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エッセイ・その他/完結済

「毛」の悩みは永遠?

作者: 別荘のカセユキ

 初めまして、別荘のカセユキと申します。

 そして……そうですね、1年以上前に『「ちっぱい」可愛いじゃないか!』というエッセイを「おっぱいの日」の前日に投稿した作者でもあります。

 ご存知の方は、お久し振りです。

 このときは私がいかに「ちっぱい」と向き合ってきたかを書いた訳ですが、今回はもう一つの悩み「毛」について語りたいと思います。

 さて、哺乳類である我々の表面を覆っているこの「毛」。

 恥ずかしながら、私はとても毛深いです。

 昔、


「髪の毛と体毛の合計はみんな同じぐらいで、割合が違うだけだ」


と言っていた人がいるのですが、これは本当なんでしょうか? 違う気がするのですが。

 これは多分、髪の毛の薄い男の人ほど体毛が濃い、とかそんなイメージがあるからだと思うのですが、実際は影響を与えるホルモンが違うんですね。

 調べたところによると、毛髪は女性ホルモン、体毛は男性ホルモンだそうです。


 私はどっちも、どこもかしこも多いです。いやん。

 とりあえず、体毛の話からしましょうか……。


 小・中・高と悩んでいたのは、やっぱり腕の毛と足の毛が濃い事ですね。

 足の毛は靴下やタイツで隠せますが……腕の毛は、夏場は隠せない。

 そして、剃ると濃くなるということは知っていたので、本当に悩んでいました。

 最悪なのは、プールに入るときですね。水に濡れるとペターッと腕に張り付くので、毛深いのが本当に目立つんですよ!


「お父さんみたーい!」


とクラスの女子に無邪気に言われることもあって、ひそかに傷ついていました。

 そして私の対抗策はと言うと、「ひたすら日焼けする」。

 肌が茶色になると、黒い毛が目立たなくなるんですよね。夏休みは毎日学校のプールか市民プールに行ってこんがり焼いていました。


 しかし、中学生になるとそうもいかない。

 「こすると毛が細くなるパッド」を買ってこすってみたりしましたが、こすり過ぎて肌が荒れたり。

 脱毛したい! ……だけど、濃くなるのは絶対に嫌!


 そうして出会ったのが「脱色クリーム」。

 これはね、効果的でした。毛が金色になると、だいぶん目立たなくなりますね。幸い、アレルギーもないですし肌も頑丈だったので、何も問題ありませんでした。


 そしてそのうち……これ不思議なんですが、年を取ると腕毛も足毛もめちゃくちゃ薄くなりますね。

 自分の容姿を気にしなくなったらいつの間にか薄くなっていたので、何歳ぐらいから薄くなったのかは覚えていないのですが……。


 つまり、体毛が濃いという悩みは永遠ではない。


 そんな訳で、腕毛の濃さに悩んでいるあなた! 年を取れば薄くなります!

 腕毛が薄い人生の方が明らかに長い筈です! くじけないで!(グッ!)


   * * *


 さて、もう一つの悩み、髪の毛が多いこと。

 以下のイラストは、私が幼稚園ぐらいの頃のアルバムを再現したものです。


挿絵(By みてみん)


 これ、誇張でも何でもなく、顔とのバランスがこれぐらいありました。

 写真を見て、

「何、この頭!」

と思わず叫んだぐらいです。


「髪の毛がねー、本当に多くてねー。困ったわー」


と母がボヤいていました。

 私の場合、まず髪の毛の量が多いだけでなく、1本1本が太い。しかもクセがあり、膨らみやすい。

 また真っ黒なんですよ、私の髪!


