閑話休題 ☆いったい、どっちなの☆
次の日の朝。
「なんだ。クー」
コロネは俺に懐いていない、ジニーに対しては飼い犬のように懐いているのに、俺に対しての態度が悪かった。それに誰もが呼ばなかったクーという名前で呼んでくる。
「……本当に男?」
「俺は男だ! 何をそんなに疑っているんだ!」
胸は無い。だがそれは子どもの時なら女も同じだ。それと思い出したが、基本的に獣人は胸が大きい女性が少ないのを思い出した。犬の雌を見ての通り、人間ほど胸が発達していないので、人間よりも小さくなると魔女が教えてくれた。
ならば判別する方法は一つしかなかった。
ついているか。
ついていないか。
「朝一発目の立ち小便を一緒にやらないか」
コロネは目を細めて、
「さっき、すませた」
くそっくそっ……。
僕は樹に向けて、放尿していると、後ろから気配がした。
「ほほー……」
コロネに観察されていた。
「ほほー……」
感想は無いようだ。
うう、はずかしめられた。
「おい、コロネ」
「なんだ、クー」
「お前、男なんだろ」
「俺は男だよ」
完全に呆れていたが、僕は諦めない。
「だったら、胸を揉んでもいいだろ」
「クーって、こっちなの」
顎の横で手を添えた。
「ちがう! ただ、お前の胸が揉みたい」
食器が落ちる音がした。
ジニーが皿を落として、割っていた。
表情がわなわなと震えている。
「ごめんなさい! 私は邪魔よね!」
ジニーに何とか追いつき、説明をした。
「……そこまで気になる事じゃあないと思うけど」
ジニーが僕の説明に疑問を抱いていた。
「違うんだよ。僕は思春期だから分かるんだ……コロネは女だと!」
「はー……」
ジニーが呆れた。
「よく考えてみて、これで僕がコロネを女だと判別しているのに、もしかしたらコロネは男かも知れないんだよ。僕は本当にあっち側の人間になっちゃうかもしれないんだよー!」
僕の魂の叫びをジニーは適当に聞いていた。
「いいもん! 僕は絶対に確かめてやるー!」
「もがもがもが(な、なにを……)」
僕はコロネを布で縛って、猿轡にして転がした。
「そのボロ衣を……はぎとってくれるわぁ……一気に」
「もがもがもが(や、やめろ……!)」
ズボンに手をかけて、僕はゆっくりと降ろし――スパン!
「大丈夫だった。コロネちゃん」
「ジニーおねえちゃん! 怖かったよー!」
僕の全身はフライパンで凸凹にされた。
外伝 完