父
父 グレン
俺はサラの死を受け入れられなかった。毎日酒を潰れるまで飲み、昼夜関係なく寝る。
そんな生活を5年続けた。小さい息子に養ってもらうところまで、俺は墜ちた。
ある日、リオはニコニコして家を出た。儀式のある日らしい。
ということは、リオは8歳ということだ。もう5年もリオの誕生日を祝っていない。
つくづく、クソだと自分で思う。
その日の夜、暗い顔をしてかえってきたかとおもっていたら、そのまま寝床について寝てしまった。いい職業に選ばれなかったのだろうと、深く考えずにいた。
次の日の朝、外が騒がしいったらありゃしない。何事かと耳を澄ますと、アベルが勇者に選ばれたらしい。
それで皆騒いでいるようだ。アベルと言ったら隣のガキだが、まさかあいつが勇者とは世の中わからないものだ。
すると夕方にノックがあり、リオが出るとアベルがいた。
なにを喋っているのかと、聞き耳をたてていると、聞いているこっちが、イライラするようなことを、リオに言っていた。
あーもう気分悪い、ねよねよ。
リオは剣士らしい、剣士だと勇者をぼこぼこにできねぇな、残念。
最近、リオの帰りが遅い。しかも帰ったときには、フラフラしている。
そんなのが2週間続いた。
何をしているのか、聞いてみたら、修行をしてると言った。
何のためにと聞いたら、まさかのアベルを超えるため。
剣士が勇者を超えるなんて聞いたことがない、と言うかほとんど、あり得ない。
どれ位修行しているかと聞いたら、1日の半分と答えやっがった。
もっとしたいかと聞いたら、即答でうんと言言いやがった。こいつなら出来るかも知れねぇ、とそう思った。
すると、自然に体が動いた。外に行く準備をして、役所にむかった。
「すんません、仕事ないですか?」