 美容院に行くと

「あらー、多いわねー!」

と必ず言われます。

 20センチぐらい切ろうもんなら

「これで新たにカツラが作れるわねー」

と言われたりもします。

 おっちゃんの「ズボンの裾直しで半ズボンができちゃう」ネタかよ(長い)。


 そんな訳で、小学校低学年の頃はいつも男の子みたいなベリーショートにさせられていました。

 とにかく多いのと、また伸びるのが早いのですぐ()()()

 長くなるんじゃないんです、頭がだんだん大きくなるんですよ。だから初期状態ではなるべく髪を減らすべくベリーショートになってしまうのです。


 あ、ちなみに「髪の毛が伸びるのが早い人はエッチな人」という俗説があるようですが、これは何の根拠もないそうです。

 よって私はエッチな人ではありません。


 ……で、話を戻しまして。

 このベリーショートが本当に嫌で。私はズボンが嫌いでスカートが大好きだったんですけど、そういう可愛い服にはやっぱり可愛らしい髪型のほうが似合う。

 ですので、9歳のある日。思い切って母に言いました。

「髪の毛を伸ばしたい」

と。

 それに対する母の返事は


「あんたの髪は、そのまま下ろしておくことなんて絶対にできない。毎朝、自分でちゃんと髪をまとめられるんなら、伸ばしてもいい」


……というもの。

 かくして小四ぐらいから、自分で毎朝髪をまとめていました。

 どうやったら顔が埋もれずに、暑苦しく重苦しくならずにすむか考えました。


挿絵(By みてみん)


 全部下ろすと、シルエットがこんな感じになるんですね。カチューシャもできません。髪の量が多くて浮いて来たり、前に倒れたりするんです。膨大な毛髪を堰き止められないんですね。


 ただ……小学校までは髪型は自由ですが、中学になると校則というものがある。

 私の学校の場合ですと耳より低い位置で1つ縛り、となっていたので……何て言うんですかね、異常にダサいといいますか……。

 これならショートの方がマシだと、中学時代は諦めて短くしていました。

 

 そして高校進学。

 高校は規則は緩かったですね。さすがに少女漫画に出てくるお嬢様のような派手なリボンは駄目ですけどね。バレッタもOKでしたし。


 さて、そんな髪の毛の多い人間が一番スッキリして見える髪型は何かというと、やはりポニーテールではないかと思います。とりあえず顔の周りの毛は全部なくなりますからね。

 ただ……自分の髪の毛を1つにまとめると、私の場合は缶コーヒーぐらいの太さは余裕でありました。

 ポニーテールはやはり上の方で縛った方が可愛いと思うのですが、そこまで持ち上げるのがまず大変。

 そして、この髪の毛の重力といったら! 頭痛がヒドい!!

 体育の日はポニーテールにはできませんでしたね。走ったり飛んだりすると、確実にぐちゃぐちゃになるんですよ。重みで下がっていったり歪んだりするので。

 あと、夏場はポニーテールでも暑い。縛ったあとに流れる髪自体の量が多く、広がるからなんですね。


挿絵(By みてみん)


 こういう感じで、後ろを全部覆ってしまう。

 ですのでポニーテールしたあとに三つ編みをし(これも注連縄みたいになるんだよなあ……)それを二つに折ってまとめる、といったことをしていました。

 で、このまとめ髪ですけど、ピンでは止められません。だって、たかがヘアピン如きじゃ自分の髪を支えきれないですから。

 二つに折った後もう一度ゴムで止め、はみ出た髪の毛をピンでグサグサ差して隠す、という異常に手間がかかったことをしていました。(当然、体育のない日に)

 普通のヘアピンだと髪の毛の圧力に負けて刺さらないので、U字型のゴツいヘアピンを使ってましたね……。

 ああ、あの頃は毎日苦労していた……。


 ちっぱいの制服改造と合わせて考えると、私は何をしに高校に行っていたんでしょうね?

 でも、当時の私にとっては大事なことだったんですよ!

