前世編 二話
原作は小学生の時にノート三冊半とキャラ設定プリントを書き殴った私の脳です。
中1か中2の冬位にビリビリにして捨てました。
「ほら!ここの階段を上がれば屋上だぞ!」
「わぁ…!
行こう!蓮!」
「おう!」
二人とも体が弱い為、階段など登ったことが少なかったが、手すりを握り、上りきった。
「わぁい!蓮より先ー!」
「待てよ!優奈!あはは!」
「あはははは!!
よいしょ!」
優奈が扉を開けると、キュイイ、という音と共に、青空が広がった。
「「うわぁ…!!!」」
追いついた蓮と共に、硝子越しではない青空を見つめる。
「気持ちいい!あったかいね、蓮!」
「あったかいなぁ、優奈!
向こうまで行こうぜ!」
二人は走り方など知らないので、屋上を歩き回った。
開放日なのに誰も居ない。
数分歩くと、二人は疲れ果て、息を切らしていた。
「はぁ、はぁ…!
蓮、すごい体が、あったかい」
「俺も…すごいぽかぽかする…あ、あそこのベンチに座ろう」
「うん」
ベンチに二人が座り、優奈が背もたれに肩を置いた時に、異変は起きた。
ベンチが傾いてフェンスにぶつかり、フェンスが割れたのだ。
二人は目を見開き、抱き合った。
ベンチは完全に倒れ、二人は空中に放り出された。
「いや…やだ、嘘…!」
「あ、ぁぁ…!」
抱き合ったまま、二人は落ちていった。
数時間後−−−−−−−−
『優奈ちゃん?優奈ちゃんー?
ご飯の時間だけど、食べれるかしら?
…優奈ちゃん?ゆすりはゆうなさん?
…入りますよー?』
看護師が硝子扉を開けるが、誰も居ない。
蓮くんのところかしら。と呟き、看護師は部屋を出た。
鈴原蓮の部屋は優奈の部屋の向かい。
『蓮くん?優奈ちゃーん?
いないの?』
蓮の部屋を開けるが、此方もいない。
『どこ行ったのかしら…?
院長は未だ優奈ちゃんのお母さんと致しているんでしょうし…。
でも、そんな事言ってる場合じゃ無いわね。』
看護師が振り向き、エレベーターホールへと走り出した。
その後、病院内の看護師みんなで探したが、二人は見つからなかった。
話は別の階の患者にまで及び、軽傷の者たちも探し始めた。
すると、9階の妊婦宿泊室に居る人から、ある情報がもたらされた。
ーーーーーーーー下の階から、少年と少女の声がして、階段を登る音がした、と。
非常階段を見たが、誰も居ない。
『そもそも、二人は体力が無いわ。
一階分位ならまだしも、12階なんて登れないわね。
下は?』
三人の看護師が下階に行ったが、二人は見つからなかったのであった。