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兄弟×兄妹×姉妹×姉弟  作者: 湯気狐
本編 柚木家ストーリー
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リアル過ぎるドラ○エ世界、その5

「ふぅ・・・何とか助かったか・・・」


「私の運が良くて良かったな・・・」


あの後、幸運にも自由姉が身につけている帽子をおかげで難を乗り切ることができた。自由姉が被っている魔女帽子には特殊効果が付いていて、これを被っている間だけ誰か一人限定で蘇らせることができる呪文を使うことができるというチートアイテムだったのである。しかもこの世界にはMPというものが存在しないので、自由姉さえいれば何度でも蘇ることができることに繋がる。はっきり言って無敵である。


そのおかげで俺は蘇ることが出来たのだが、また一歩踏み出せば再び死に至るのではないかと思いつつも歩いてみれば・・・何ともなかったので一先安心した。そして俺と自由姉は彩晴妹部屋を出て外へと足を踏み出した。


律儀に玄関から出て外へと出て見たのだが、やはり見える景色は至って普通の日常生活の光景だった。唯一違うのは人が一人も見当たらないというところだけだろう。あくまで今の段階なのだが。


「何だか妙に静まり返ってて気味が悪くないか?弥太坊」


「何? もしかして怖いとか?」


「まさか! むしろ逆だろうこの向上心は!」


「さっきあれだけ酷い目に合ったのに、よくそんな気分でいられますね・・・」


「さっきはさっき! 今は今だ! さぁ柚木姉弟の旅路の始まりだ!」


「と言っても、何処に行けばいいのか全然分かりませんよ姉御」


「とりあえず彩晴の学校にでも行ってみないか? あいつがこの町をベースに作ったのなら、あいつが一番知っている場所に何かしら仕組みを施している可能性が高いだろう」


「無駄に冴えてんな姉御・・・んじゃそこに行きますかぃ」


行き先も決まったことで、俺達は彩晴妹が通っている中学校へと向かうことにした。他にも思い当たる所が色々あるが、やはり一番何かがありそうなのは言われて気づいたことだが、その場所なのだろう。そんなわけで早速道を並んで歩きだす。


それからしばらく歩いて行くが、魔物の一体も出てくることはなかった。人もいない。車も通らない。こうも何も無く静まり返っていると、緊張感が出てくる。


俺は微妙な顔をして警戒心に気を配りながら、自由姉は生き生きとして煌めきながら歩いている。そしてとある道の曲がり角を曲がった時、それは現れた。


チョコッチョコッチョコッ


「い、いたなモンスター」


「う、うん・・・どっかで見た感じだけど・・・いやでもさ・・・」


俺達から少し遠くで可愛らしい音をたてて歩いているモンスターが一体。キノコのフォルムに小さな丸い足がついたそれは、まさに某配管工ゲームに出てくるクリボーそのものだった。一見それを聞くと「やだ、ファンシー」と和む感じになると思うが、それは絶対にありえなかった。何故なら、今俺達が見ているクリボーは、鋭い牙を剥き出しにし、不気味にギラギラしている恐ろしい目で鋭そうな茶色の毛皮なのだ。つまり、物凄いリアルに再現された化物型クリボーなのである。仮に幼き子供が見れば号泣するほどのリアルなクリボーである。某配管工を逆に食い付くしてしまいそうな、そんな雰囲気がバリッバリである。


それと、もう一つ気になるというか、気が抜ける特徴をリアルクリボーはもっていた。ゲームのシステムなのか、そのリアルクリボーのすぐ横に説明文のようなものがウィンドウ画面で表示されているのである。見たところ、リアルクリボーの強さが体力・攻撃力・防御力の三つで表示されているのだが、それがまた奇怪なのだ。こんな風に。


=====

クリボー


体力:十円ガム一個の価値観

攻撃力:うまい棒の硬度と比例

防御力:体育授業でメガネが壊れる確率

=====


「ややこしい上に分かりづらいよあのステータス!!」


「これもエンターテイメントの一つなんだろう。さて、どうする弥太坊?」


「どうするもこうするも・・・まぁ・・・んじゃ俺が一発・・・」


俺は自由姉を曲がり角に隠れていてくれと言うと、ランダム支給されて装備している武器を右手に持ち、一人曲がり角からなに食わぬ顔で出た。すると、その瞬間遠くにいたリアルクリボーがギランッ!と、獲物を見つけたぜグッヘッヘッと言わんばかりに俺の方へと襲い掛かってきた。


しかし、足が短いためその速度は想像以上に遅い。亀の歩みとまではいかないが、それでもチョコッチョコッチョコッと可愛らしい音をたてて必死に走って来ている。リアルに見えても何だかその必死さに俺は少々の和みを感じて微笑みを向けてやる。そして・・・・・

挿絵(By みてみん)

微笑みと共に構えていたバズーカ砲を容赦なく発射してやった。砲弾はリアルクリボーに見事直撃し、爆発音の中から断末魔の叫びが聞こえ、そして黒い煙が晴れた時、既にリアルクリボーは木っ端微塵になっていて、骨の一つさえ残らなかった。俺はその光景を見ると、邪悪に笑みを浮かべてこう呟いた。


「マジ滑稽これ(笑)」


「鬼かっ!?」


クールな自由姉でも、こればかりは冷静ではいられなかった。



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