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「カズちっ!ヘルプ!」
そう言って扉を開けてきたのは友達の八草千晴。
小学校は違うのだが中学校で互いに関わる機会が多く、今では1番の友達と言ってもいいくらいだ。
本当なら助けたいところなのだが…
「絶対めんどくさいやつじゃん。俺はやだ。」
八草千晴…ハルは俺に何かとめんどくさいことを持ってくる。それが俺だけで済むならまだ良いが、ほとんどはハル自身を巻き込んでたり酷いと周りまで巻き込む。
良く言えば活発、悪く言えばトラブルメーカーといったところか。
「いやいやっ!これはカズちにしか頼めないんだ!」
「はぁ。」
そう言われてしまうと俺も言い返せない。
話ぐらいは聞いてあげよう。
「マジで!?いやほんと神様仏様カズち様よ〜」
「いいからさっさと話せ」
「私軽音部入ったんだけどさ〜、今ちょうどボーカルとギターが足りなくてね?それをカズちにやってもらおうt…」
「却下。」
「えぇ〜っ!?」
歌うだけならまだ分かるがギターもとなると話は別だ。俺は楽器が使えない。というより何故かできないのだ。リコーダーは吹けば音が無くなるしいつの間にか壊れている。ピアノは合っているはずなのに音が外れて次第に不協和音になってしまう。ギターなんてできるわけが無い。
「せ、せめてボーカルだけでも…さ?まだこれから入る人もいるかもじゃん?それまででいいから!お願いします!この通り!」
部活に入ってないから暇人ではあるがあまり気は乗らない。熱中できる気もしないので断ろう。
「やっぱやめとk…」
「今なら購買のお菓子毎日奢ります。」
「よし乗った。」
そうして俺は入部届に軽音部の文字を書くことになってしまった。
「…ハル、俺の事便利屋か何かだと思ってる?」
「…そんな事ないよ〜」
ハルは少し目を逸らしながら答えるのだった。
今回は八草千晴が初登場の回でございます。ハルと和葉は中学校三年間同じクラスで出席番号も隣だったのでよく話したらしいですよ〜。ここまで閲覧ありがとうございました!また次のページでお会いしましょう!




