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こちら、三木高なんでも屋です。 1-2

どうも、うどんです。

早い段階で更新することができて良かったです^^

それでは、ごゆっくり、お楽しみください!

「どうぞ、こちらへ。」

「ありがとうございますっ!」

元気よく挨拶する依頼人。

少し茶髪の入ったポニーテール。

目鼻立ちがくっきりとしていて、特に目はクリッと大きく、頬が薄桃色に染まっている。


身長は美由と同じくらいか、少し高いくらいだ。

今の季節とは真反対のまるで太陽のような容姿と性格、いかにも男子が好きそうなカワイイ系全振りの女の子。


制服の胸ポケットに付いているネームプレートには

「北岡」

と刻まれている。

この名前はオレたち…というか全校生徒で知らない人はいないだろう。

「もしかして…2年の、バレー部の部長の北岡御莱(きたおか みらい)さんかな?」

気づいたコタがそう聞く。

「はいっ!そうです!」

やっぱりか。


ここ、三木谷高校女子バレー部は、全国の高校の中でも強い方で、春高と呼ばれるバレーの大会などで何度も優勝している強豪校である。

その中でもこの北岡さんはずば抜けていて、日本代表入りもほぼ確定と言われるほどの実力やリーダーとしての牽引力でキャプテンを務めている人。


知らない人がこの高校にいないわけがないのである。

と、ここまでの情報は少し前に教えてもらった、コタの受け売りである。流行りや学校内の情報に疎すぎるオレは当然知らなかった。


…そういえばあの時、もう一人、北岡さんと肩を並べる、相棒的な人がいるという話を聞いたが…


「どうぞ。」

美由がお茶を出す。このお茶は南家特製のお茶らしい。少し前、美由が加入した時くらいに飲んだが、かなり美味しかった。


そして、オレは北岡さんの前に座る。

北岡さんは「わぁ、ありがとうございます」と、満面の笑みで言い、容器を持って熱く湯気が立っているお茶に一生懸命「ふーっ、ふーっ、」と息を吹きかけている。


まるで小動物みたいだ。

彼女はこの学校の女子生徒の中でもダントツでモテていて、男子達によって裏で密かに開催されてる「三木高彼女にしたい女ランキング」でも堂々の一位。

と、コタから聞いている。

その理由が分かった気がした。


そして、ある程度冷め、出てくる湯気が少なくなったお茶を、その可憐な口元へと運び、それを流し入れ_____

「あちっ!…あっ…すいません…」

…猫舌だったようだ。


オレはコホンと咳払いをし、一言挨拶。

「どうも、何でも屋のリーダーをやってます、東雲龍真といいます。依頼を聞く前に、規約について説明します。」


規約というのは、何でも屋を利用するにあたっての様々なルールなどの概要のこと。

1.依頼者の許可がない限り、依頼を口外することはない。

2.場合によっては依頼人にも協力をしてもらう。

3.一度受けた依頼は責任をもってやり遂げるが、依頼によっては受けれなかったり、失敗したりする。

4.一度受けた依頼を取り消すことはできない。

5.これら以外にも、急遽追加されるルールが存在する。

etc…

とまぁこんなルールがある。


学校内の、たかが高校生がやっているちっぽけな活動だが、生徒の秘密を扱うことに関しては変わりない。故にこの規約を完全に理解し、契約書へサインすることは今後、依頼を受けて遂行するのに重要なのである。


そして北岡さんは元気な声ではっきりと言った。

「はいっ、よく読みました!」

「では、こちらにサインを」

オレは契約書(made in minami)へサインを促し、北岡さんは胸ポケットにしまっていた、ピンク色の可愛らしいボールペンを出してサインする。

「それでは、依頼を聞かせてください。」

「はい…」


途端、北岡さんの声のトーンが変わり、空気が外と同じくどんよりと重くなった。

雨も心なしか、強くなっていく。

北岡さんはその綺麗な唇を重そうに開き、話し始めた。

「その…皆さんは、私の親友のこと、ご存知ですか?」

「あぁ…もしかして、冬巻さんのことかな。」

オレと美由はサッパリだったが、ほぼ全校生徒と交流があるコタはすぐ分かったようだ。


「はい。同じバレー部で…幼稚園から、クラスも、ずっと一緒なんです。」

冬巻風花。この人も、三木谷高校で知らない人はいない。北岡さんとこの人は、「三木高の2強」と呼ばれるほどバレー界隈では有名で、この2人の活躍でこれまで数多くの学校中勝ってきた、まさに三木谷高校が誇る2人の生徒である。


「それが…ここ最近、全く部活に顔を出さなくなって…おかしいと思ったんです。風ちゃんは、本当に真面目な子で、滅多に部活を休みません。でも、学校にはいつも登校してるんです。私がいくら聞いても『なんでもない』の一点張りで…それで、やっちゃいけないことだと分かっていながら、放課後に後を付けてみたんです。そしたら…」


北岡さんの声の力が強まり、咳を切ったような声になっていく。その雰囲気に、オレたちは息を呑んだ。


「そしたらっ…見てしまったんです…見知らぬ男と風ちゃんが…ホテルにっ…入っていくところをっ…!」

北岡さんの目が赤くなり、感情に沿って涙が出てくる。

それでも、北岡さんは一言一言言葉を紡いでいく。


「あの時…風ちゃんの顔が一瞬見えました…とても…辛そうな顔をしてました…!長年親友だったから分かるんですっ…あの人は…彼氏なんかじゃないって…!」

長年苦楽を共にして来た友人のことくらい、言葉を聞かなくても、少ないヒントで相手の状態が分かる。

ということをオレとコタは知っている。


何度も何度も、コタはそれでオレを助けてくれた。

だからこそ…北岡さんの気持ちは身に染みて分かるのだ。

涙で濡れた綺麗で大きな眼を拭いながら北岡さんは言葉を紡いでいく。


「もし…私の勘違いだったとしたらって考えると…誰にも相談なんて出来なくて…

お願いします…!あの男の人と、風ちゃんの関係を調べて欲しいんです…!もしそれが、風ちゃんと正しい関係であるならば…私は身を引きます…」


そして、語気がより一層強まった。

「もし、正しくない時は…私が、親友として、責任を持って説得します…!」

そして、北岡さんは勢いよく立ち上がって、深々と頭を下げて言った。

「お願いします…どうか、私に力を貸してください!」

オレはふと、二人の顔を見る。


コタも、美由も、ほぼ同時に首をゆっくりと縦に振る。

オレはそれを一瞥し、前に向き直ってゆっくりと言った。

「よく、今まで頑張ったな。一人で辛かったろ?大丈夫。これからは、オレたちがついているから。」

できる限り、優しい言葉で、はっきりと言った。コミュ障にしてはよく頑張った方だ。

ここの何でも屋は、どんな依頼でも依頼者に寄り添って真剣に考えることを大切としている。

成立した依頼において、もう他人行儀は必要ない。オレたちはれっきとした仲間なのだから。


「北岡さん、一緒に頑張ろう。」

「これからは、仲間です。先輩、頑張りましょう。」

二人も笑顔で言う。

北岡さんは安心したのか、顔を上げ、オレに上目遣いで涙を堪えていた。

「ありがとうっ…ございますっ!」

天気も徐々に回復し、夕日が綺麗に校舎に差し込んだ。

まるでこの依頼の、成功を願うように。

そうしてまもなく、作戦会議に移るのだった。



いかがでしたでしょうか?

これから本格的に依頼に入っていきます。

まだまだ駄文で見にくい文章ですが、これからも、自分のつたえたいこと、この物語を精一杯書いていこうと思ってます!

よろしくお願いします。

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