ショートヘア(200文字)
大切なお友達へ。
髪を切った。
別に失恋したとかじゃない。
彼が、ショートヘアもいいなあって言ったから。
「あれ、髪切ったんだ。失恋でもした?」
キョトンとした顔でそんなことを言う彼に、私はわざと頬を膨らませて答える。
「あんたが私のことを嫌いになったなら、失恋した」
「じゃ、失恋じゃないね」
彼は私の髪にそっと手を伸ばして、笑う。
「似合ってるよ」
それ以上、彼は何も言わない。
けれど、私の髪に触れる彼の手が囁いてる。
好きだよって。
大切なお友達へ。
ごめんなさい(土下座)