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道士の私が仙女になれない理由〜後宮が三食昼寝付きって本当?〜  作者: 白雲八鈴


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第58話 図々しい

「それに、私は依頼を受けているから、今すぐは無理だね」


 私は今から亀の捕獲に行かなければならない。

 しかし、こんな姿で行けないから、服が欲しい。


「ということは!」

「後宮内で調査は必要だから、下働きが動きやすそうだね」

「いや、そうなのだが、そういうことではなくて……俺の……」

「我が主」


 おっさんが、珍しく琅宋(ろうそう)の言葉を止めた。どうしたのだろう?


「俺の直属の女官なら、自由に行き来しやすくなる……はぁ」


 何故にため息が出てくる?

 言われたとおり、下働きだったら確かに皇帝に会うことは難しくなる。女官であれば、後宮も内廷も行き来可能になる。


 女官って、何する人なのだろう?

 ウロウロして怒られないのだろうか?


「女官って何する人? 色々動き回って怒られない?」

「大丈夫だ。そうだな一応、病み上がりの姜昭儀(しょうぎ)のご機嫌伺いという役目でも与えた女官ということにしておこうか」


 ……意味がわからない。そんな女官って必要?

 いや、これはチャンスなのでは?

 姜昭儀(しょうぎ)琅宋(ろうそう)と仲良くするようにと。


「わかった。それでいい。あと、私の袍が芙蓉様に取られたままなのだけど、いつ返してもらえるのか確認しておいてくれない?」


 できればそういう出費は控えたい。ババァから追加料金がもらえなかったのだ。

 亀の捕獲もそれほどの依頼料ではなかったしね。


「それは、新しいのを用意している。帰りに受け取ってくれればよい」


 どうやらおっさんが新しい服を用意してくれたらしい。いや、私の袍があまりにも汚らしいので、捨てられてしまったのかもしれない。


「まぁ、下街で着ていても問題ない服装ならそれでいいよ」


 私はそう言って立ち上がる。


「あ……」

琅宋(ろうそう)。お茶ごちそうさま。お昼ご飯があればもっと良かったのだけど」

「黎明。ただ飯にありつこうと内心思っていたのか?」

「白。お昼だし、ご飯があってもよかったなぁって」

「その手があった……」


 琅宋(ろうそう)は何を言っているのだろう。

 お昼なんだから、ご飯がでてくるかなって思ったけど、琅宋(ろうそう)が来る前に1人分のお茶が用意されて、お店の人は去っていってしまったのだ。

 残念感が半端ない。


「霍道士。我が主が外で食事を取るには色々問題があるのである」

「おっさん。誰が琅宋(ろうそう)の話をしているの?私の話だよ」

「図々しいと怒られるぞ。黎明」


 いや、私にはお店の人がお茶を出してくれたけど、琅宋(ろうそう)は付き人らしい人がお茶を置いていったので、面倒なんだろうなということはひしひしと感じていた。

 しかし、私ぐらいはお昼ご飯があってもよかったと思う。


「はぁ、タダ働きしている身にもなってよ。これを解決するまでお金もらえないんだよね?」

「前金を払えという図々しさ。道士としてどうなんだ?」

「うるさいよ。白」

「取り敢えず、一週間後に迎えをよこしてよ。あ、軍は駄目だよ。一人にして」


 高家の許可を得るのに時間がかかると言っていたけど、一週間あれば大丈夫だろう。

 その間に気になる龍脈のことも調べておきたい。


 それに以前のように、貸し家の前に軍が押し寄せられても困るから念押しをしておかなければならない。


「それじゃ、ごちそうさま」

「黎明。その依頼に付き合ってもいいか」

「は?」


 なに付き合うって、ただの亀の捕獲だけど。


「おっさん。琅宋(ろうそう)がおかしなことを言っているのだけど? 連れて帰ったほうがいいんじゃない?」

「むっ。我は主の護衛に徹するのみ」


 これは許されているっていうこと?


琅宋(ろうそう)。何も楽しいことはないよ。ただの亀を捕まえに行くだけだからね。それより仕事に戻ったら?」


 皇帝なんだから、そんなに暇じゃないよね? それともやはり影の皇帝が優秀なのだろう。


 うん。きっとそうだ。


「亀?」

「『(ふん)』だね」

「それなら、そこの池にいるのでは?」


 おっさんが綺麗に整えられた池を指しながら言った。知っているよ。


 琅宋(ろうそう)が来る前に池をぼーっと見ていた。だから、普通の亀と混じっているよねということはチェック済だ。


「おっさん。ここは私有地だから、勝手に取っていけば、それは盗みだ。それはできない」


 罪になるようなことは駄目だ。


「王離。頼んできてくれ」

「はっ!」


 名を呼ばれたおっさんは、護衛のクセに四阿を離れていった。

 それでいいのか?


 そもそも表に護衛としているのが王離だけなのが問題なのだろうけど。いや、私が人が多いことを嫌がったから、護衛をおっさんだけにしているのだろう。


 見えないところにはいるのだけどね。


「それで、わかったことを話してくれないか?」


 琅宋(ろうそう)は、私の腕を引っ張り座るように促して聞いてきた。

 なに?聞いてこないと思っていたけど、おっさんがいると不都合だったの?




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