実際凄い家庭事情、その3
「落ち着け弥太坊、この阿呆に付き合ってたらキリがない上に身が持たぬぞ。ここは抑えときな」
「うぐっ・・・姉御が言うのであれば致し方なき事で候・・・」
ソファーから立ち上がり俺を引き止めたこの女、名前は柚木自由。元の本名は錐崎自由である。薄い茶髪の前髪開いた長いポニーテールに男のような勇ましいくも綺麗な女の顔、それが俺の一人目の姉、大学二年生である。運動神経が神の領域のノリ良くクールガールな、優助兄の次に年上のお姉さんである。自由姉は俺にとっての姉御的な人である。いや、姉なんだけど、姉と姉御じゃ意味は別である。分かるでしょ?
「出たよ運動馬鹿の余計なお世話~! 弥太兄と私のスキンシップを邪魔する天敵め!」
「やかましいわ阿呆。お前のコントに付き合ってる程、弥太坊は暇人じゃないのだよ」
ちなみに、彩晴と自由姉の仲は嫌よ嫌よも好きの内という関係性である。仲が悪そうに見えて、実は一番仲睦まじいのではないかを思えてしまうくらいだ。今だって、彩晴が自由姉に先制攻撃という名の突きを放ち、お互いに妙なポーズを取りながら喧嘩を始めている始末である。まぁ、とりあえずこの二人は放っておくことにしよう。
「ったく、せっかくの日曜日なのに静かにしてくれねぇかなぁ・・・ハァ・・・」
「自由ちゃんも彩晴ちゃんも仲良しさんだねぇ~」
「いやまぁ俺もそうだとは思いますけれども・・・」
「うふふ~、もちろん私と弥太君も仲良し仲良し~」
「いや・・・あの・・・何も抱きしめなくても良いのでは・・・ちょっ! 頬ずりしないでミルちゃん!」
テーブルの椅子に座ると、隣に座っていたもう一人の姉がニコニコ笑いながら俺を抱きしめてスリスリと俺のほっぺに頬ずりしてくる。
この女、名前は柚木ミルティ。元の本名は千堂ミルティである。名前の通り外人と日本人のハーフで、綺麗な金髪の腰まで伸びた長髪に、綺麗な青色の瞳ののほほんとした穏やかな顔、それが俺の二人目の姉、高校三年生である。いつも能天気な天然さんなのに、IQがかなりイってる天才少女。しかし天然なので優助兄と同じくらいに優しい巨乳のお姉さんである。俺とは普通に仲が良いし、俺も良く思っているが・・・まぁこの胸ということで、抱きしめられるとそれが身体に思い切り当たって心臓に悪いのである。本人に悪気はないということが分かるのが尚更タチが悪い。
「ミルちゃん一回離れようか! お願いだから一回離れてみようか!」
「うん分かった~・・・って、あぁ~! 逃げないでよ弥太君~・・・」
これ以上は心臓に悪いので、俺は向かい側に座っていた二人目の妹の隣に座った。すると、その妹は椅子から降りたと思いきや、俺の膝の上に急におっちゃんこして、密着してきた。




