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兄弟×兄妹×姉妹×姉弟  作者: 湯気狐
本編 柚木家ストーリー
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それぞれの学校生活、その8

「あ~・・・今日はスゲェ時間が長く感じた気がするわ。あとなんか疲労感が溜まってるし・・・」


「ハッハッハッ、やっさんはモテるからな~。嫉妬しちゃうぜこのこの~」


「どの口が言ってるのかな仮のイケメン君? 本当にモテてるやつから言われると殺意湧くから気を付けろよ。俺は大丈夫だけどさ」


学校も終わり、帰宅部の俺達は真っ先に帰路に付いていた。今俺達は二人だけで帰っているのだが、花鈴は生徒会長として色々忙しいためここにはいないのである。それとミルティ姉は家庭科部に所属しているので、今は仲の良い部員達と共に部活動をしている最中だろう。ミルティ姉は料理も上手ければ裁縫技術もあるので、天然かつ女子力がかなり高いのである。きっと将来は良いお嫁さんとなるだろう。個人的にはそれを考えると心が痛むのだが、それは絶対に口にはしない。

挿絵(By みてみん)

「何言ってんだやっさん、自覚ないのかぃ? 美少女に囲まれてる恋愛ゲームの主人公的な立場にいることに気付いてんだろぅ?」


「アホか、どこに美少女達がいるってんだよ。是非とも紹介してほしいものですねぇ慶次君?」


「それこそ何言ってんだやっさん、お前さんの家にいるじゃーないかぃ。しかも四人もねぇ。あっ、鬼子も合わせて五人だな実際は」


「皆はただの家族だし、花鈴はただの幼馴染だよ。それに、皆さんは既に恋心を抱いてる人がいるらしいしな。花鈴だけは知らんが、皆は俺の知らないところで女の子してんだよあれで」


「ほぉ~、そりゃぁまぁ恋心を抱かれている殿方はさぞ幸せでしょうなぁ~」


「まぁそうだな~。皆個性が強いところあるけど、可愛いからな~っと、これ本人達には言わないでくれよ?」


「アッハッハッハッハッ!! 大丈夫大丈夫言わないって」


正直に言おう。俺は案外影では素直な奴なのである。それと、時々家族の皆には色々な態度をとってツンツンしがちだが、姉や妹達は普通に可愛いと思っているし、優助兄に関しては慶次を越えたイケメンだと思っている。


でも、だからこそ俺は皆に嫉妬に近い感情を抱いているのだ。皆は俺と違って何かしら強い個性や才能を持っている。優助兄はお菓子、自由姉は運動、ミルティ姉は料理と裁縫、彩晴妹は知能、神奈妹も実は声優という活動をしているのだ。でも俺にはそういうのが何もないのだ。あるとすればちょっとしたものだけ。射的、馬上、瞬間記憶、それとあともう一つあるのだが、それは封印しているので使うことがないようにしている。一見、充分凄いのでは? と思うだろうが、実際はこんなの遊び程度のことにしか使えないのだ。


それだからか、時々皆との間には見えない大きな壁のようなものが見えたりして距離を感じてしまうことがある。皆には悟られないようにしているから大事ないが、もしバレれば全員が本気で怒るのが目に見えている。自由姉辺りは「弥太坊、今すぐ指詰めるのと、利き目抉るのと、どっちがいいか選べ」とヤクザのようなことを言ってくるだろう。


なので、時々壁は生じて距離を感じることはあるものの、居心地が悪いと言うわけではない。むしろ俺にとっての唯一無二の居場所だ。だから俺は出ていこうだなんて微塵にも思っていない・・・というか皆が絶対にそれを許さないだろう。中学の頃に荒れている時期があって、俺がとある問題を起こして家出したことがあったのだが、最終的には見つかって彩晴妹に罵詈雑言浴びせられた挙げ句に自由姉にボコボコにされて連れて帰られたことがあったのは懐かしい話である。今度違う機会に詳しく語ろう。


俺と慶次はそれからペチャクチャと他愛もない話をしながら歩いていく。すると、不意に後ろからパタパタと大きな足音が聞こえてきて、それは次第に大きくなっていく。俺は気になり後ろを振り返ると・・・


「ヤー君捕まえたぁー!!」

ムニュリッ

「~~~っ!!」


何故ここにいるのか、ミルティ姉が大きく両手を広げて勢い良く飛び込んできて、俺の身体を抱き締めて来たのだ。制服越しでもはっきり伝わってくる二つの柔らかい感触が俺の右肩に伝わり、顔に熱が生じる。


「ミルちゃん当たってる!! 当たってるから離れてマジで!!」


「ウフフ~、今日はもうヤー君から離れないもーん♪」


「つーかなんでここにいんの!? 家庭科部は!?」


「今日は休んで来ちゃった。だってヤー君と一緒に帰りたかったんだもーん♪」


「そんな理由で休んじゃ駄目でしょーが!! つーか慶次ヘルプ!!」


「あっ、俺今日見たいドラマ録画してるから先帰るわ。シーユーやっさん」


「録画してんなら急ぐ必要ないだろ!! つーか逃げんなぁぁぁ!!」


しかし慶次は面白可笑しく愉快そうに笑い上げながら、檻の中に俺一人残して走り去って行ってしまった。俺は手を伸ばすが、虚しくもその手には何の感触も帰っては来なかった。その代わりミルティ姉の手の感触が伝わってきた。


「ちょ止めなさいミルちゃん! 当たってるから離れて!」


「エヘヘ~♪、スリスリスリ~」


「駄目! 頬擦り駄目! あと誤解されるからホント離れて! いやぁぁぁ・・・・・」


しかし今日の帰宅は最後の最後までミルティ姉に密着コミュニケーションされたまま帰ることとなり、タイミング悪く彩晴妹と神奈妹と鉢合わせになってさらに騒がしくなり、面倒なことになったのは言うまでもない。

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