1 バカな第三王子と婚約させられそうになりました(涙)
「不敬罪で死にたいの?」
王妃様がそう言って脅してきました
ですが私の父はそんなことでは怯みません
逆に睨み返していました
ここは娘の私も一緒に睨み返すべきでしょうか?
どう思われます?
ごきげんよう
サウスエッジ辺境伯が娘、ソフィアです
本日は父と一緒に王宮に呼び出されましたのよ
一体何事か?と思い指定の日時に登城したら王様と王妃様と第三王子様がいる部屋に通されました
そして王族への挨拶が済んだと思ったらいきなり
「第三王子と結婚するように」
と王妃様から言われました
「「は?」」
思わず父と同じリアクションをしてしまいました
青天の霹靂ですからね
だって私、婚約者がいますもの
王様への届と承認まで済んだ、です
この国では間違いが起こらないように貴族の婚約の際には王様の承認が要ります
形式的なもので、絶対に認められるものです
・・・なんでそんな無駄なことをするかというと過去にやらかしたおバカな人達がいるからです(苦笑)
少しでもバカをする人間が減るようにという願いで作られた法律ですがまさか王妃様がやらかしてくるとは思ってもみませんでした
思わず王様へと助けを求める視線を父と一緒に送りました
ですが王様は私たち親子の救いの視線に気が付いたにもかかわらず目を逸らしました
大事なことなので二度言います
目を逸らしたんですよ!
おい王様、本当に大丈夫か?
思わず内心でツッコんでしまいました
一方第三王子の方はというとニヤニヤ笑っていましたね
私の身体を舐め回すかのような視線を投げかけてきます
さすが噂に名高い第三王子ですね
いい方ではなくて、悪い方で、です
第一王子は将来の王として十分な素質を持っている
第二王子はその補佐を見事にすることだろう
そう言われています
第三王子ですか?
ハズレですね
上の兄弟が良いから悪く見えるとかではなくて、本当に悪いです
勉強の成績も、素行も、です
今までに婚約者を決めようとしてもすべての令嬢に逃げらえれたという実績があります
そんな不良債権に困った王妃様が暴走したということでしょうか?
でもだからといって婚約者がいる私にお鉢が回って来るのは間違いでだと思います
いや婚約者がいなくても、ですけどね
埒が明かないと思った辺境伯は
「話にならん!」
そう言って席を立ちました
そして私に一緒に立ち去るように促しました
もちろん私も立ち上げりました
第三王子と婚約なんてまっぴらごめんですからね
ところが王妃様は酷かったです
「衛兵!そいつらを捕らえなさい!」
と実力行使に出てきました
そして衛兵に囲まれる父と私
父は王族との謁見のため非武装です
一方、衛兵は剣を持っています
・・・ひょっとして私達親子ってピンチですか?(汗)