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閑話休題 ☆愉快な魔王様☆

「どびゅっしー!」


 年齢偽装魔女との対決で同じように吹き飛んだ魔王は叫び声をあげて、大陸の南の海に落ちた。


 流石は魔王と言ったところで、魔女よりは飛距離は無かった。


 魔王は一日がかりで海をクロールで渡り、走ってゴレム城へと戻った。魔王はトライアスロンでも恐ろしい実力を発揮するのだ。


 復帰後、第一の部下が不幸にも首にされていると知り、むせび泣き、今後の対策を考えた。


 まず最初に、空の彼方へ吹っ飛んで行った魔女が再びフェードインするとすこぶる邪魔なので、反魂の魔法で復活させた魔王軍の将軍と軍師を派遣することにした。


「一番厄介な女には、俺の次に強い二人を派遣するのだ。ふっはっはっは」


 問題なのは、頭の中まで錆びていそうなガキ騎士と、褐色娘だ。クソがつくほど年齢偽装をしている魔女に対して最高戦力を使ったら、あとはろくなやつがいねーのだ。


「というわけで、お前が行ってこい! 魔剣士のくせに弦楽器をかきならし、ロックバンドを組めばもてると勘違いしているシグルズよ!」


「いや、これハープですから」


「行くのだ。魔王軍のベストベーシスト!」


「復活したばっかりだと言うのに、本当に魔王軍は究極のブラック企業だよ」


 そして、シグルズは左腕を失って戻ってきた。


「まおうたまー! 左腕が吹き飛びました!」


「くぅらー! スプラッターなことしてんじゃねぇぞ! 読んでいる人がドン引いたらどうするんだ!」


「うう……反魂の魔法が不完全だったみたいです」


「本当だったら完全に復活するまで時間がかかるからな。お前数日前に復活したばっかだしよー。つかえねーな! 魔剣士は! 負けんしって言うくらいだから勝つかと思ったのによー。あんなガキに負けたなら、時給八十パーセントカットな」


「魔王様。滑っております(というかいつの間に時給制に変わったんだ? 復活前まで月給だったのに)」


 ポカッ、魔王はシグルズを殴った。


「うるせえ!……仕方ねーな……俺と同じくらいに復活しているのは、将軍と軍師ぐらいしかいねーんだよなー。……こうなったら人海戦術で行くか?」


「と言うと?」


「おめーみたいに、半端に復活中のやつがいっぱいいるからそれを投入してやるのよ。ほとんど雑魚化しているから、死ぬだろうけど、それが魔王軍クオリティー」


(……退職届認めてくれるのかなー……)


「おめーもとっとと行けよ!」


「は?」


「まだ右腕があるだろうが! はよ、行け! 左腕が無いなら、右腕で闘えばいいじゃない」


「うう……最悪だ」


「魔王が優しかったら魔王じゃねーんだよ!」



 外伝 完

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