am0:夜中、
コンコンコン
数ヵ月前、就職を機に私が引っ越してくることにしたアパートは二階を希望していたにもかかわらず一階で、親に勝手に決められたこともあり最初は文句ばかり言っていた。
女の子の一人暮らしと言うこともある。
一人暮らしって言っても、親が2日に一回は泊まりに来たり友達が来たりと、人の出入りは激しいのだが。
けど、近頃は一階も悪くないと思っている。
小さいけれど庭もある(ここ重要)、下の人に気を遣うこともないし、階段だって上らなくていい。色々あるけれど、一番の理由は窓の縁に腰掛けて自分の好きなように作った小さな庭を眺めたり、いじったりする事にはまったことだ。まるで自分が1つの小さな世界を創っている気がして、楽しいと思えた。
コンコンコン
布団の中でモゾモゾと寝返りをうち、枕元の携帯で時間を確かめる。今日も、ほとんど同じ時間。
引っ越してから数日がたったころ、二階に三人家族が引っ越してきた。
私が庭いじりにハマる前だ。
このアパートは2DKで中々の広さなので三人家族なら十分なのだろう。
奥さんと、旦那さんと息子さん。奥さんは、挨拶に来てくれたときに見た。フワフワした可愛らしい人だった。旦那さんは、おデコが広くて、頭が東さんそのまんまだった。息子さんは高校生だろう…制服で出ていくところを見た。短くもなく長くもない髪は、天然なのか、それぞれがクルクルと勝手な方向に弾んでいた。あと、日焼けしてた。
コンコンコン
一時二十三分…
私は天井を見上げて布団を被り直し、瞼を閉じた。
そして、朝。






