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道士の私が仙女になれない理由〜後宮が三食昼寝付きって本当?〜  作者: 白雲八鈴


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第55話 意外な名前が出てきた!

 ん? でも私が思っていた条件に母は当てはまってしまう。

 まさか、母が!


「黎明。何か変なことを思っているだろう」


 肩にくっついている白から痛い視線を向けられてしまった。


「まぁ、死んじまったが、翡翠館の花梨。あれは幼い頃、ここで依頼を受けていたことがあるねぇ」

「思ってもいない名前が出てきた!」

「廉と名乗っていた頃のことだねぇ。と言っても、小遣い稼ぎ程度の仕事しかできなかったがね」


 退魔師としては、あまり能力は高くなかったということ。


「結局、花街に身を売られてしまったね」

「どんなことができた?」

「あれは占いが得意と言っておったが、そのような依頼は名の売れた道士にいくものじゃないか。だから、採取依頼ぐらいしかできなかったねぇ」


 占い。確かに花街の妓女としては受けるスペックだと思う。

 ということは、贔屓にしていたという政頼はその占い目当てに花梨に会いに行っていたと予想できる。


 そして皇帝を守ったという功績により、将軍の地位を得て、占いが得意の妓女は不要になり、通わなくなったと。


 そうなるとやはり、妓女の花梨の死は関係なさそうな感じだ。


「それじゃぁ、皇帝に近づける道士は?」

「お貴族様かい?」

「高官と繋がりがありそうな道士でも!」


 すると退魔師協会の受付ババァは、前に手を出して指を突き出してきた。


「霍家の血筋の道士が目の前にいるねぇ」

「私じゃないし!」

「お抱えの道士っていうのは、普通こんな下街になど来ないんだよ」


 ……言われてみればそうだ。

 そして噂に聞くのは、個人で活動している道士。

 貴族お抱えの道士は人の噂になることはない。なぜならその功績は、貴族のものになってしまうから。


 そして噂になると、誰かから声がかかりお抱え道士となる流れということだね。


「しかし、いくつか術師の家系がある。それは霍家から聞いたほうがいいだろうねぇ」

「術師の家系。そうなると一概に力ある道士が関わっているとは言えないということか」


 これは霍良が迎えに来るというときに聞けばいいか。

 私は下に視線を下ろす。


 取り敢えず亀を捕獲してくるか。


「はぁ、亀を捕まえてくるよ」

「『(ふん)』だよ。間違えるんじゃないよ!」

「わかっているよ。取り敢えず、古着屋に行ってくる」


 こんな小綺麗な格好をしていると、面倒な輩に絡まれるからね。



「よう嬢ちゃん。迷子かい?」


 そう思って古着屋にいく途中で、その辺りの無頼漢どもに囲まれてしまった。


「道案内をしてやろうか?」

「いいところに連れていってやるよ」


 イラッとする。別に迷子じゃない。

 私は普段着に着る袍が欲しいだけ。


「いや、いいよ」


 差し出してきた手をパシッと叩き落とす。


「強気の嬢ちゃんっていいよなぁ」


 ニタニタした顔で言わないで欲しいね。

 取り敢えず、ぶん殴っていいかな。

 あまり騒ぎを起こすと、街の中を巡回している軍人に声をかけられるから、サクッとヤろう。


 私は気を手の平の中に集める。


「こんなところにいたのか。探したぞ」

「あ?」


 私が無頼漢どもをブチのめそうとしたところで、聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「興味があると直ぐに消えるのは駄目だぞ」

「ちっ!」


 背後から聞こえてきた声に舌打ちをする。そしてその声の主は私の手を掴んできた。


「さぁ、帰ろうか」


 そして私を引っ張り歩き出す。

 私は帰るのではないのだけど?


「ちょっと待てや!」

「むっ! 何用か」

「あ、いや……何もねぇよ!」


 バタバタと遠ざかる無頼漢の足音。

 そして無頼漢たちの壁となったおっさんが後ろについてくる足音がする。


「暇人皇帝。私は忙しいのだけど?」


 そう、私の手を掴んで引っ張っているのは、皇帝のクセにフラフラとこんな下街を歩いている琅宋(ろうそう)だ。


「おっさん。これを好きなようにフラフラさせているのはどうかと思うけど?」

「我は霍道士を自ら迎えにいく主の護衛をしているに過ぎない」

「そこがおかしいと諌めるのがおっさんだよね!」


 で、ここからでは見えないけど軍の人たちが、周りにいる。


 皇帝が動くとそれは護衛が山程いるのはわかるけど、そもそも皇帝がフラフラしているのがおかしいのだ。


 そして琅宋(ろうそう)が、乗ってきたのであろう馬車に押し込められてしまった。

 先ほどまで乗っていた馬車より広い馬車にだ。


「私、別の依頼を受けているのだけど?」


 ここまで無言で私を連れてきた琅宋(ろうそう)に文句をいう。

 そしてその琅宋(ろうそう)は、真剣な表情を浮かべ私の両肩を掴んできた。


 こいつ、人の話を聞いていないと思う。


「霍良に何もされなかったか?」

「は?」

「二晩も一緒に……その……いたんだろう」

「あ? 何を考えている?」

「だって、黎明は可愛いから……」


 ……意味がわからないし。それ可愛いって関係するの?


「ご飯奢ってもらった。可愛いはどこに関わってくるのかわからないのだけど?」

「あ……いや、何もなければそれでいいんだ」


 ん? ご飯を奢ってもらったというのに、何もないってどういうこと?


「芙蓉の孫。黎明と玉瑛様の弟の孫はずっと一緒だったぞ。くくくく」


 何故か白が笑いながら口を出してきた。

 確かに一緒に行動していたので、否定することはないね。


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