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一人

作者: 枕返し
掲載日:2025/12/31

「一人で生きていくのは寂しいよ」

子供の頃からそういう言葉を聞いてきた。

そんなのはわかってる。

でも私は一人でいるのが好きだし、そんなに寂しいとも思わない。

やりたいことが一杯あるし、色んなことに興味がある。

だから私は大丈夫。

むしろ私は誰かが近くにいると安心できなかった。

息が詰まる。

常にその人の動向や気持ちを考えてしまう。

人数が増えればその気苦労がそれだけ増える。

だから私は一人でいたかった。


そして、私は一人で生きていくことを選んだ。

古い考えの人からは批判もされるだろうが、これが新しい生き方なんだと思えた。

そのために私は努力した。

自分一人で全て完結できる自分になるために。

誰にも頼らず、誰も当てにせず。


大人になった私は、自立して自律した人間になった。と思う。

少なくとも誰に迷惑をかけるわけでもなく、自分で自分のことをできる一人前の人間になった。

私は、一人で生きていけるようになった。

一人で生きていくことを許された。

それは私が今までの人生をかけて獲得したものだった。



それは、間違いじゃない。

それに、間違いじゃない。

きっと、間違ってはいない。


私は自分の理想の通り、一人になった。

そうすると副次的に発生する事柄がある。

一人で生きていくことを選択しなかった人たちは、家族を形成し、親になっていた。

お父さんとか、お母さんとか呼ばれている。

私はいつまで経っても子供の頃のまま。裕ちゃんのままだ。

それが悪いことだとは思わないが、好ましいことだとも思えない。


そして常々感じるのだ。社会は、私を排除し始めた。

社会にある色々な物事が、事柄が、催しが、私をターゲットにしていない。

私は静かに社会からスポイルされていた。

悲しいことではない。

私が望んだことだ。

わかっていたことだ。



私が一人でいることが当たり前になり、一人でいることが好きでやっていることから、それ以外選択肢の無いことになった時、私はもう悩まなくなった。

一人でいて、このままでいいのか?今からでも軌道修正した方がいいんじゃないのか?

そう思っていた時期もあった。

だけどもうそう思うこともなくなった。

それは実質的に不可能になったからだ。

最早悩むことすらできなくなった私は、私の望んだ人生を生きていく。


自己実現。

それを成した私は、私自身に誇りを持っている。

微塵も後悔などない。あるわけがない。

私にはこの生き方しかなかったんだろうとも思うから。

だけどそれを全うした時、私にはわかったことがある。

「一人きりは、辛い。」

そんなよく言われるような事を今更わかったって何になるわけでもない。

だけど、私が人生を経て学んだことは何かと問われれば、こう答える。

だけど、私にそれを問うてくる人は、もういない。


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