 クセ毛で量が多くて広がってると、不潔っぽく見えるんですよね。それが嫌で、どうしたらスッキリと清潔感溢れる感じになるかと苦慮していました。


 大学生になると、髪の毛を茶色に染めようとしました。

 ですが……これもですね、私の髪は本当に頑丈なのでなかなか色が入らない、と美容院の人に愚痴られました。

 脱色してから色を入れる、という方法も試しましたが、髪が傷んだのでやめました。

 結局行きついたのは、ストレートパーマですね。美容院の方によると、私は天頂部が特に多く、ここをたくさん梳くとアホ毛がいっぱい生えることになるので、そんなに減らすことはできないのだそうです。

 だから真っすぐにするため、というよりは根元から抑える目的でかけてはどうか、と言われました。

 これも最初はなかなか思う成果が得られなかったのですが、繰り返すうちにどうにか広がらないようになりました。

 ただこれも、伸びるのと同時に「根元から抑える」効果が無くなるので、髪の毛が増えるのと同時に爆発してしまうんですけどね。



 で、ですね。


「年を取ったら髪の毛は減るらしい。だからそのうちちょうどいい量になるに違いない」


 ……そう思ってたんですけど。

 現在、もうそんなに若くはありませんが、当時と比べても殆ど減ってないですね。

 こりゃ嘘じゃないのか、と美容室の方に聞いてみたところ、


「いやー、70近くにならないと無理じゃないかなあ?」


と素敵な笑顔で言われました。マジかよ。


 私はね、「年を取ったら髪の毛が減る」という、これを楽しみに生きてきたんですよ。

 いつかは人並みの量になるだろうと、年齢を重ねて体力が落ちようが肌の張りがなくなろうがあまり気にせず、これまで生きてきたのです。

 なのに……詐欺じゃないか!


 友人には


「大は小を兼ねるというじゃない! 少ないって悩んでいる人より絶対いいって!」


と言われましたけど、髪の毛が多いからハゲない、という訳じゃないんですよ。

 ポニーテールを多用していたせいで、前髪との境目は確実に薄くなりました。二十代のうちに。

 そして年齢的にも、髪を上の方で縛るのが似合わなくなりました。


 そんな訳で、今は諦めて下の方で一つ縛りにしています。中学校時代の校則に従うかのように。

 ショートにすると、やはり時間経過とともに爆発するのでかなりマメに美容院に行かないと駄目なんですよね。縛れる程度に伸ばしていた方がお金がかからないという、そんな理由です。


 結局、年を取っても「髪の毛が異常に多い」という悩みは解決しないのです……。

 そう、髪の毛の悩みは永遠。


 しかし、いつまでも嘆いてはいられない。自分で楽しみを見つけなくては!

 「年を取ったら自然と毛が減る」などという、あやふやな、与えられるものをただ待つのは終わり。

 自らの手で確実に叶えられる楽しみを!


 ……そしてついに、老後の楽しみを見つけました。

 年を取って、働かなくなったら……「坊主にする」と、決めたのです!


 さあ、皆さん! ここ、拍手するとこ!!

 そんな年齢になったら、もう見た目とかどうでもいいです。バリカンでバリバリ刈ってやりますよ!


 前出の親友にも言いました。意気揚々と。

 そしたら猛反対を食らいました。


「冗談じゃない! 坊主の女となんて並んで歩きたくないわ!」

「帽子被るよ」

「誤魔化せるか!」

「じゃあ、ウィッグぐらい被ろうか?」

「とにかくそんなことしたら絶交だから! 自分が生きている間は止めて!」


 まぁこのように言われたので、誰とも会わなくなったら、ということになりますね。

 これが目下のところ、一番の老後の楽しみです。

 悩み続けた髪の毛と綺麗にオサラバしてやります。


 ああ、気持ちよさそう! すっきりさっぱりだ! 維持費ゼロだし!


 何十年か後、某T県に丸坊主のババアがいたら、それはきっと私です。

 10月20日は「頭髪の日」。

 そうだ、坊主にするのも何十年か後の10月20日にしよう。

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