才能なし!?
翌朝
「忍様、失礼します。」
「あ、おはようございます」
「ゆっくり眠れましたか?」
「はい、ベッドがふかふかで、気持ちよかったです」
「それは良かったです。今日は朝食の前にこの世界の説明と能力の鑑定をさせていただきます。」
「鑑定?」
「はい。一人一人の能力を調べるのです。自分の能力も知らずにに世界を救うなんて出来ませんから。」
「へ〜楽しみですね」
「はい。そろそろ謁見の間に向かいましょう。」
「はい!!」
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昨日いた場所と同じ場所にきた。ここが謁見の間だったんだな。
「ようこそいらっしゃいました。まず単刀直入に言います。魔王を討伐して欲しいのです。」
「「「はい??」」」
すると
「ダリヤ説明を」
「はっ」
どうやら側近のような人はダリヤというらしい。
「今この世界は魔王が生み出す魔物と呼ばれるものによって、村が破壊されたり、農地が荒らされたりしています。それによって死者も出ているのです。冒険者という職業の者が魔物を倒してくれたりはするのだが、魔物が多くてそれでも追いつかないのです。そこで私たちはあなたたち勇者様を召喚したのです。」
「へぇ〜でも私たち戦うなんてできませんよ?」
「召喚された勇者様は一人一人がとても強いと本に記されております。きっとあなたたちも強い力をお持ちでしょう。」
「でも、どうやったらそれがわかるんだ?」
「この水晶に手をかざすと、持っている適正に応じて色が変化したりするのです。」
「「「へぇ〜」」」
「それでは鑑定を始めたいと思います。まず土宮様からお願いします。」
「は〜い」
水晶が茶色から緑に、緑から黄色に、黄色から黄緑色に変化した。
「おぉ、4つも適性があるとは...さすが勇者様だ...」
「なにかすごいんですか〜?」
「はい。土宮様は土、風、光、生の魔法適性があります。一般人では一つあればいい方で、二つあれば王宮魔術師レベルです。」
「おぉ〜なんか凄そうですね〜」
「では次に火川様お願いします。」
水晶が赤から青、そして剣のような模様と拳のような模様が浮かび上がった。
「な、なんと...魔法に加えて剣術、武術とは...」
「どうでしたか?」
「火川様は火、水の魔法適性に加え、剣術、武術への適性がございます...これは英雄クラスではないかと...」
「おぉ、なんかやったぜ!」
「では最後に薄影様お願いします。」
「はい」
手をかざすと水晶は...なにも変化が起きなかった。
「まさか適正がなにもない...?」
「え???」
「まさか適正がなにもないとはな。このような無能を我は必要としておらん。今すぐここから追い出せ!」
周りの騎士が忍を追い出そうと近づいてきた。
「ちょっと待ってください!そちらが私たちを呼んだのに才能がないからって勝手に追い出すんですか!?!?」
「確かにこちらが呼んだが、このような才能がない者は必要ないのじゃ。」
「そんな...蓮もなんか言いなさいよ!」
「...才能がないのなら仕方ないと思う。俺たちの足を引っ張るだけだ...」
「どうしたの蓮!?忍と会えなくなるかもしれないんだよ!?」
「別にいいだろ...弱いやつなんて俺はいらない...」
「うそ.........忍!!」
「それでは最初にお二人には魔法を習得してもらいます。」
「はい...」
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忍視点
俺は謁見の間から追い出され、城の門まで連れてこられた。
「お前には今すぐこの場から立ち去ってもらう。これを持っていけ。」
騎士の人は小さな鞄をこちらに放り投げた。
「これは?」
「王女様からだ。可哀想とでも思ったのだろう。さぁ、わかったらさっさと立ち去れ!!」
俺は門のそとに放り投げられた。
「どうしようかな...」
二人と離れてしまったし、この世界のことも全然知らないし...とりあえず鞄を開けた。鞄の中には銀貨らしきものが10枚入っていた。どのくらいの金額かはわからないがないよりはマシだろう。
「とりあえず飯食べるか...」
良い香りがして周りを見てみると、串焼きを売っている屋台を見つけた。
「おっちゃん三2本くれ」
「あいよ!銅貨2枚だ!今から焼くから少し待ってくれ。にいちゃん珍しい格好してんな、旅でもしてんのか?」
「あぁ、まぁそんな感じかな。それでさ、この国の貨幣について教えて欲しいんだが。」
「あぁいいぜ、まず一番したが銅貨だ。そして銅貨が10枚で銀貨になる。銀貨10枚で金貨。金貨10枚で白金貨。白金貨10枚で黒金貨だな。まぁ金貨以上は大商人でもない限り目にすることはないだろうな...っとできたぜ、まいどあり!」
「あ、いい感じに稼げるところって知ってるるか?」
「それなら冒険者ギルドにいってみるといいぜ」
「そっか、ありがとな!」
「あぁ!困った時はお互い様だ!」
俺は銀貨1枚ををあげて銅貨8枚をもらった。貨幣は10枚毎にランクが上がっていくらしく、覚えるのに苦労することはなさそうだ。
「さて、冒険者ギルドにいってみるか」
こうして忍は冒険者ギルドへと歩きだした。