密閉空間の恐怖、その1
本日の学校は先生達の都合により午前中で終了。部活も何もしていない俺は特に残る理由もなかったので慶次と共にそのまま下校した。家に到着し、家に帰ってきた後の恒例を色々済ませて自室に閉じ込もって今日は何もせずにダラダラ過ごそうと思い、俺は少し早めの昼寝をようとした。
だが、その前に俺の部屋に突如訪問して来た人がいた。優助兄である。どうやら優助兄も大学の抗議が早めに終わったらしく、丁度いいから買い物にでも行かないかと誘いに来たのである。たまにはそういうのんびりした日もいいか、というかたまにはのんびりさせろや、ということで俺は優助兄の買い物に同行することにし、徒歩で近場のデパートへと向かった。
そしてその向かう途中、馴染み深き家族の一人とバッタリ遭遇した。今は丁度その彼女に遭遇したところである。
「おや? 神奈ちゃんも早く終わったのかい?」
「優お兄ぃ? うん、私のクラスで春なのにインフルエンザ流行ってて学級閉鎖になっちゃったの」
「あらら、季節外れなのに珍しいねぇ」
まさかの神奈妹に遭遇。しかも下校途中なので制服姿。いつもは意識する前にタッタカタッタカ学校に向かっているから気付かなかったが、今こうして見ると物凄く可愛い。ぬいぐるみにしてベッドに飾って置きたいくらいにキャワイイ。二人が会話する中、俺は一人のほほんとした空間に入り浸っていた。
すると神奈妹は、ハッとしたと思いきや俺の顔を見てパッと表情をより明るくして近づいて来た。俺の存在に今気付いたということだろう。嬉しいやら悲しいやら複雑だが、んなことぁどうだって良い。
「にぃに! にぃにも学校早く終わったの?」
「そうそう、ティーチャーズがどっか会議に行くからって午前中終了ってね。んで今は兄ちゃんの買い物に付き合ってデパート行こうとしてたんだよ」
「なら私も行きたい! いいよね優お兄ぃ?」
「いいよいいよ~、なら三人で行こうか~」
どうやら優助兄の買い物に付き添ったのは正解だったようだ。まさか神奈妹に遭遇するとは思いもしなかったが、これはついてるラッキーうほほい、である。
それから新たに神奈妹も加えて、俺達三人はデパートの方角へと歩き出す。
「役得・・・役得・・・へへ・・・へへへへ・・・」
「? どうしたのにぃに?」
「い、いやねぇ? こんなバッタリと神奈ちゃんに遭遇するなんてねぇ? 何か運命的な物を感じた的な? やはり絆深き兄妹は繋がり合っている実感を得たみたいな? 引かれ合ってるみたいな?」
(引か・・・惹かれ合ってる・・・)
「そそそそうだね」
変な・・・気色悪いことを言ったせいか、神奈妹は顔を赤くして少し下に俯いてしまった。違う意味で引かれたかと思い絶望しかけたが、よく見てみると口元が綻んでいたのでそういうわけではないようだ。それよりも照れてるような表情がものっそい可愛い。マジキャワイイ。シスコンもここまで来ると重症に思えるが、それでもキャワイイものは仕方ない。可愛い物好きの俺にとっては神奈妹は女神的な存在なのである。
今日は幸先が良い日なようだ。学校早く終わるし、神奈妹と二人でコミュニケーションが取れてるし、もう願ったり叶ったりである。これでデパートで何か目星良いものが見つかったりしたら尚最高。そんな浮かれたテンションのまま俺は神奈妹と並んで歩きながら、前を一歩先を歩いている優助兄の背中を追った。




