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ドクターと名乗る男

 ミツオを制するように二人は立ちはだかる。

 助手席から降りてきたエリーもミツオのそばに立ち、その場にいる4人の視線が交錯する。空気の密度があがる。ミツオがもう一歩ふみだそうとした瞬間、背の高い黒服が自分の右耳に手をあてた。インカムからの指示を静かに聞いているようだ。「あんたミツオかい」

「そうだ」 

 黒服の二人は左右に分かれて道を開けた。そして、重厚なドアをミツオとエリーのために開けた。

「行っていいぞ」

 ミツオは二人を一瞥もせずに前に進んだ。

 門扉をくぐった二人の目の前には一面の芝生を分断する遊歩道しかなく、建物は見えない。しかたなく二人は手入れの行き届いた庭をしばらく歩く。

 ようやく純和風の日本家屋が見えてきた。しかし、その輝きは木造ではなく、素材は金属で置き換えられているように見えた。おそらく雨を嫌っての設計なのかなとミツオは考えていた。

 玄関の外に和傘をさした男が立っていた。白衣を着ている。

「当家の主、香川からお話を聞いております。依頼の件で本日はこちらに来られたのですか?わたしは香川家専属のドクター山岡と申します」

 深々と礼をした男は丸い真っ黒のサングラスをしていて、どんな眼差しでこちらをみているのかは全く見えなかった。

「香川さまは最近アップデートをされまして、情緒が不安定なのでございます。ですので、依頼の件はここで正式にキャンセルさせていただきたく思います。もちろんご迷惑料とお足代をお支払いいたします」

 ドクター山岡は分厚い封筒を懐から取り出した。

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