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Amour éternel  作者: masaki
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第19話 約束



あれから、3週間程メールでやり取りをした。

その日あったことや、天気の話など…他愛もない内容だ。


私がメールを送ると、その日のうちに必ず返事を返してくれたし、

逆に彼のほうからメールが送られることも多々あった。


メールのやり取りなら緊張せずに会話ができるので、

私が思ったことや感じたことを色々と話した。






自宅で、テレビを見ていると、いつものように彼からメールが送られてきた。



“こんばんは。やっと仕事がひと段落したよ。

明日もし暇なら、ランチにでも行かない?”



「ランチ…。」



特に明日は何も用事はない…が、どうしようものかと考えた。

この前、裕子に彼を“恋愛対象”として見ていると言われてから、

以前よりも彼を意識してしまっている…。


メールだったら、文章だけのやり取りなので、

緊張なんてしないが、会うとなると緊張してしまうだろう。


用事があるとか適当に言って、断ってしまおうか…。



一瞬そんな考えが浮かんだが、止めた。

せっかく誘ってくれているのに、嘘を付いて断るなんて失礼だ。

それに、逃げてばかりじゃだめだって裕子も言っていたし…。



“お疲れさまです。明日は用事ありません。

ランチをご一緒させてください。駅まで出て行きましょうか?”



逃げずに、彼の誘いを受け入れることにした。

しばらくすると、返事がきた。



“よかった。朝、少し仕事をしてからになるから、

駅まで出てきてもらえると助かる。じゃあ、11頃に駅へ迎えに行く。”



仕事がひと段落したと言っていたのに、明日も仕事をするのか…。

本当に忙しいんだろうな。



“わかりました。”



返信をすると、さっそく問題が生じた。



「明日、何を着て行こう…?」



友達ならデニムとかでもいいが、相手は誰もが振り返るイケメンだ…。

それなりの格好をしなければいけない。

と言っても、まさかパーティードレスなんて着れないし…。


悩みに悩んで、先日買ったばかりの、

ギンガムチェックのワンピースを着て行くことにした。



「それにブーツを合わせよう。」



かばんは何を持って行こうかと考えていると、ふと思った。

とても自分が楽しみにしているということを…。



「すっごい、張り切ってるし…私…。」



誰も居ないのに、思わず笑ってしまった。



いつもなら、適当なものを選んで出掛けるのに、

今回はかばんまで何を持って行こうか考えてるなんて…。


女の子がデートをする前日って、こんな感じなのだろうか?

相手の目に少しでもかわいく映りたいから、一生懸命考える。



…って、何恋する乙女的な考えをしてるんだ!?

別に恋人でもないし、デートするんじゃないのに。


でも、男の人とランチをするっていうのは、デートって言うんじゃないのか…?



イヤイヤ、ただ単にお食事をするだけだ。



なのに、なんで自分はこんなに張り切っているんだろうか?

鏡を見ると、生き生きとした顔が映っていた。




イヤイヤ、違う違う。

きっと、初めての出来事だから、知らない間に張り切ってしまったんだ。




それにしても、張り切り過ぎな気が……。





様々な考えが頭の中を巡って夜が更けていった。

やはり、私は理由を深く追求しすぎるのかもしれない…。

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