1
「ほれ、今日もありがとな。リオ」
「ありがとうございます!」
もらった2000ゴルゴを持って家に帰る。僕の家はとても貧しい。
母は僕が3歳のときに、盗賊に殺された。そのショックで父は、仕事もしないで酒に溺れる日々
を送っている。
だから僕が働いて生活していくしかなくなった。
すると、前から赤髪のアベルがやって来た。
「おはようリオ」
「おはようアベル」
アベルの家も貧乏で、僕と同じぼろアパートにすんでいる。
アベルは父がおらずお母さんが、働いてやしなっている。
アベルとは同じ仲間としてなかよくしている。
「明日の、儀式楽しみだね」
「なりたい職業とかある?」
「戦闘に関係あるものがいいかな」
儀式とは簡単に言うと、自分の職業が現れるようにやるやつのことだ。
儀式をしないと、自分の職業が出てこないらしい。職業は、剣聖のような戦闘系と、商人のような戦闘にむかない職業がある。
「じゃあね、アベル」
「うん、また明日」
アベルと別れてうちに入ると、いつものように父がいた。
「アベル、金」
「はい」
いつものように父にお金を渡すと、父は酒を買いに家を出て行った。
#
「ふぁー、よく寝たー」
教会に行く準備を済まして、僕は教会にむかった。
「おはよう、リオ」
「うん、おはよう」
「楽しみだね」
「そうだね」
そして儀式を終えて、いよいよ職業確定が始まった。
「カズ‥‥”魔術師”」
「よっしゃー!」
「いいなー」
「まじかよー」
続々と職業が決まっていき、僕の番が来た。
「リオ‥‥”剣士”」
僕はうれしい反面がっかりした部分もありながらも、アベルのもとに戻った。
「よかったじゃん!」
「うん、でも”下級職”だからなー」
「でも、戦闘職だからマシだろ」
「うん、そうだね、ありがと」
そしてアベルの番が来た。
「アベル‥‥っ! ”勇者”」
「えっ」
僕の口からそんな言葉がでた。
「すっ! げーー!!」
「まじ!」
「アベルすげー!」
みんなアベル囲んで祝福しているけど、僕はその中にはいれなかった。
そして全員の職業が確定し、解散になった。僕はアベルと一緒に帰ろうとしたけど、アベルはこっちにわこなかった。
そのまま1人で家に帰った。
ありがとー!