははじめて? だいじょうぶ、さいしょはだれだってあるかねー!」
「いやだー! いやだー!」
僕は男にベッドにうつ伏せにされて、跨れた。
「いたいのはさいしょだけだからねー!」
僕は諦めた。魔女、ジニー……僕は越境します……。
痺れるような感覚が走り、快感が全身に広がった。
「おーけー!」
男は背中に指を当てて、全身をマッサージしていた。
「しゃちょっさん! すごいこっているよ! やりがいがあるね!」
「どうでしたー? パフパフは分かりました?」
僕は魔法をかけたように回復すると、扉からおねえさんがはいってきた。
「……はい、わかりました」
全身は爽快だが、僕の求めていたものと違っていた。
「では、お帰りでーす」
おねえさんは僕の手を握り外へと出た。
「じゃあ、またね。ぼーや!」
おねえさんは手を振った。
僕はもう帰ろうと思って、道を思い出すように周囲を見渡した。
僕はある人と目が合った。
窓が開いており、ジニーが僕を軽蔑したような目で見ていた。
「ご、ごかい……」
いや、たしかに僕はそういう気持ちでついていったけど、未遂なんだー!
「さいてー……」
その夜、僕は部屋の中に入れてもらえなかった。
外伝 完




