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僕はあれから家ですぐに寝た。そして目が覚めると外が、妙に騒がしいから外にでてみると。
「勇者アベル! バンザーイ!」
「アベル様、うちの畑でとれた野菜どうぞ召し上がって下さい」
近所の人たちが、アベルをあがめていた。僕は嫌気がさして、中に戻った。
そのとき思ったことは、アベルは主人公で、僕はその物語の脇役でしかないと。
そう思ってしまう自分が惨めに思えた。
そして、夕方頃になるとコンコンとノックされたので、出てみると。
アベルがいた。
「どした?」
「もぉ僕に話しかけないでね。君といると僕の評判が下がるからから、友達やめよう」
突然だった彼の絶交宣言に、僕は動揺した。
「どうしたの? 急に? 仲良かったじゃないか」
「簡単な話だよ、僕は君が嫌い、君と一緒にいると不都合なことが起きる。だからやめようって話」
「嫌い? どうゆうことだよ!」
「貧乏で、下級職の負け犬の君が嫌いだよ。じゃあね」
そう言ってアベルに扉を閉められた。なんで、どうして急に、僕の頭は疑問でいっぱいだったけど、すぐ”悔しさ”に消された。
もし、殴り合いをしたなら、こっちがやられるからどうにかして勝つ方法を探した。
「そうだ! ”スキル”があった!」
”スキル”があったのを、僕は忘れていた。スキルは生まれながら持つものと、条件を満たすことでもらえるスキルがあるら。
「ステータス」
と言うと、目の前に光の板がでてきた。
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リオ
8歳
スキル:剣術D #&@*
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「なんだこれ?」
一個読めないものがある。全く読めん。しかし剣術Dは、剣士だからついているのだろう。
後は剣術Dを努力で伸ばすしかない。
「父さんの剣は、どこかなー」
父は昔、冒険者をやっていた。だから僕は冒険者時代に使っていた剣を探している。
「あったー」
そこには立派な、シルバーの剣があった。
「この剣で今日から修行だ!」
そして僕の修行の日々が始まった。まず、仕事以外の時間を修行にあてた。さらに睡眠時間も8時間から4時間に削った。
そんな日々が2週間続いた。そんなとき父が話しかけてきた。
「おい、リオお前最近帰り遅いなぁ、何してんだ」
「修行してる」
「なんでだ」
「超えたい相手がいるから」
「誰だよ、超えたいやつって」
「アベル」
「アベルって、勇者か」
「うん」
父の表情が変わった。
「‥‥‥一日どのぐらい修行してんだ」
「一日の半分くらい」
「‥‥‥もっと、修行したいか?」
「うん」
「じゃ、ちょっといってくるかね」
そう言うと父は服を着替えて外に出て行った。また酒だろうか。
父が帰ってきたのは、その1時間ごだった。