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道士の私が仙女になれない理由〜後宮が三食昼寝付きって本当?〜  作者: 白雲八鈴


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第54話 力ある術者って?

「高家のことなんだが、許可を得るのに数日かかる。許可が出れば迎えをやる」


 と霍良に言われ、お昼の賑やかな瑞曉(ずいきょう)の街の中で解放された。


 とても小綺麗な格好をしたままでだ。


 ちょっと待って、私の普段着が回収されたままなのだけど、芙蓉様に……。


 こんな格好で放置されるともの凄くジロジロと見られている。


 霍家と仲が悪そうな高家に一人で行かなければならないのかと思っていた。だけど霍良が許可をとってくれることに安心したものの、ここで置いて行かれたことに項垂れる。


 せめて普段着の袍を私に与えて欲しかった。


「取り敢えず、退魔師協会のババァに依頼料が足りないと言いに行こうか」

「たぶん、言ってくるのが遅すぎると言われそうな気がするが?」


 肩にくっついている白の言葉に、遠い目をする。あのババァなら言いそうだ。



「この地には龍脈が通っているのだけどねぇ」


 私はいつもの変わらない風景を目にしながら、足元の龍脈の存在を確認をしていた。

 ここより東の東可には龍脈の存在は確認できなかった。だけど、瑞曉(ずいきょう)にはある。


 いったいどこに消えたのだろうか。


「故意に歪めると碌なことにならないぞ」

「私がやっているわけじゃないから、私に言われても困る」


 そしてふと、まんじゅうを売っているのを目にして、お腹が空いていると思い出した。

 霍良。お昼ご飯ぐらい奢ってくれてもよかったと思う。

 フラフラとおまんじゅう屋の前に立った。


「おまんじゅう。六つください」

「はいよ」


 おまんじゅうをぎゅうぎゅうに六つ入った袋を渡されたので、お金を店主に渡す。


 わからないことを考えると、余計にお腹が空く。取り敢えず、まんじゅうを食べながら退魔師協会に向かったのだった。




「料金を上げろだって?今更何を言っているんだい」


 相変わらず、煙管をふかしながら面倒臭そうにいう退魔師協会の受付ババァ。

 一週間以上前のことだけど、水を汲みに行っていたのだから仕方がない。


「それに軍がいきなり来て、黎明の居場所を聞かれたんだよ。迷惑料を支払ってほしいぐらいだね」


 あれか。私が帰ってきた翌日に朝から軍が出迎えてくれたと思ったら、やはりこのババァから住処を漏らされたらしい。


「人の情報を漏らしておいて、よく言うよね」

「軍に逆らったら、こちとら商売なんてできやしないよ」


 確かに、軍に連行されそうだからね。連行されたけどね。

 そう言えば、このババァなら情報を持っているかもしれない。


「じゃ、お金はいいから教えてほしいことがあるのだけど」

「だったら、この依頼を受けな」


 こっちが引き下がったのに、ババァは追加で依頼を受けろと言ってきた。何がだったらだ。


 私が何も返事をしていないというのに、丸まった竹簡を取り出してきた。

 ババァがそれを広げると依頼内容は樹の実が欲しいというものだった。


 赤い花が咲く、(なつめ)のように種がない樹の実。甘酸っぱいらしい。


 ただ、樹の実の名を記されていなかった。


 謎掛けのような言葉だ、

 種がないって樹の実としてはどうなのだろう?

 しかし、樹の実って夏から秋にかけて実るものが多い。


 今の時期は少し早いのではないのか。


「ダメダメ。こういう謎掛けみたいな依頼は受けないよ。依頼者の意図が見えないからね」


 間違ったものを渡してしまったら、信用に関わってしまう。

 仕事を受けられなくなっても困る。


「だったら、これじゃどうだい」


 次に見せられたのは『(ふん)』の捕獲だった。

(ふん)』とは三本足の亀のことだ。薬として用いられることがある。


「それならいいよ」


 亀の捕獲か。憂鬱だ。

 水浸しになってしまう。


「交渉成立ってことで、何を聞きたいのかい?」

「あー。ここ二十年ほどで、とても強い退魔師、もしくは術師を知っているだけ教えて欲しい」

「突然、なんだい?」

「依頼を受けた武官の屋敷の件なのだけど、かなり強い術師が絡んでいるみたいで」


 安易だけど、このババァはここで働いているのなら、そういう情報は入ってくるはずだ。


「最近ではなく二十年も前からかい?」

「これはちょっと根深そうで、一年二年のことじゃないっぽい。それもかなりえげつない術を使うんだけど」


 普通は外法に手を出そうとは思わない。特に猫の顔を持つ女性はヤバかったと思う。


「そういうヤツっていうのは、表に出てこないんじゃないのかい?」

「うっ」


 言われてみれば確かにそうだ。

 退魔師だろうが術者だろうが、信用がなければ依頼はされない。

 これは裏情報を持つ者に聞くべきだったか。


「龍善寺の恵果和尚が、やはりこの辺りではa一番だろうね」


 有名どころの名を口にしてきた。

 やはりこの三年間ここに来てからよく耳にしてきたので、力ある僧なのには間違いはないのだろう。


「弟子の慶雲の名も上がるだろうね」

「もっと他にいない?」


 皇帝の近くに行けそうな者だ。

 僧が皇帝の周りをウロウロしていると目立ってしまうだろう。


 そして後宮にまで力を及ぼせる者ということだ。


来週も月曜日お休みします。

次回は金曜日です。

よろしくお願いします。

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